金髪ブリーチ
なるべく毎週日曜日に更新したいと思います。
ラブなんてジャンル外だし吸血鬼なんて何一つ読んだことないんですが、想像(別名妄想)で頑張ります。
他のヴァンパイア物とカブってる所があるかもしれませんが、なんせ知らないので、ありがちな思考してるんだな~、ということでスルーして下さい。
俺は部活帰りだった。
よりにもよってその日は他校のヤンキーに絡まれてた。サイテーな日だった。
カツアゲだって半分しか聞いてなかった。
ただ、早く終わんねぇかなーこの低脳で暴力的なおねだりー
…とか思いながら、路地裏での無駄な時間を過ごしてた訳なんだけど。
退屈だったんで、ふと、視線を上げると、路地の入り口っていうか出口っていうか、そこに人が立っていた。
誰だろーか。
俺は知らねーぞ。
殺人鬼だったりしたら面白いのに。
黒ずくめだからそうだったりして。
…その辺にそんなの居るわけねーじゃん。
ソイツは街灯も無い中で黒ずくめの癖して、金髪だった。
ブリーチか?
オカルト系の奴なのか?
本当に殺人鬼だったらどーしよー。
新聞載るかな。
ソイツは顔を上げて、
嬉しそうに、
「―頂くとしよう」
クールなポーカーフェイスで笑って、
ぞっとするくらい綺麗に―、
―確かに、そう言ったんだ。
―何の話だ?
いただく…?
がぶ、と、
おもむろに、男はヤンキーの首筋に、噛み付いた。
「…っ、はぁ!?」
俺は思わず、言ってしまった。
何だ!?この状況!!!?
こいつがホモで出会い頭のヤンキーに襲いかかって…!!
いやいやいや!ないないナイでしょ。そう簡単に居るわけないし。
ごくり、と
男の喉が鳴った。
俺の血が凍る。
ヤンキーの瞳孔が開いた。
ごく、ごく、ごく、 ごく、ごく、ごく、
ごく、ごく、ごく、 ごく、ごく、ごく―
―ごっくん
最後、だったのか
ヤンキーが、
―蒸発した。
空気に溶けて、消えてゆく。
ムースが水に溶ける様に。
俺は視線を外す事が出来なかった。
怯えたもう一人のヤンキーにも、男は再び牙をたてる。
同じく、何かを嚥下する音が続き―
俺はただ、立ち竦む。
思考が凍結していた。
また、ヤンキーが消えて、
男は俺に手を伸ばし、
首筋に鼻息が掛かって―鈍い、痛みが続いた。
あぁ、俺、咬まれたんだなぁ―と、
滲むように、何となく、そう思った。
何だろ、眠い―。
寝ちゃ、駄目…なんだろーけど…
何だ、これ…
―眠い…
俺は、男に咬まれたまま
深い眠りに、堕ちた。