挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
母親の実家は異世界でした!! 作者:歩夢りんご

第04章 衝撃と出立

33/53

第33話

ブクマ100件、本当にありがとうございます!!
あまり上手くないとは思うのですが、読んでいただけてると思うと本当に嬉しいです!
「だいじょうぶですかっ!」


俺はあわてて四人の元に駆け寄る。
魔力強化で確認するが、体には後遺症の残りそうなほど魔力が乱れているわけではないようだった。
それでも麻痺させられているせいか、変身や会話もままならないようであるのに、麻痺毒を解毒できる持ち合わせがない。
頭に詰め込まれた薬草の名前からあちこちを見回して解毒に使えそうな草を探していると、おそらくミシェルさんであろう大人が何か口を開こうとしているのに気づき、俺は耳を寄せた。


「……まものが……きます……子どもたちを……私はおいていって……」

「ダメです、俺は魔物を掃除しにきたんですよ。子供達も、あなたも俺は守ります」

「……でも……」

「でももクソもないです、今俺は解毒系のことは何も出来な……」


いや。
俺の血がある。
血を使えばかなりの魔力を消費し、ろくに回復しないのは実証済みではあるのだが、麻痺を治すくらいなら出来るだろうか?


「……ただの麻痺毒ですから……後回しにして……あなたの魔力は……あなたが……」

「でも……」

「……お強いのでしたら……魔物に使って……」

「……すいません、後で必ず」


……大変心苦しくはあるが戦闘前である。
後遺症の無さそうなことは魔力強化で分かっているし、ここは我慢してもらうことにしよう。
本当に申し訳ない。


とりあえず、四人が倒れているところから少し離れたところに穴を掘る。
魔力強化で掘ること数十秒、L字形に完成した。


「皆さんはとりあえずこの穴に。俺は上で魔物を一掃します」

「……でも……」

「こちらにも、山の小屋にも、一匹たりとも魔物は通しません」

「……お願い……します……」

「はいっ!」


子ども達は麻痺に加え意識も失っているようである。
異常は……麻痺以外にはないようなので一応揺すって起こしておく。


「今から魔物退治してくるから、この穴に隠れておいてくれよ?」

「「「……う……ん……」」」


みんな舌を動かすのもしんどそうだ。
一刻も早く解毒が出来るように、魔物はさっさと退治してしまおう。


四人を穴に寝かせて、俺は一人外に出る。
『感知』には一キロ先に三百の魔物がある。
そばには獣人が隠れていて、後ろには18人の村人。


「さあ、上等だっ!かかってきやがれ魔物どもっ!」



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



三百匹ものゴブリンが走ってくる姿はそこそこ見物である。
彼らの特徴としては、姿はゲームで出てくるようなもので、醜い。
あと、臭い。
俺と奴らとの距離は500メートルはあるのに悪臭が鼻につくし、においだけでも武器になりそうな気がするのは俺だけだろうか。
さらに血のにおいに敏感で、森の中で怪我などしたらすぐに群をなして寄ってくるのだ。

……これだけ聞くと大変脅威に思えるのだが、実はゴブリンは五匹くらいなら村人ひとりで退治できるのだ。
雑魚の代表格、とでも言うべきだろうか。
とにかく知能が低い。
血のにおいに寄っていくので途中の川に溺れて死んだり。
血のにおいを追っている最中に別の血のにおいをかぎつけ、それを追っている最中にまた別の……と繰り返して飢え死にしたり。
まあ、ウルゴブリンはもう少し賢いらしいが……。

ーー詰め込まれた知識は膨大ですな。

辞書形式、というより見た瞬間にそれについての情報が山ほど浮かぶ、という感じである。
見ていないものを調べることは出来なかったので、イメージはポ○○ンのずかんだろうか。
なお、『ゴブリンの知能が低い』というのは弱点ではなく習性・特徴に当てはまるようだ。
区別は案外適当に思えるのは俺だけなのでしょうかね。


さて、そういうわけで俺はこの魔物掃除の役目を引き受けたのである。
その結果、三百匹のゴブリンのうちに少し違う個体が20匹くらい混じっており、それがエルフの里に向かうまでに見たウルゴブリンだった、というわけだ。

一匹たりとも後ろに行かさないように、最初はウルゴブリンを狙う。
一体一体は散らばっていて消しにくい。
俺は足元からしっかりした石を拾ってみる。


「まずは一発っ!!」


真ん中にいたウルゴブリン目掛けて全力で投げつける。
唸りをあげて飛んでいった石は、距離200、間にいた6匹のゴブリンを巻き添えにして狙ったウルゴブリンの頭を爆砕した。


「雑魚の代表格、ね……。ごめんよゴブリン、今日のお前らは蹂躙されるだけだ」


これで大分足止めできると思ったのだが、半分以上のゴブリンはまだまだこちらへ向かってくる。
石を投げてもいいのだが、それで全員は足止めできそうにはないので諦める。


「さて、簡単なお掃除ですよ」


今度は体を強化するのに魔力を使う。俺のイメージに従い体中に魔力が行き届き、体のスペックをもう一段階引き上げる。
さらに手と足を覆う魔力を薄く、鋭いものにして触ったら切れ落ちてしまうほどに研ぎ澄ます。
そして俺はそのまま、ゴブリンのムレの中に突っ込んだ。


「ググッ、グギャアッ!」


良く分からない音を喉から絞り出しながら、ゴブリンは俺の方へと手を伸ばしてくる。
俺は身を傾けてよけると、通り過ぎざまにその首を一閃する。
断末魔をあげることもできずにこと切れたゴブリンの体から青い血が吹き出したが、その時には俺の姿はそのそばにはいないだけでなく、周りのゴブリンにも首がなくなっている。
十匹くらいのゴブリンを始末すると俺はゴブリンの群れの後ろに出てしまっていた。
ゴブリンの血のにおいがあたりに漂い、今度こそ全てのゴブリンの注意が真ん中の血だまりに向いた。
普通のゴブリンは仲間の死体目掛けて殺到するが、ゴブリンの群れは全体的に横に広がっているせいで、ウルゴブリンはさらに進み続けている。
が、これでウルゴブリンは分離できたのでそいつらを一体ずつ殺してまわるのである。


「……っらぁっ!」


小さな気合とともに腕を振るうと、気づいたウルゴブリンは持っていた剣をかざして防御しようとする。

……防御行動が取れるっていうのはそれはそれで知能があるよね、剣も振れるんだし。


「ググッ、グギャギャッ!」


俺の腕とゴブリンの持つ剣が交差するコース。
切断できると思い、勝ち誇った鳴き声を上げるウルゴブリンだったが、俺は動じることはない。


「……ガァ?」


()()()()()()()()()、ついでにその首も飛ばす。


「ふっ、そんな鈍刀(なまくら)で俺の腕が落ちるかよ」


ーーいや、だって俺は音速に近い速度で山に突っ込んで無傷だぜ?
飛行機より硬いと思うわけですよ。

そう呟きながら俺は次のターゲットに向かう。
上位種のウルゴブリンとはいえ、所詮はゴブリンのようだが、そこそこ頭が回る。
人間の死体を食った方が魔力が多く取れるので、奴らは散らばって村の方へ駆け出しているのだ。
ただ、その先にはミシェルさんたちがいるのでそれ以上通すわけには行かない。

ドガァンッ!と大音響を立てて走り出し、一瞬で一番遠くまで走っていたウルゴブリンの元にたどり着くと、後ろから首を掴んでその骨を折る。
そして振り向きざま、持っていた死体を駆けてくる奴めがけて全力で投げつけた。
ドパァンッ!と音速を超えたとき特有の音を立てて飛んだブツは、数匹を巻き添えにし群がっているゴブリンのところまで吹き飛んだ。
柔らかすぎて途中で爆散したのである。
すぐさま群れに飲まれたので、おそらく共食いになっているだろう。

残りのウルゴブリンは『襲ってはいけない相手』を判断したらしく、背中を見せて逃走を図る。
判断が遅すぎるものの、逃げの手を打てるというのはそこそこ賢いのだろう。

……逃がさないけど。




かなり嬉しかったので書きだめを今日から4日連続で更新しますっ!

現在、こちらの作品を連載中です。

妹の代わりに俺は魔王になった。


http://ncode.syosetu.com/n4562cu/


よろしければ、こちらもどうぞご覧ください。

+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ