第五話・森のものを食べるときには毒に細心の注意を
はい、第五話投稿しました。
今回は戦闘?がメインですね。
まあ、主人公の強さがわかったらいいなあ、と思います。
それじゃ第五話、始まり始まり…
はい、神様に与えられた能力を確認した結果、現在爆心地さながらの場所にいます。
伊那楓です。
いやー、まさかここまで威力が強いものとは思いませんでした。
まあ、済んでしまったことは仕方無いので放っておきましょう。
あ、ちゃんと【レーダー】で確認して生物がいない場所で確認をしたので、大丈夫ですよ。
それにしても…
「お腹がすきましたね。」
そういえば朝食しか食べてませんでしたね。
何か食べるものは…
「木の実くらいしかありませんね。」
さすがに狩りをしてまで肉を食べたいとも思わない。
とは言ってもこの辺の木は、あらかた倒してしまってあるうえに、木の実がなっていそうな木が周りにはない。
「…探しに行きますか。」
木の実がなっていそうな場所を探すことにした。
閑話休題
「これおいしいですね。」
今、私は見た目はリンゴ、味はイチゴという果物を食べている。
十分くらい森をさまよっていると木にリンゴがなっていたので、【霊力浮遊】で収穫したという経緯になっている。
食べてから気づいたけど…
毒があったかもしれないのに食べてよかったんですかね?
まあ済んだことをいっても仕方ありません。
それに食べ始めて三個めだ。
毒があるならもう回ってる頃だし、大丈夫だろう。
「ふう…おいしかったです。」
さて、果物も食べ終わり、どうしようか思案していると。
「ん?これは…」
出しっぱなしにしておいた【レーダー】に反応があった。
「おかしいですね。」
一つの緑の点が複数の赤い点に追いかけられている。
「でも、この速さは…」
見ている限り人間が走るスピードではない。
しかし、森の中で動物はこんなにスピードを出せるものなのか。
緑の点は一つしかないので生き物で移動しているとは思えない。
「車…なわけはないし。」
神様はこの世界【ケミスト】が科学や機械よりも【魔法】が発達していると言っていた。
「じゃあ【魔法】ですかね。」
【魔法】なら、馬などの代わりになるような物が有るのかもしれない。
「まあ、助けてみますか。」
【霊力浮遊】で飛んでいく…ことはできないので、【霊力浮遊】で速度を上げつつ、木を避けながらところどころで【霊力急進】を使って道を急いだ。
「うあー、やっぱり慣れませーん。」
…先を急ぎました。
閑話休題
そろそろ精神的に限界か、というところでようやく現場に着いた。
いや、急いだんですがね。
向こうも移動しているもんですから、なかなか追いつけずに距離を縮めるのに【霊力急進】を連発しました。
追いかけている内に整備された道に出れたので最終的に【霊力突進】を使いましたよ。
やっぱり、あまり速度は出ませんね。
まあ、慣れてきたら徐々に速度を上げましょうか。
さて、目の前で繰り広げられている光景ですが。
大きな馬車が穴に落ちていて、その周りをいかにも、盗賊だ!って人たちが取り囲んでる。
ちなみに私は草むらに隠れていますよ?
どうやら馬車に【魔力障壁】が展開されているらしく、盗賊達も持っている剣や槍で切り付けているがどうにもならないらしい。
「ちっきしょう、早くしねぇとギルド員呼ばれちまうぞ!」
「わかってるよ!でもお頭じゃねえと【魔法】が使えねえんだよ!」
どうやら【魔法障壁】は剣や槍でどうにかできるものではなく、【魔法】でないとどうにかできないらしい。
「くそっ!お頭はまだか!?」
「ああ!今連絡があった!あと数分で来るぞ!」
そのお頭とやらが着く前に減らしておいた方が楽かな?
そうと決めたら…
「あの、何してるんですか?」
ここは旅人を装って近づくのが無難かな?
近づけばブレードも当てやすいだろうし。
「ああ?なんだ、ガキ」
「遠くから馬車が倒れてるのが見えたので急いできたんですけど…」
自然に盗賊に近づくとブレードの射程内に入った。
「チッ!まさか見られちまうたぁなぁ。面倒だし消え―――」
盗賊が何か言おうとしていたが、それ以上言葉を発することは無かった。
「て、てめぇ【魔法】を―――」
もう一人の盗賊も何かを言おうとしたようだが、【霊力急進】で一気に近づき、ブレードで切った。
「ふぅ、意外と簡単でしたね。【魔力】を削る、とありましたが。なるほど、【魔力】を削られると気絶するんですか。」
直接【魔力】を削るから体に傷がつかない。
これは良いです、捕縛用として活躍しそうです。
さて、馬車の中の人は無事かな?
【レーダー】には緑の点が表示されてるから大丈夫だと思うけど…
馬車を確認しようとすると【レーダー】に変化があった。
「【レーダー】に反応…赤い点と緑の点、多分お頭とやらかな。」
まだ遠いけど確実にこちらに近づいてくる。
それにこの速さ…緑の点は馬か何かかな?
馬車は後回しか…
思案している内にかなり近づいてきていた。
【レーダー】を消し、装備していたブレードも消しておく。
「ああ?んだこりゃあ?」
そして、馬に乗った男が現れた。
「どうなってやがる。通信が入って来てみりゃ、もしやお前がやったのか?」
男…盗賊の頭は馬から降りながら、馬車には目もくれずに聞いてきた。
「ええ、そうですが…敵討ちでもしますか?」
盗賊の頭は何かを呟いた後に口元を歪めて言った。
「どうだ?ガキ、よければ部下にならねえか?どうやったか知らねえがそこのカス共を潰したんだ。弱いわけじゃないだろう?」
「…この二人はあなたの部下らしいですが。それをカス呼ばわりですか?」
「ああ?変なことを聞くなガキ。当り前だろうが、そいつらは【魔法】もろくに使えねえ、カスって呼ぶのが当然だろ?」
盗賊の頭は下卑た表情で笑っている。
「あなたが来る前に馬車を襲うのに成功していたらどうしていたんですか?」
「もちろん、そいつらを殺して独り占めだ。」
「そうですか…」
私は満面の笑みを浮かべて…
「いいですね。じゃあこれから一緒に盗賊しましょうか。」
握手をしようと左手を伸ばす。
「おう、せいぜい俺の役にたてよ。」
盗賊の頭がつられて、手を伸ばすと…
「は?」
右腕にブレードを装備し、【霊力急進】を発動、胴体を両断した。
盗賊の頭は何が起こったか分からないように地面に倒れました。
「てめぇ…ガキが何しやがった!」
「なるほど…【魔力】がある程度あると、切っても気絶しませんか。」
盗賊の頭は気絶しなかったようだが、地面に倒れて起き上がれないようだ。
「それでも十分に有効のようですね。」
私は倒れている盗賊の頭にゆっくりと近づく。
「や、やめろ…今まで集めた物は全部やる。だ、だから―――」
「黙れ。カスが…」
ブレードを振り下ろすと盗賊の頭の頭部を貫いた。
盗賊の頭は完全に気絶したようだ。
「さて…と」
【レーダー】を出し盗賊の頭がやってきた方向を確認する。
「貰えるものは貰いますか。丁度道にも出て町にも行けそうですし。」
【霊力浮遊】を使いながら歩を進めた。
はい、どうだったでしょうか?
主人公は命を軽く見る相手には容赦がありませんね。
それと、戦闘がメインの筈でしたがいつの間にかこのような圧倒的な形に…
主人公…おそろしい子!
ではでは、感想、意見、その他諸々、お待ちしております。