第九夜 迷い
・・・・・そろそろ、潮時かしら?あの犬の刑事さん。頑張るな〜。ルカの使用価値もなくなってきたし・・面白くなりそう。
リリス。ルカを殺そうなんて・・・・バカなことは、やめなさい。
ヴェルダンディー・・・・あなたが、私に勝てるかしら?
勝てるなんて思ってないわ。ただ・・・・動けなくするくらいなら・・・・
ふん。バカ?あんたなんて・・・私に触れることすら、できないわ。ヴェルダンディー。
っ・・・・。
ま、今回は、見逃してあげる。だけど、今度私の邪魔をするようなら・・・・・容赦しないわ。ヴェルダンディー。
・・・・なんて恐ろしい魔女。あの魔力なら、一国の王になることも夢じゃないのに・・・何故・・・?
男だよ。ヴェルダンディー姉さん。
ルカ!いたの?
あぁ。ずっとね。
どういうことよ?男って・・・
リリス・・・・いや、ティアは、人間の男に恋をした。しかし、魔力のせいで、人間に溶け込めなくて、自分からその人格と魔力を封印し、人間になった。
ふーん。人間の男なんて、ロクな男いないのにね。
・・・・・・。
俺の名前は、柴田 宏治。妻と今年五歳になる子供がいる。未解決事件調査本部の本部長だ。つい最近、いろんな場所で、連続殺人が起きて、その調査を始めた。そして、調査初日から、人の死を見てしまった。なんでも、夢物語のようなお店「殺人屋」ってのが、関係してるらしい。殺したい人間がいれば、そこに行けて、そいつを殺してくれるらしい。そして、代償として依頼者の寿命の半分をもらう。こんなおとぎ話、最初は信じていなかったさ。でも、実際に依頼したって子と会ってるんだ。今更、流すわけにはいかなくなった。
「柴田さん。どう思います?また殺人が起きたんですよ。」
「また・・・か。被害者は?」
「えっと・・・あの団地の近所に住んでたお金持ちのご夫人で、名前は、宮村 千恵子。なんでも、被害者の近くのマンションに住む男と浮気してたらしいですよ。で、その浮気相手の男は、自分の浮気が妻にバレて、それで被害者が殺されたって、思い込んで、妻を殺害。その後に、学校から帰宅した一人娘の眞子ちゃんまで殺害。なんでも、眞子ちゃんが、「あの女を殺したのは、自分だ。」と、言ったのが原因らしいです。で、その言葉を真に受けて、眞子ちゃんを殺したそうです。」
「残酷な話だ。で、生存者は?」
「それなんです!実は、眞子ちゃんが・・・・」
・・・・。
「何ィ!死んでた子が、生き返ったぁ!!」
「はい。今日の午前7:00頃に、眞子ちゃんの死体を霊安室に運ぼうとした時に、突然息を吹き返しまして。今は、個室の方にいるそうです。」
「そうか。じゃぁ、行くぞ!」
「え!眞子ちゃんのとこにですか?」
「当り前だろ?」
「はぁ・・・。」
姉さん。あの子を生き返らせたのは・・・・姉さん?
いいえ。リリスよ。
へぇ〜。いろいろと、好き勝手にやってくれたものだね。
そして、眞子のいる如月総合病院へと向かった柴田。そこには、確かに生きている眞子の姿があった。
「眞子ちゃん。君は、どうして生き返ったの?」
「・・・・・魔女が・・来たの。真っ白なワンピースを着た女の人が。」
「!あの葬式の時の女か・・・」
「そして、言ったの。次死んだら、生き返られないって。」
「・・・・君は、殺人屋に宮村 千恵子を殺すようにお願いしたのか?」
「うん。で、殺してもらった。だけど、寿命はなくなるし・・・母さんは死んじゃうし。あのまま死んでしまえばよかったのに・・・。」
「・・・・殺人屋のことを教えてくれ!もう、これ以上犠牲を出したくないんだ。」
「・・・・・・・じゃぁ、悪い人に嫌な思いさせられている人は、どうなるの?私の父は、あの女に嘘を吹き込まれ、その犠牲になった母さん。こんなことになる前に・・・刑事さんは、来てくれるの?証拠がないから、あの女は、無罪のままでしょ?現実の法律じゃぁ、本当の悪は、倒せない。だから、殺人屋がいるの。」
「・・・・・。」
「私たちが酷い目にあったら、刑事さんたちは、私たちを助けてくれるんですか?」
「・・・・。」
「答え・・・られないんだ。じゃあ、あなたには、何も教えられない。」
「っ・・・・。」
「・・・・私たちの光りは、あのお店しかないの。それを・・・・忘れないで。」
それっきり、眞子が口を開くことはなかった。しかたく帰った柴田。
「あの・・・柴田さん?」
「・・・・・・。」
かなり、思い悩んでいた。自分は、どうしたらいいのか。その答えが、見つからなかった。
・・・・私たちの光り・・・か。面白いことを言ってくれるね。
ルカ。リリスの処分は、どうするの?
あぁ。考えておくよ。
・・・・。
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