「一休みしようぜ」
「うん」
勉強道具を放り出して、おもいっきし伸びをする。
――あれ?
ルーフェイアの頭越し、入り口の扉のほうで、アーマルとヴィオレイのヤツが手招きしてた。
こっち来りゃ早えぇのに、そうもいかないらしい。
「悪りぃ、ちっと席外すわ」
「あ、うん」
ルーフェイアのヤツをあとに残して、悪友たちの方へ行く。
「なんだよ?」
「いや、そのさ……」
どっちも歯切れが悪い。言いよどんだままダンマリだ。
「用がねぇなら、帰っぞ?」
「待てってば」
もっかい顔を見合わせてから、ヴィオレイのほうが口を開く。
「――おまえさ、ルーちゃんとあんまりいっしょにいると、やばいと思うんだよ」
思わず吹き出した。
ある程度予想してたけど、ここまでパターンどおりだとバカすぎて笑うしかない。
「おい、笑い事じゃないぜ? 女子の連中、メチャクチャ言ってるぞ」
「俺がルーフェイアと寝たとでも?」
悪友二人が石化する。
「い、いや、そこまでは……」
もうちっとなんか言われっかと思ったけど、意外と女子は気が小さいらしい。
「だったら別に、どうってことねえだろ。ほかにねぇなら、俺戻るわ」
「おい、ちょっと待てよ」
こいつらが呼びとめた。
「なんだよ?」
「……あのさ、おまえどうして、そんなにアイツの味方すんだ?」
「いや、それはルーちゃんが可愛いから」
よく分からない茶々を入れた、ヴィオレイのヤツを殴りつけながら、ちっと考える。
こいつら口が堅いし、話が分かれば味方になるかもしんない。
「誰にも言わないって、約束できっか?」
「へ? まぁ、おまえがそこまで言うなら、約束するぜ。なぁ?」
「当たり前じゃないか」
なんかひとり微妙にズレてる気がすっけど、ともかくこいつらが同意した。
で、一呼吸置いて。
「あいつ、戦場育ちなんだよ」
「戦場? 戦争孤児ってやつか?」
さすがに予想の範囲超えてたらしくて、こいつらが的を外したことを返す。
「そんなカワイイもんじゃねぇって。
――あいつ少年兵あがりで、ここ来るまえは最前線にいたんだよ」
二人が呆然とする。
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