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あの日、僕達の故郷が終わった。バイオハザード日記 作者:

ショッピングセンターの攻防

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4 死体復活  杉田哲也

 そいつは絵具をごちゃまぜにして塗りまくった感じの顔をしていた。仰向けに倒れて、動かない。

「ゾンビじゃん」

 そうだよ。こいつがゾンビだよ、って杉田は言いたげだった。ゾンビの眉間に今さっき発砲された銃弾がめり込んでいた。

「神話通りなのか?」
「神話ってなんだよ」
「いや。有名なゾンビの話通りに、これで死んでるのかって話さ」
「まあよく見てろ」

 ゾンビの体から一斉に小さな虫が飛び去っていった。虫が飛び去ると、そこには服を残して跡形もなくなっていた。ティーシャツにジーパンが残されている。

「ほう」
「これ見て吐かないって相当鍛えてるな」

 平然とした顔をしている杉田も大概だけど、と俺は言いたかった。

「この人が二階堂さんなのか?」
「いや」

 杉田は女子トイレのドアを一つ残らずバンバンバンバンと開けていった。

「いないな」
「だろ?」

 俺はそう言いつつも、女子トイレの便器を3つ覗いてみた。何もなかった。一番端は掃除用具入れだった。杉田は「良いものあるぞ」と言ってそこからデッキブラシと、スポイルを取りだした。

「まあ人間にはダメージ高そうな武器だけどな」

 俺はぼそっと呟いた。

「そういう邪心はやめろよ」
「一応持っていこう」

 俺はスポイルを右手に持ち、左手にデッキブラシを持った。

 ショッピングセンターはかなり多くのテナントを入れていた。1階は洋菓子や茶菓子売場になり、2階から5階までが婦人服、紳士服売場となっていた。6階が日用品店が入り、7階に本屋と楽器屋が、8階はよくわらからず、9階10階がレストランフロアになっている。その上に屋上もあった。

 俺はショッピングセンターの間取りを眺めていた。杉田はポケットからガムを取り出してくちゃくちゃ言わせながら食べていた。おまえそんなに下品なやつだったっけ、と俺は過去のこいつを振り返ってみた。俺は首を振り、煙草すら吸わなかった杉田を懐かしく思った。

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