第1部
これでいいんだよね…??悲しく映る一つの影
兄を殺め
里を出る後ろ姿
彼女こそが
ジャシンに見初められし
少女…
名は優羅
兄一人
妹一人
弟一人
悪魔と呼ばれていた4兄弟の2番目
生きた死神の異名をつかさどる
この少女が
この物語を駆け巡る
「はぁっはぁ………」
駆ける足音とともに息切れが聞こえる
彼女が見上げたのは
暁のアジト
「確かここにジャシン教の信者が一人いるって話……気味悪いな…」
ギィィ
錆びた扉を開け
「すみません…」
声をかけるが
応答なし
「チッ」
かすかな舌打ち
足音が聞こえる
「誰だ………??女か…」
「っ!!誰??」
「用件を言え…」
冷酷な瞳は真っ直ぐにこちらを見ている
足がすくむ
「ジャシン教信者を探してるんですけど…」
腰を低くして言う
こんなところで殺されたらかなわない
そんな様子には気にせず
その男は中に入り足を止め
「ついてこい」と、ただ一言
彼女は黙ってついていく
部屋がたくさんあるが
すべて閑散としていた
気味が悪い
また男は足を止めた
「飛段。お前に用事があるらしい。来い」
飛段と呼ばれた男は
ダルそうに立ち上がり
こちらに向かって歩き出す
ビクビク
(不良みたいだなぁ…こんなのと一緒やだなぁ…)
飛「なんだぁ…??女って、クソリーダーなんのつもりだよ」
入り口から案内してくれた男をクソリーダーと呼ぶ
暁のリーダーなのだろう
「黙れ。この女と話をしろ」と言ったきり部屋を出ていった
足音が遠退く
部屋には優羅と飛段の
二人きりになってしまった
ビクビク
「んで、なんだ??」
先に口を開いたのは飛段だった
「ジャシン様が呼んでいます。神殿に行かなければ…。」
簡潔に説明すると
理解したように静かにうなずき優羅の腕を引き
「じゃあ支度しろ。楽しみだぜゲハハハァ」
「はいっ!!」
―翌朝―
目を覚ますと隣には
飛段の顔がある
「ぎゃあああああっ!!」
奇声をあげながら飛び退く優羅
うるさそうに片目をあけ
優羅をみる飛段
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