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母親の実家は異世界でした!! 作者:歩夢りんご

第01章 突然の急展開

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第6話

更新出来ました!

説明回チックでごめんなさい。
突然異世界が実家と言われて、納得できる人がいるだろうか?しかも、友人が意識不明だというのにだ。身勝手すぎる話にとうとう俺の堪忍袋の緒が切れた。
というか、今まで我慢できた俺に拍手だよ!


「…おい」

「なんじゃ?だから里帰りの準備を早めにしてほし…」

「うるせえんだよっ!何でお前の言うことを聞かなきゃいけない!何で叔父さんの知り合いだからって俺がお前の言うことをまるまる信じなきゃいけねえんだっ!
散々なめた態度しといて、ふざけんなよ!俺は俺で俺の人生だ!俺が決めるんだから勝手に口出しすんじゃねえこのクソジジイっ!!」


俺がここまで大声を出すところは叔父さんも見たことがなかったはずだ、目を見開いている。
しかし当のジジイは何も堪えた様子はなく俺をじっと見つめた。


「やはり、そうでなくてはな。あの女の息子だ、この程度のことを言えないようなら叩き潰していた」

「…何だよ」


突然、話し方が変わったことに少し戸惑う。


「おちょくった態度を取ってすまないな。こういうことにしっかり言い返せないような息子なら叩き潰せとお前の母親に言われてな」

「…」


突然母親のことを持ち出され、態度もある程度誠実なものに変わり、かなりの違和感を感じるが、そこには気づかない様子でジジイは懐から手紙を出した。


「お前の母親から預かった手紙だ。事情があって説明はそこに書いてあることだけしかできない。これはお前の母親のものだと証明することはできないが、読めば分かってくれると思っている」


そう言ってジジイは手紙を俺に渡した。

手紙はふつうの茶封筒に入っていて、表書きは『謙人』と書かれていた。
筆跡はそっくりだったが、あまり信用できない。
そう思いつつ、封筒を開けた。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



『これを読んでいるなら、おそらく17歳になる前日でかつ私もお父さんも死んでいるときだと思います。これを書いているのはまだ貴方が小学3年生の時です。
どんな風に成長しているのでしょうか。お父さんに似て優しい貴方のことです、きっといい大人になっていると思っています。
さて、彼女の一人くらいできているのでしょうか?結婚式も見られず、孫も見られないのは心残りなのです、せめて墓前に報告に来てくださいね。


ここまでが軽い話で、ここからが本番の大事な話です。


まず、私もお父さんもこの世界の普通の人間ではありません。
お父さんはこういうことを書きたくないらしく、全部私に任せてきたので先に私について書いておこうと思います。


私は別の世界で『真竜』という種族の長でした。青い鱗の、自分で言うのもなんですが強い竜だったのです。私達真竜は原始の生き物で、その世界では世界最強の存在だったのです。
そんなある日、私は世界の壁がこじ開けられたことに気づきました。私たちですらできないことを異世界のものがやってのけている、つまりそれはこの世界の危機である。こんな結論に至ったのも当然のことでした。
そして、状況を確認している内にこじ開けられた穴から大量の生き物が飛び出て来ました。


悪魔族。


彼らはそう名乗り、世界で暴虐の限りを尽くしました。そして、それに対抗できる力を持っていたのは一部のほかの種族と、真竜でした。
私たちは即時抗戦を決め、全力を挙げ悪魔と戦いました。そしてどちらも数を減らし、むこうは王とその直近の部下の5名まで減らすことができたのです。
そのとき、彼らは一旦元の世界に戻り、再度戻ってくるため世界にあけた穴をさらに広げようとしました。それをさせるわけにはいかない、そう考えた私たち真竜はほかの種族たちの協力の申し出を押し止め、奴らの殲滅のため数少なくなった同胞と再度戦いました。ほかの種族たちにはこれからの復興をお願いし、真竜という種が滅びる覚悟で飛び立ったのです。
私たち真竜は残り20匹ほどでした。そうして、最後の戦いが始まったのです。

戦いはほぼ互角でした。悪魔たちの方が力は強く、個人で太刀打ちできたのは真竜の中でもっとも強かった私だけだったのです。
しかし私たちも連携して戦うことで徐々に相手を追い詰めていき、相手を2人まで減らしたのです。こちらは5匹まで減っていました。

あと少し、と思って気が緩んだのでしょうか。私たちのそのすきを突いて、生き残っていた王がとうとう空間を広げる術を完成させてしまい、それに乗って王とその最後の仲間は逃げに走りました。そこで残っていた5匹で相談し、力の最も強い私が彼らを追い、残りで空間の穴をふさぐことに決めたのです。


そうして、私は世界を越えました。


この世界系にはどうやら4つの世界があるようです。1つ目が管理者の住む世界、2つ目が今私たちのいる、物理学が確立し魔術などのイレギュラーを完全に排除した世界、3つ目が私が前にいた物理と魔法の混在した世界、そして4つ目が魔術法則のみで成立する世界です。
私はやつらの後を追い、穴に飛び込みました。そして、その出た先がこの物理学の世界だったのです。

時代は、ちょうど日本は江戸時代くらいでしょうか。出てきた途端、私は真竜の力を世界に奪われそうになりました。
この世界はイレギュラーを許しません。この世界にとっての異物ですから、イレギュラー自身がこの世界に悪影響を及ぼすのです。すでに来ていた悪魔たちも肉体を失い、なんとか精神体を維持しているらしいと気配でわかりました。しかし私は真竜、力そのものが肉体でした。なので、力の消滅はそのまま死に直結することを感じ取り必死で抗っていたのです。


そんなとき、お父さんが通りがかりました。
お父さんはこの物理学の世界、つまり2の世界の監視に携わる使徒だったそうです。管理者の子として、監視に携わっていたそうなのですが、私の話を聞いて私を助けてくれました。

私と契約を結んでくれたのです。
それはお父さんにとって使徒としての資格を剥奪されることでした。それでも、お父さんは私と契約を結んでくれました。
魂の契約を結んだことで私はこの世界に定着し、その後数百年かけて王を倒し、その配下を肉体を持てない精神体のまま、魔術法則の世界にたたき帰すことができました。

そして空間の穴を閉じた結果、私とお父さんはこの世界の住人となりましたが、魔力を補充できないため私たちの寿命は急速に縮んでいました。
その後結婚し貴方を産んだとき、管理者からの伝言として、光弘叔父さんから言われました。

『子どもに私たちのような異能があったなら、間違いなく排除機能が働く。それだけでなく、子ども自体が世界に悪影響を及ぼすかもしれない。世界が成人と認める17歳までは大丈夫だが、その後は危険だ。生かしておきたいなら子どもだけは3つ目の世界に送ることができる。』と。

そして、貴方の身体は再生機能が著しかった。それは間違いなく、真竜の力です。お父さんによると、世界に魔力がないせいでこの程度で済んでいるが、魔力があったなら私やお父さんよりも強い力を持っているということです。

だからこそ私は貴方に真竜としての誇りだけは持っていてほしいと、あえて厳しく当たりました。ほんとうにごめんなさいね。

そして、おそらくこの手紙を読んでいるということは、管理者のじいさんが貴方を認めてくれたということでしょう。というか、そうするように脅しましたからね…。

私たちは貴方に生きていてほしい。なので事情をこのように書き残します。しかし人生を決めるのは自分、意思をしっかり持って決断しなさい。


お父さんもお母さんも、貴方を愛しています。



母より』



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



暖かい。
ただの便箋なのに、両親の愛情が温度となって伝わってくるようだった。
まちがいなくこれは母の書いた手紙だと確信し、そう思ったとたん俺の目から涙がこぼれた。


「…ありがとう、そしておやすみなさい…」


亡くなった後のことをも考えてくれていた両親に、心の底からの感謝を込めて謙人はつぶやいた。

いつまでも守られているわけにはいかない。

自分のことは自分で決めるのだ。

現在、こちらの作品を連載中です。

妹の代わりに俺は魔王になった。


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