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Chapter:04 真相
Episode:29
「あなたがいたら、全力出せない!」
「なっ……」
 絶句するシーモアに、さらに言う。
「せめて、下がって。じゃないと、心中だから」
「――わかった」

 やっと彼女が下がったけど、状況は不利になった。もう気づかれてしまってる。うまく逃げられればと思ってたけど、ムリそうだ。
 飛竜が動きを止めて構えたのを見て、とっさにシーモアに体当たりする。
 直後、炎がさっきまで居た場所を駆け抜けた。

「行ける?」
「あ、あぁ……」
 炎を吐かれてやっと、どれほど危険かを飲み込んだみたいだ。
「けど、あんたは?」
「ひとりなら……だいじょうぶ」
 本当はちょっと不利だけど、それは言わなかった。それにひとりの方が楽なのは、たしかだ。

「目くらましで低位魔法、使うから。その間に」
「分かった」
 間をおかず、立て続けに低位の、炎魔法を放つ。
 飛竜の注意があたしに向く。
「早く!」

 シーモアが隙を突いて、回り込むように走った。
――良かった。
 飛竜は彼女に気がついてない。あたしと、あたしの魔法に完全に気を取られてる。
 これなら、あとは崖を登りさえすれば……。

 そのとき、視界の隅に思わぬものが映った。
 崖を降りてくる、三つの人影。
 飛竜を牽制しておいて、そっちに視線を向ける。

――イマド?
 たしかに目が合った。
 彼が「やれるのか」と、問いかけてるのが分かる。
 隙さえ作れれば、あたしがそう思いながら見返した瞬間、彼が動いた。身長の倍近い高さから、一気に飛び降りて、走る。

「こっちだ!」
 大声を上げながら、魔力石をばら撒く。
 そこへ、銃声。絶妙のタイミングで、いっしょに来てたミルが、弾を撃ち込んだ。
 飛竜が完全にそれに引っかかって、イマドたちのほうを向く。
 魔力石が撒かれた場所へ、足を踏み出す。

――爆発。
 次々と石が爆ぜ、炎を上げた。
 飛竜の動きが止まる。
「幾万の過去から連なる深遠より、嘆きの涙汲み上げて凍れる時となせ――」

 すかさず、呪を唱えながら走りこむ。
 飛竜の身体の下へもぐりこんで、手を触れる。

「フロスティ・エンブランスっ!」
 至近距離での発動が、竜族の持つ魔法障壁を打ち破る。
 身体の中から凍り付いて、飛竜は倒れた。



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