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怪異妙奇譚伝 作者:Kt

壹譚目

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5/22

「は?」

「寿命吸われてたの」

「その……寿命を吸うっていうのはどういう?」

「アイツは人間の寿命を食って生きてんだ。ラーメン吸うみたいにチュルチュルっとな。
 お前もアイツに掴まれた時、やられたろ?」

 掴まれた……あっアレか。
 俺から吸ってた何かは寿命だったのか。
 ってことは——

「この方もあの怪物に寿命を吸われたってことですか?」

 白骨化した女性を目で示しながら訊ねると、
「はい。もう少し早ければ助けられたんですが、すばしっこくて……」
 と青年が悔しそうに返してきた。

 続けて少年が、
「アイツに吸われた奴は老けていくんだわ。で、吸われに吸われた結果、老けを通り越して、白骨化しちまうってワケ——こうやってな。
 まさに、骨の髄までしゃぶり尽くされちまったってわけだ」
 と、言ってきた。

 結論。即白骨の犯人は寿命を吸う怪物でした——
 こんなの、小説とかだったら広げるだけ広げておいた大風呂敷を放り投げた推理小説みたいだ。だけど、今回はそれが正解。
 というかそもそも、小説じゃなくて現実だし。

 ん? 待てよ……

「吸われたら老けるって……もしかして俺も?」

「自分の目で確かめてみな」

 俺は慌ててケータイの画面を開き、自分の顔を写した。

 ……

 俺は自然と口が開き、絶句していた。

「開いた口が塞がってない、ってのはまさにこのことだな」

「イチ、空気を読みなさい」

「へいへい」

 そんな2人の問答は耳には入っていたが、ちゃんとは頭に入ってこなかった。
 髪は白髪ばかり、顔はシワばかり。まだ30代なのに、見た目は完全に70代。
 よく見ると、手もシワだらけ。撮影してる時は気づかなかったけど、ずっとだったのか?
 腕まくりをする。腕も同様だ。足も胴も全て。

「そんな……」
 顔に手を当てながら心の声が口からこぼれた。

「心配すんな。5日以内にアイツを倒せば元に戻るから」

「本当ですかっ!?」

 青年の希望ある言葉に俺は食いつく。

「……でも裏を返せば5日過ぎたら元には戻らないってことですよね」

「違う違う」
 手を顔の前で振りながら、そう言ってくる少年。

 まさか……

「もう……元には戻らないんですか?」

「いや。
 元に戻らないどころか、お前死ぬよ」

 ……

「今なんて?」

「だから、5日後に死ぬんだよ」

「……なんで?」

「寿命で」

「……誰が?」

「ったく——お前がっ!」

 ……

「えぇっ!?」
 まさかの余命宣告に、人生でぶっちぎりで1番驚いた。
 普通は初対面の相手に死ぬと言われて信じるようなことはないが、信じざるをえない。だって、あんなのと戦ってた人がそう言うのだから。

「いや……そんな……えっ!?——ど、どうすれば……」

「いっちいちリアクションがうるせぇなー……
 だから言ってんだろ?
 お前が死ぬ前に、アイツを倒しゃいい。簡単だろ?」

 ……いや、全然簡単じゃない。
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