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Chapter:01 誤解
Episode:07
「これでだいじょぶ? 椅子遠くない?」
「だいじょぶです」
 そんなやり取りを横目に、ほかのメンバーもテーブルに着く。

「イマド、そんなに……食べるの?」
 同級生の昼食の量を見て、ルーフェイアが目を丸くした。おそらく二人前は、ゆうにあるだろう。
「ふつうだろ。てか、これじゃたぶん足りねーし」
「え……」
 同年代の子をあまり知らない少女には、かなりのインパクトだったようだ。

「つか、お前が食わなすぎだって。そんなんで夕メシまで持つのかよ」
「イマド、お前とルーちゃんを同じにするなよ。かわいそうじゃないか」
 すかさず外野が茶々を入れる。
「オマエ図体デカいから、そのぶん食うもんなー」
「るっせ」

 軽快なやり取りのあいだで、少女は楽しそうだ。ロアが見るかぎり、ルーフェイアはこの男子たちとは、上手くやれている。
 しゃべりながらの、昼食の時間が始まった。つまらない話でしらけてみんなから突っ込まれてみたり、おかわりをしに行ったりと、なかなかにぎやかだ。

「あー、オレ今学期のテスト、ヤバかったんだよな。マジ勉強しないと」
 たあいない会話の中から、唐突に深刻なものが飛び出す。
「たいへんだな、頑張れよ」
 イマドは他人事だ。たしか彼は入学してからずっと、学年のトップを独走している。だからテストなど、どうということもないのだろう。

「テスト……悪いと、ダメなの?」
 ルーフェイアが、不思議そうな顔をした。
「あーそっか、ルーフェは知らないか」
 学院へ来て日の浅いこの子に、ロアは説明する。

「こないだテストやったでしょ? あの成績の総合で、翌年のクラス分けが決まるんだよ」
 この学院は全体的に、生徒の自主性を重んじる。だがそれは同時に、生徒たちに相応の責任も負わせるものだ。
 勉強しろとは一言も言わないが、成績が落ちれば容赦なく降格する。規律も守れとは言わないが、破れば即ペナルティーが課される。

 しかもこれらが積み重ねれば、強制退学だってあり得るのだ。だから、どの生徒も必死だった。
 だがこの少女は、まだよく分からないようだ。
「クラス、分け……?」
 きょとんとした表情で、首をかしげている。

「えーっと、これでダメだと、どう説明すればいいのかなぁ」
「先輩、放っといたってそのうち、イヤでも覚えますって」
「それもそうか」
 この子が学院へ来てから、まだいくらも経っていないのだ。焦ることもないだろう。


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