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Chapter:03 転機
Episode:18 転機
◇Rufeir
 状況は、相変わらずだった。
――ムリなの、かな。
 イマドやロア先輩、訓練島のおじさんに、励ましてもらって頑張ってきたけど、自信がないなんてもんじゃない。
 そんなことを考えたら涙がこぼれそうになって、くちびるを噛んだ。さすがに教室で泣きたくはない。

 と、影が差す。
 恥ずかしくて目をこするフリをして、それから顔を上げた。
 オレンジがかったふわふわの髪。薄い水色の瞳。同じクラスの子だ。

「だいじょぶ?」
 屈託のない笑顔。
「話すの初めてだね。あたしね、ミル。ミルドレッド=セルシェ=マクファディ。んーと、ルーフェイアって長いから、ルーフェって呼んじゃっていい?」
 一気にまくしたてる。明るい声だった。
「ねぇねぇこれからお昼でしょ? 今日もイマドたちといっしょ? あたしも入れてね」
 夏の日差しにきらめく、海みたいな子だ。

「さ、早く行こ。好きなのなくなっちゃったらヤだし。
 イマドイマド、行くよー!」
 よく通る声で呼ばれて、イマドたちが振り向いた。
「げ、ミル、なんでてめぇが湧いてるんだ」
「べつにいいじゃん、なんとなくだし」

 やり取りについていけなくて呆然としてたら、ミルに腕を引っ張られて、そのまま廊下へ出て歩く。
 けどしばらく行った場所で、ミルがとつぜん、立ち止まって言った。

「ルーフェ、あのさ、だいじょぶ?」
 聞き返さなくても何のことか分かって、だからあたしは下を向く。
 だいじょうぶと答えたい。でも……そう言えない。
「そっか。そだよね。だいじょぶなワケないよね」

 イマドたちが、追いついてくる。
「何やってんだ?」
 ミルが、イマドたちのほうに、いたずらっぽい瞳を向けた。
「男が三人もくっついてて、なーんもできなすぎー」
「っ……!」
 彼らの顔色が変わる。

「あっは、やっぱ図星? そだよねー、ルーフェかわいいしー」
「てめぇ、何しにきやがった」
 イマドの表情が一気に冷たくなる。
 でも、ミルはまったく動じなかった。

「ほんとはさー、放置してよっかなーって。メンドイし。
 けど、ルーフェなんかすっごいワケありっぽいし、シーモアもちょーっと暴走気味だし」
 言って、一呼吸。彼女がなんとも言えない、底知れない微笑を浮かべる。
「だから、イタズラしよっかなって」
「え?」


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