嫉恋~Another story~
どーも!またまたViviです。
これは『嫉恋』第二弾!
短編なのですらっすら行きたいと思います。
『嫉恋』と変な感じにでもいい感じに絡めていきたいと思ってるんで、どうぞよろしくお願いします。できれば『嫉恋』の方からお読みになってくださるとうれしいです。
それではどうぞご覧ください。
高校2年生になった。
周りの人は自分の恋に忙しくなっていた。
私は…というと。
全然ダメ。
なんというか、私はこれまでにそういった経験がない。というか、興味がなかった。
これから、気になる人が出てくるのだろうか。
私は思春期がなかったのかなと思うほど、疎いのだ。
小学生のころは好きになった男の子がいたけど、発展はしてないし、第一小学生の恋なんて数の内に入らないだろう。
高校2年生になり、クラス替えがあり・・・。
周りは誰々君良くない?とか誰君と一緒になれた!とかまるで、女子高生みたい。
あ、女子高生か。
私がおかしい。そんなことはわかっている。
けど、一目ぼれとかもしたこと無いし…。
誰か私をときめかせてよ(笑)。
やはり、高校2年の春にも春は来ないようだ。
春もおわりかけ、もうすぐ夏になる。
私はまだ衣替えをしていなかった。
夜寒い時があるからね。
ある学校の帰り道。
私は友達といつもの交差点でわかれ、一人歩いていた。
そこから家に向かい、割と賑わっている商店街を通る。
私はなんだか寄り道したい気分になった。
そういえば最近、商店街のT館と呼ばれるところに小じゃれた雑貨屋さんができたらしい。
ちょっと寄ってみよう。そんなことを思いT館へ足を運んだ。
平日の夕方だが、近所の学生たちでT館は賑わっていた。
タタタタッ!
歩いていると、横から階段を駆け足でおりてくる大人の女性がみえた。
ヒールで階段は危なっかしいな~と思っていると・・・。
「きゃあっ!」
突然その女性は足をくじき、階段から転げ落ちた。
そして私の横に飛び込んできた。
「えっ」
そのまま私にぶつかり女性と私は倒れる。女性のもっていた買い物袋と、トートバックの中身があたりに散らばった。
周りの人たちが驚いてしばらく動けないでいると、高校の制服を着た男の子が駆け足でこっちにやってきた。
「大丈夫ですか?荷物拾いますからそこに座っていてください。」と女性に。
「大丈夫?どっか痛いとこある?」と私に。
それから、素早く散らばった荷物をまとめて女性に手渡した。
「どうぞ。ヒールは危ないから気を付けてくださいね。怪我が無いみたいでよかったです。」そういって男の子はにっこり笑う。
その笑顔に私は反射的にドキッとした。
女性にお礼を言われて、話が終わるとその人はこっちに来た。
「君も災難だったね・・・あっ。」
「あっ。」
お互い顔を見て、同時にあることに気付く。
「あの~同じクラスの、〇〇だよね。立てる?」先に言葉を発したのは彼の方だった。
私は何も言わずコクンコクンと頷き、差し出された手を掴む。
グイッと持ち上げられ、彼の顔が近くなる。
私はなんだか恥ずかしくなって少し顔をそらしてしまった。
「あ、ありがとう。傷もないし大丈夫みたい。その、ビックリした。家こっちの方なんだ。」
私は顔をそむけながら、頭に出た言葉を話す。
「俺もビックリだよ。〇〇がこっちの方だったなんて。ていうか今まで出くわさなかったのが奇跡だよな。」そういってまた笑顔をみせる。
その笑顔にまた少しドキッとする。
なんだろうこの感覚。
不思議な感覚が私の中をぐるぐるしていた。
もう一度お礼を言い、私たちはそこで分かれた。
彼の笑った顔が脳に焼き付いて離れない。
夜ごはんの時も、お風呂の時も、私はこれまで味わったことのない感覚に戸惑って、ぼーとしていた。
その日はすぐには寝つけなかった。
次の日。
私は昨日の感覚が消えないままでいた。
ぼーとクラスの端の席に座る彼を眺めていた。
これまでこんなに1つのものを見つめていたことなどなかったのに。
私は気づいたら、彼を見るようになっていた。
彼の名前が呼ばれるとそっちが気になって仕方なかった。
見ているといろんなことがわかる気がした。
私は彼をもっと知りたくなった。
彼は誰にでも優しかった。
けど、その優しさの1つ1つに私は嫉妬していた。
あの優しさを私にむけてほしくて、私だけに向けて欲しくて。
私は彼とほとんど話したことがなかった。
せめて挨拶だけでもしよう。
そんな風におもうようになった。
1週間が過ぎる。
私はまだ彼を見つめているだけだった。
日に日に想いは募る。
嫉妬も回数が多くなった気がする。
別に私の彼氏でもないのに。
なんだか寂しい気持ちになっていた。
彼と話したい。彼と遊びたい。彼に微笑んでほしい。
少年みたいにニコッと笑う彼の笑顔が頭の中で何度も繰り返される。
ああ。
これが
これが恋なんだ。
どうすれば良いのかわからないけど、彼に近づきたいという私の気持ちはわかっている。
自分の思うように動こう。
そう思った。
2週間が経った。
まだ私は動けずにいた。
だってそうでしょ?
これが初めてのことなんだから、行動しようといってもどう動けば良いのかなんてわからないよ。
私は今日も彼を見ていた。
彼はいつも通り周りに笑顔を振りまく。
私の想いが彼から遠く離れていくように感じられた。
1ヶ月が経った。
私は相変わらず彼を見続けるだけだった。
ある日クラスのある男子生徒が学校を休んだ。
ビックリした。なぜかって?
その男子は失明したそうだ。
昨日まで普通に過ごしていたらしいが、失明した。
突然日常の光を失ったのだ。
私は怖くなり、鼓動がはやまった。
私の日常。彼を見つめているこの日常。
それがある日突然真っ暗になる。
嫌、怖い。
そんなの嫌だ。
でももしかしたら、私にも突然不幸が訪れるかもしれない。
そうだ。私は決心したじゃないか。
動こうって。
こんな健康な身体をもっているのに、動かない理由はない。
その日の帰り。
私は「少し用事があるから。」といっていつもの友達と帰らず、教室に残った。
そして、教室から彼が出ていくのを確認する。
「よし、今日しかない!今日行くしかないでしょ!」そう自分に言い聞かせて、彼の後をおいかける。
学校をでて、あの商店街を通る。
彼は歩くのが速かった。
見失わないように、ついていくのが必死だった私は周りをよくみる余裕がなくなっていた。
その時
キキーーーッ!!!
「あぶない!!」
そんな声が聞こえたと思うと、横目に私に向かって突っ込んでくる車がみえた。
「え?!」
車がぶつかって死ぬかもしれないそんな時に、私はあの日の商店街の出来事がフラッシュバックしていた。女の人にぶつかって、転んで、彼が来てくれて。ニッコリ笑ってくれて・・・。
ドンッ!!!
私は車にぶつかり道路に倒れた。
「…っ!…!…!」
なにか聞こえる。
聞いたことのある・・・。
私はそのまま気を失った。
「…ん…。」
ぼや~とした光が見える。
「うっ。」
腰の辺りが痛い。それから頭痛がする。
ここは…病院…。
そうだ。私は車にぶつかって…。
「目覚めた?」
「お母さん…わたし…。」
すぐ横にお母さんが座って私を見ていた。
「○○君ていう同じクラスの子が救急車を呼んでくれたの。後でお礼言うのよ。」
「あ…そうなんだ。うん、ちゃんと言っとく。」
私は彼の名前を聞くと同時に無意識に顔を逸らした。
「彼、良い子ね。すっごく心配してくれたんだから。」
「うん…。」
「彼のこと気になってたりして。」
ドキッ!
「そ、そんなことないよ!」
恥ずかしくて、布団に顔を隠した。
「そ。」
お母さんはクスクス笑う。
「もういいでしょ。お礼はちゃんと言うから。」
そっか。彼が、助けてくれたんだ。
純粋に嬉しかった。
ほんとに王子様かって思うくらい。
私の怪我は幸いたいしたことが無く、数日のうちに退院出来た。
明日からまた学校。
私はあることを決心していた。
もう迷わない。
もう無駄にしない。
言えるとき言わなきゃ、伝わらない。
今回事故に合ったことが神様からのメッセージのように感じられた。
彼はやっぱり心配してくれた。私は彼の一つ一つの言動にドキドキしていた。
放課後彼を呼び出した。
あの商店街の近くの公園だ。
言うんだ。
今から、彼に。
私の思いを。
「好きです。」
たぶんこう言った。直球で、不器用な言葉。
終始目の前がぼやあとしていて、どんな感じだったかは覚えていない。
ただ
彼の声が優しかったことは覚えている。
あれから数日がたった。
いつもと変わらぬ日常が戻った。
ううん。変わったこともある。
私は彼ともっと話すようになっていた。
あともう1つ。
クラスに1ヶ月近く休んでいた男子生徒が戻ってきた。
放課後、私はその男子生徒に呼び出された。
彼の瞼の奥に、私と同じ光を感じた。
人を動かす、とても明るく真っ直ぐな光だ。
物語は以上になります。
最後までご覧くださり、ありがとうございます。
これからも作品を書いていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。