殺人屋(9/14)PDFで表示縦書き表示RDF


 やっと、柴田刑事の登場!登場シーンの少ないオジサマキャラです!
殺人屋
作:夢見獏



第九夜 迷い


 ・・・・・そろそろ、潮時かしら?あの犬の刑事さん。頑張るな〜。ルカの使用価値もなくなってきたし・・面白くなりそう。

 リリス。ルカを殺そうなんて・・・・バカなことは、やめなさい。

 ヴェルダンディー・・・・あなたが、私に勝てるかしら?

 勝てるなんて思ってないわ。ただ・・・・動けなくするくらいなら・・・・

 ふん。バカ?あんたなんて・・・私に触れることすら、できないわ。ヴェルダンディー。

 っ・・・・。

 ま、今回は、見逃してあげる。だけど、今度私の邪魔をするようなら・・・・・容赦しないわ。ヴェルダンディー。

 ・・・・なんて恐ろしい魔女。あの魔力なら、一国の王になることも夢じゃないのに・・・何故・・・?

 男だよ。ヴェルダンディー姉さん。

 ルカ!いたの?

 あぁ。ずっとね。

 どういうことよ?男って・・・

 リリス・・・・いや、ティアは、人間の男に恋をした。しかし、魔力のせいで、人間に溶け込めなくて、自分からその人格と魔力を封印し、人間になった。

 ふーん。人間の男なんて、ロクな男いないのにね。

 ・・・・・・。

 俺の名前は、柴田 宏治。妻と今年五歳になる子供がいる。未解決事件調査本部の本部長だ。つい最近、いろんな場所で、連続殺人が起きて、その調査を始めた。そして、調査初日から、人の死を見てしまった。なんでも、夢物語のようなお店「殺人屋」ってのが、関係してるらしい。殺したい人間がいれば、そこに行けて、そいつを殺してくれるらしい。そして、代償として依頼者の寿命の半分をもらう。こんなおとぎ話、最初は信じていなかったさ。でも、実際に依頼したって子と会ってるんだ。今更、流すわけにはいかなくなった。
「柴田さん。どう思います?また殺人が起きたんですよ。」
「また・・・か。被害者は?」
「えっと・・・あの団地の近所に住んでたお金持ちのご夫人で、名前は、宮村 千恵子。なんでも、被害者の近くのマンションに住む男と浮気してたらしいですよ。で、その浮気相手の男は、自分の浮気が妻にバレて、それで被害者が殺されたって、思い込んで、妻を殺害。その後に、学校から帰宅した一人娘の眞子ちゃんまで殺害。なんでも、眞子ちゃんが、「あの女を殺したのは、自分だ。」と、言ったのが原因らしいです。で、その言葉を真に受けて、眞子ちゃんを殺したそうです。」
「残酷な話だ。で、生存者は?」
「それなんです!実は、眞子ちゃんが・・・・」
・・・・。
「何ィ!死んでた子が、生き返ったぁ!!」
「はい。今日の午前7:00頃に、眞子ちゃんの死体を霊安室に運ぼうとした時に、突然息を吹き返しまして。今は、個室の方にいるそうです。」
「そうか。じゃぁ、行くぞ!」
「え!眞子ちゃんのとこにですか?」
「当り前だろ?」
「はぁ・・・。」

 姉さん。あの子を生き返らせたのは・・・・姉さん?

 いいえ。リリスよ。

 へぇ〜。いろいろと、好き勝手にやってくれたものだね。

 そして、眞子のいる如月総合病院へと向かった柴田。そこには、確かに生きている眞子の姿があった。
「眞子ちゃん。君は、どうして生き返ったの?」
「・・・・・魔女が・・来たの。真っ白なワンピースを着た女の人が。」
「!あの葬式の時の女か・・・」
「そして、言ったの。次死んだら、生き返られないって。」
「・・・・君は、殺人屋に宮村 千恵子を殺すようにお願いしたのか?」
「うん。で、殺してもらった。だけど、寿命はなくなるし・・・母さんは死んじゃうし。あのまま死んでしまえばよかったのに・・・。」
「・・・・殺人屋のことを教えてくれ!もう、これ以上犠牲を出したくないんだ。」
「・・・・・・・じゃぁ、悪い人に嫌な思いさせられている人は、どうなるの?私の父は、あの女に嘘を吹き込まれ、その犠牲になった母さん。こんなことになる前に・・・刑事さんは、来てくれるの?証拠がないから、あの女は、無罪のままでしょ?現実の法律じゃぁ、本当の悪は、倒せない。だから、殺人屋がいるの。」
「・・・・・。」
「私たちが酷い目にあったら、刑事さんたちは、私たちを助けてくれるんですか?」
「・・・・。」
「答え・・・られないんだ。じゃあ、あなたには、何も教えられない。」
「っ・・・・。」
「・・・・私たちの光りは、あのお店しかないの。それを・・・・忘れないで。」
 それっきり、眞子が口を開くことはなかった。しかたく帰った柴田。
「あの・・・柴田さん?」
「・・・・・・。」
 かなり、思い悩んでいた。自分は、どうしたらいいのか。その答えが、見つからなかった。

 ・・・・私たちの光り・・・か。面白いことを言ってくれるね。

 ルカ。リリスの処分は、どうするの?

 あぁ。考えておくよ。

・・・・。












ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう