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全書・第八巻・六節 "世界の全て"
作:透麗鮫鱗



第1話:理不尽な世界


カッカッカッ・・・

掛けていた眼鏡が吹っ飛ぶ音が遠く聞こえる。

それと同時に意識がぶっ飛ぶような衝撃と頬の痛みが走る。



七月二十日、高校が夏休みにもうすぐ差し掛かる今日。


この世界の住人の一人、高校一年生の咲本 焔さきもと ほむらには災難な日になった。

眼鏡を掛け、知的を想像させるその容姿はどこかしら、他人と距離を作るイメージだ。

人間性、頭脳、外見、どれをとっても、不足は無いが、唯一、友達と呼べるものがいない。

その、天才ともいえる頭を持つことで周りから遠ざかり、いつからか、彼は孤独となっていた。

元々、"聞かれなければ答えない"ような性格なので、周りは勝手な噂を立てる。

彼はそんなことはお構いなし。 いつものように横で噂されようが関係ない。




今日は、先輩たちに意味も無く呼び出され、リンチ。

日常のストレスの発散が目的と思われるそれは、しばらくすれば終わった。



「ちっ!どうすっかな、この傷。母さんにどう言う言い訳用意すっかな」

家に帰宅した時に母親にどう説明するか、呟きながら試行錯誤していると・・・。


「あ!咲本くん?」

いきなり見覚えの無い同制服を着た少女(?)に話しかけられた。

「ん?・・・すまないが俺はお前と知り合いか?だとしたら、俺との関係を教えてくれ」

「え、ひど〜い!忘れちゃったの?クラスメイトの佐久間 稔里さくま みのりだよ。覚えてね!」

「あぁ、そうか、すまない。極力覚える様に努力する」

俺は大通りで出会った、自称クラスメイト「佐久間稔里」に、いい加減なことを言っていると、


「あ、稔里!ダメじゃん!こんな奴と話してたら、嫌われるよ」

いきなり俺と会話している佐久間に話しかけた知り合いらしき奴が、入ってきた。

「え?なんで??」

・・・当の佐久間事態は、気づいてないようだ。

「いいから!早くあっち行こ!!」

「え、・・・うん。じゃあ、また明日学校でね、咲本君」

「だから、あんな奴と・・・・・・」


・・・世の中なんて、こんなものさ。

意味も無く、自分より劣ってると、他人に決め付け、蔑み、罵倒する。

そんなことしてないと、自分に自信がなくなるんだよ。

いつでも、あいつより〜が良かったから、少なくとも自分は他人より勝ってると・・・。

そう思い込んでるだけさ。  いや、俺は別に自信過剰でも自意識過剰でもないがな・・・。


いつも俺はこんな世界に嫌気が差す。

CO2がどうのこうので、暑くなるとか、核がなんちゃらとか・・・・・・。

俺がいつも心の中で結局呟くこと・・・それは。


――くだらん。 いっそ世界が消えて無くなれば良い。

そうさ、そうなればさっきのような理不尽極まりない事も起こらないだろうよ。












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