第5話:騎士たちとの出会い
青年達に連れてかれた場所は、シンセプト西端の町、チェンクの酒場だった。
酒場というからには、うるさく、店中に酒臭がこもっていた。
「さてと、ここでゆっくり話ができるな・・・と思ったけど、まだ自己紹介もしてなかったな」
『あ、俺は咲本焔って言います』
「サキモトホムラ?・・・何処で区切んの??」
『サキモト/ホムラです。ホムラって呼んでください』
「おう、わかった。俺はシンセプト騎士団"イのハ"級聖騎士、『プライン・コルトス』ってんだ。よろしくな」
「私はシンセプト弓術団、"イのロ"級魔道弓『ルネ・シャイン』よ。別名「ドラゴンスナイパー」だから、『ルネ』って呼んで」
「なんでお前だけで別名言うんだよ!俺にだって、「聖なる神の護り手」って別名あるからな!」
「だってその別名と言うか通り名って、騎士団のナイトって感じの通り名じゃないじゃん!!」
『・・・あの〜、さっきから言ってる"イのハ"とか"イのロ"って、何なんですか?』
俺はさりげな〜く聞いてみた。
「あぁ、これは一種の段階表示のようなもので、イ、ロ、ハ、ニ、ホの順に高いとか、強いって言う解釈をするんだ」
「で、イの中にもイ、ロ、ハ、ニ、ホがあって、"イのイ"が一番高くて、強いの」
『つまり、一番低いとか、弱いのが、"ホのホ"って事ですね!』
「そういうことさ」
『・・・て言うことは、お二人とも凄く強いのでは・・・?』
「具体的に強いとか弱いとか分かんないけど、私は弓術団の副隊長だし、プラインも騎士団の部隊長を任されてるよ」
「まぁ、有名になったっからって、いい事ばかりということは無いさ。・・・今のようにね」
ふと周りを見ると、さっきまで飲み食い騒いでた酒場の客たちが、俺たちのテーブルを囲んでいた。
「な、なぁ、あんたら、さっきの話聞いちまったが、あんたら騎士団の人かい?」
「あぁ、そうだが」
「そ、それで隊長ランクの有名人なのか?」
「まぁ、・・・そうよ?だから?」
「じゃ、じゃあ、一つ頼みがあるんだが」
「・・・言ってみ?」
「・・・・・・・・・その首、ちょっと頂けませんかねぇ?」
その言葉を聞いた途端、背筋に寒気が通った。
そして気づいた。 何に? 俺たちを囲んでた町民全員が、ビール瓶やら何やらを手に、滲みよって来る事に。
すると、プラインが、
「ホムラ、ちぃとばかし頭抑えてろ」
言うが早いか、するが早いか。 言った瞬間、テーブルの上に乗り、一回点の横薙ぎをしていた。
町民たちに届くはずが無いその横薙ぎは、なぜか、全方向の町民にヒット。 俺たちを中心にドミノ倒しになった。
「俺たちがこの町に来た理由は最近ここらの治安が悪くなってると言う情報が届いたからなんだ」
『そうなんですか・・・』
「ま、もう一個あるんだけどね、極秘だから秘密」
ルネがいたずらっぽく笑ってみせた。
「ま、どっちでもいいんだがな。それより・・・おい!てめぇら!殺されるか捕まりたくなかったらさっさと散れ!!!」
見るも無残に、へっぴり腰になりながら、町人はワラワラと酒場から消えていった・・・。
「馬鹿よねぇ〜。敵わないって分かってるのにかかって来るなんて・・・」
『でも、なんで有名だからって今みたいに命を狙われるんですか?』
「シンセプトに反抗しているレジスタンスから、賞金首みたいに賞金かけられてんのさ」
苦笑+ため息交じりに、プラインが言っていた。
俺はその時、こんなわけの分からん世界にいることを忘れ、ただただ"この世界の現実"を見せられた気でいた。
こんなもの、あとから分かることに比べれば、どうでも良いような事とは知らずに・・・。
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