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ホラーと言うより怪談です。実話に基づくフィクションです。短いです。
事故
作:いお


ある夜。
私は、見るともなくTVのバラエティー番組を見ていた。
21時になり、チャンネルをあちこち変えていると、ある局だけが、無音声になっていた。
他局は正常に音声が流れている。

(事故だ。)

「TVの音が消えてる!」

などと話しかける相手のいないひとり暮らしの私は、携帯電話を取り、某巨大掲示板の実況ch板にアクセスした。
番組中に何かが起きると、すかさずこの掲示板を覗いてしまう。
きっと、名も知らぬ掲示板住人たちはお祭り騒ぎだろう。そうして巨大な話の輪に入ることがなかば習慣づいていた。と言ってもROM専門だが。
ところが、そのch板のどのスレッドを見ても、番組の流れに沿った、または無関係なリアクション・ボケ・ツッコミのオンパレードで、無音声に対する書き込みが見当たらない。

(何だ。放送事故じゃなくて、TVが壊れたのか? まっ、97年製のブラウン菅だし、ガタが来たのかもな。)

ややガッカリした、その時



『放送事故キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!!』



(!?)

私はあわててTVに目を向けた。
ドラマを放送中だ。俳優が普通に会話をしているようで、突発的な事故が起きた様子はうかがえない。
テロップ等も出ていない。

(それじゃあ……。)


事故キターの書き込みは、その1件だけだったようだ。
私は、しばらくのあいだ放心して、この現象に何か理由をつけようとしていたが、得体の知れない電波にからめ捕られそうな気分になり、やめた。


TVの音がないと、夜はひどく静かだ。





おわり














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