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連載に向け、がんばります
プロローグ
 今、この日本において異能者と超能力者の総数は十万を越える。一見多いように見えるが、日本全体の人口が一億を超えることを照らし合わせると百人に一人しかいない。異能や超能力が一般に知られるようになり、理解されてきたとはいえ、まだまだ警戒心は少なくはないのだろう



 そもそも、『超能力』などと五十年前に言っていれば奇人変人の目で見られることは間違いなかった。所詮、漫画やアニメの世界の常識だったのだ。
しかし、五十年前の、後に『オカルト・イヤー』などと呼ばれる年、特殊な力を持つ赤ん坊が突如大量に産まれた。それは手を触れずに物を浮かしたり、手に火を灯してみたりとまさに超能力としか言いようがなく、科学では説明できないものばかりだった。
 最初の中こそ政府は異能者の存在を否定したが、翌年、異能者が前年には及ばずとも幾人か産まれてきたことによって政府は隠し通すことができなくなった。、
 何しろ、手を触れずに物を燃やすことができる連中である。今はまだ赤ん坊といえども、成長し犯罪などに手を染めたとき、超能力を認めないままであると、事件が迷宮入りする可能性があった。

 政府は異能の存在を認め、ただちに現代科学で解明する方針を示し、異能についての議論がなされることとなった。

 
だが、そこで一つの問題が起きた。
異能者の待遇である。


日本に法律にのっとり、人権を尊重し、普通の非異能者と変わらぬ生活を保障すべきだ。


という『異能者人権保護案』に対し、


異能者は人権の対象にはならない、その力を国家のために使うよう生活しなければいけない。


という自衛関連の議員が中心となった『異能者自衛戦力案』が出された。
つまり、自衛隊などにはいって働けと

後者の意見は、人権を認めないことや戦力として使うことなどから、世論からの厳しい批評の対象となっていた。







さらに、ちょうどそのころ異能者の研究が進み、異能の原因が発見された。

第六感(シックスセンス)

異能の原因はこの第六感と名付けられた、脳のある一部分。その細胞が異常活性することで異能が発生していた。
さらに研究が進み、ついに科学の力で人工的に脳を刺激することで、後天的異能者―――――超能力者を作り出すことは可能になった。
つまり、一般人も異能者も脳の働きが少し違うだけで紛れも無い人間であるのだ。

この研究の成果により異能者は一般人と変わらないと証明できたことで、『自衛戦力案』はさらに劣勢を強いられることになった。

流れは確実に異能者の人権を認めるというように動き、それは誰にも覆せないように思えた。





しかし事件は起こった



爆発能力(エクスプロージョン)をもつ異能者がある会社に進入、そして会社員二人を巻き込んで自爆したのだ。
この事件は『平等』という言葉に浮かれていた人々に異能者の危険性を認識させた。
手の平を取って返したように、異能者は危険だと訴え始めたのだ。

しかし、世論が変わったとしても、決定事項になっていた法律を直前で変えるわけにもいかず、結局後からそれを補足する形の法律となった。

その主な内容は、

・人間としての道徳が完成するまでの高校卒業まで、異能者・超能力者は専用の場で教育すること。
・成人し、社会に出てからも異能者・超能力者であることを隠さないこと。

ほかにも色々と詳しくあるんだが例えば――――

ジリリリリリリリリリリリリ


「ん?時間のようだな。礼は要らないからな、それじゃ」

何時も通りの軽い挨拶が耳を抜けると八咫烏(やしお) (よう)は目を覚ました。
朝のHRからのまさかの六時間連続爆睡だった、授業は最後の十分がおぼろげに聞こえただけで後はまったく覚えがない。

「――――まあいいか」

三秒ほど思案した後、そう結論をだした。次の授業にはついていけなくなるだろうが、どうせ前の授業も寝ていたので今の授業もついていけなかったのだ。

徹夜でゲームをして削られた分の睡眠時間が補えただけ、まだましであろう。


嗚呼、ダメ人間此処に在り



つまらない事を心のうちで叫びつつ、さして量の無い荷物をさっさと片付け始める。
自分に話しかけるような奴はいない。自分も話しかけられることを期待していない。
学校初日から、挨拶してきた人を全員無視するような奴と敢えて喋るようなバカはこのクラスにはいない。

「お〜い、擁ク〜ン。一緒に帰ろうか〜」

――――――いや、一人いた。このクラス全員分のバカさと対抗してもまだ余りあるようなバカが一人いた。


「うるさい、黙れ」

振り返りもせずに、告げる。というか、振り返りたくも無い。

「な〜んだよ。相変わらずつれねーヤツだ、友人が折角、話に来たのに」

まったく傷ついた様子も無く明るく答える。まあ、もはや日常茶飯事だから敢えて驚くことも無いが。

そこで、俺はゆっくりと振り向く。

目の前にいるのは、一言で言えば不良。髪を金髪に染めているし、耳ピアスをしている。
こんな、不良を全力全身で表したような奴が学校で野放しなのは、単に成績がいいからだ。さらに運動神経もよく、学校としても何も言わないのが一番だと判断したらしい。

たしかに、こいつは頭がよかった。日本独自の黒髪をエセ外国人色に変えるのも、わざわざ耳に穴を開けるというマゾヒストな奇行も、俺には頭がオカシイとしか思えないが、満点近いテストを持って俺に何度も見せ付けていたのは覚えていた。

不愉快極まりないが。

「そうか、俺とオマエは友達だったのか。記憶喪失以前の俺はかなり変人だったようだ」
「ひで〜。そこまで言うことないだろう。まあいいや、ほら」
「?なんだ」

突然、肩を組まれた俺はその意味を理解できずに眉を顰めた。

だが、本人は笑顔のまま答える。

「一緒にかえろ〜ぜ!」

思わず、何か反論しそうになったが、奴―――円藤寺(えんどうじ)正樹(まさき)の顔を見て、思わず釣られて苦笑する。

「おっ、やっと笑ったな。はははは」
「お前のバカ面見てて笑っちまったんだよ」
「なに〜。俺は宇宙一のイケメンだぜ!」
「ああ、はいはい」
「……スルーは一番傷つくぞ」

俺たちは結局肩を組んだまま教室を出て行った。
くだらないことを喋りあう俺たちは本物の友達同士に見えただろう――――――まるで本当の友達同士のように


八咫烏(ヤタガラス)というのは本来、三本足の巨大なカラスの霊獣だそうですが、この物語には一切関係はありません(笑
八咫烏と書いて『やしお』と読んであげてください。

誤字脱字があった場合には報告お願いしますm(_ _)m

ではでは(≧▽≦)ノ


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