挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
黒い剣の異世界譚 作者:青葉 夜
52/63

EX03 - とある手日記の書き殴り。

○○月○○日。
こっちに来てからはや一ヶ月ほど。
詳しい日数は数えてない。

さて、そろそろ旅にもなれて、色々な人物に出会った。
俺はどちらかと言うと、物忘れが多いほうだ。ここらで少し書き留めておいたほうがいいのかもしれない。

あ、思いついた順番に書く。ソート作業は面倒くさい。


----------++++++++++----------


二階堂 晃 - akira nikaidou -
勇者として召還された我が幼馴染。かなりの美形。
赤っぽい毛に、栗色の目と、容姿とパーツが相まってかなり女性受けする。
それだけならまだしも、剣道をやっており、普通に強い。顔だけの男と舐めて掛かった不良をたたき出す事数十回。不良に絡まれた少女を助け出す事数十回。その報復を事前に察知して、“俺が”鎮圧したのはもう三桁に上るんじゃないだろうか。ありえねぇ。
助けた少女にほぼ例外なくフラグを立てていく馬鹿。俺が覚えているだけでも、中学校の女生徒ほぼ全員に告白されていたような。いや、卒業生下級生合わせたら……倍?
ファンクラブの存在は勿論、近衛、親衛隊なんて上級職(?)まで存在していたのだから、これは何の冗談なのかと(以下略)
ただし告白は自由らしい。高校に至ってからは5人ほどに告白されていた。でも、見たところ既にその倍以上の数にフラグを立てていた。
この間アイツに此方を悟られる事無く様子を見る機会が巡ってきたのだが、此方に来て新たなハーレムをまた形成していた。しかも戦闘技術的にもバランスの良い編成。
正直な話、そろそろ地面に埋めてしまいたい。もしくはドラム缶に詰めて海に放逐したい。
ただ、本人は女性関係……というか女性のアピールに対する応対……以外は良い奴だし、おばさんやおじさんには昔から良くしてもらっているので見捨て辛い。でも、妹まで惚れさせるヤツなんだよなぁ……。
あ、妹さんの名前は深月ちゃん。勿論血は繋がっている。晃の部活動の見学に行くと、いつも俺の座っているベンチの隣に座っていた。兄の練習風景見て顔を赤らめるのは如何かとおもうが、まぁ人には其々あるのだろう。「お兄さんと血は繋がってる」云々を適当に暈して釘はさしておいたが、何故かそのつど機嫌を損ねられてしまっていた。なんでだろう?
もう一度書くが、晃はかなりの美形。大事な事なので二度言いました。
美形男子は絶滅すれば良いと思う。あ、でも美女美少女は別。あれは保護しなきゃ。
一応メモしておくが、実はあいつ、惚れている人間が居る。……いや、居た、かな? 詳細を書くのはやめておく。プライバシーだしな。
俺の娯楽知識は、大半コイツが情報源。

……あ、忘れてた。
勇者としての能力は光。ソレを用いて対象を焼ききったり、概念としての光で呪いを祓ったりも出来る。俺の闇と違って、呪いを強引に掃うのではなく、呪いを解呪するという真っ当な方法だ。
王国の働きで、なんだか白っぽい鎧を貰っていたのを確認している。
物凄く絵になる勇者として祭り上げられてしまっている。正直、後々の展開(後処理)が怖い。


アリア・E・ウェストリー
巫女さん。ウェストリー王国の王女であり巫女であるとかいうなんだか複雑な人。
でも、召喚した晃に一目惚れ。以降の行動は、傍から見ていてかなりわかりやすかった。
明るい性格で、比較的誠実な人。大規模魔術を個人で演術できたりと、実はかなり魔術の腕に優れているみたいなのだが、俺の記憶にあるのはただの色ボケ少女。
金髪の天然パーマ。ハー○イオニー。でも目の色は金色。
心底晃に惚れているらしく、偶に俺のところに晃の好みを聞きに来たりもしていた。健気。
でも、男一人落すために、国家財産乱用するのは如何かと思う。
王妃中心の王族派に所属しており、王妃の目論見で、勇者を取り込むための駒扱いされている。……が、正直、彼女は何かあれば、簡単に王族派……つまり、自分の母親でも裏切るだろうなぁ。色恋沙汰って言うのは恐ろしい。
王妃にしてみれば、血が繋がれば良いという点では何でも良いのだとは思うけど。
色々面倒くさいけど、基本的に良い人。


王妃さん
直接顔を合わせた機会は少ない。でも、あれは要注意人物だと思う。
王族派の中枢の筈だが、王よりも鋭利な印象を持っていた。あれは何時の間にか上位に立っているような種類の人間だ。
晃にも注意しておいたが……うん、気をつけて欲しいな。


クリストファー……なんだっけ。
名前を正確に覚えていない。民衆よりの騎士で、金髪碧眼のやっぱり美青年。
クリス派なんて呼ばれる民衆の地位向上を訴える派閥の中核。本人は民衆のためを思って行動しているらしいが、調べたところ背後に商人グループの暗躍があった。ああいうのは面倒なので、ウェストリー滞在中に通商ルートを叩き潰しておいた。補給が絶たれれば商人は成り立つまい。後は真っ当な政党として活躍して欲しいものだ。
あ、クリスさん本人は真っ当な騎士。ちょっとひねてる感じはしたが、まぁ可愛い程度のものだった。


ウェストリーから街…名前忘れた…までの馬車で乗り合わせた冒険者

ハシット
武道家のアンちゃん。マッチョだった。でもツンツン。実はデレるんじゃなかろうか。

マルベラ
魔術師のねーちゃん。俺がディスタに魔術を教えたときと戦闘中にちょっと喋っただけ。
しかもツッコミ。感じた魔力は結構大きかった。多分実力者だと思う。
干し葡萄とか食べていた。

ディスタ……剣士
乗り合わせたメンバーの中で一番幼い印象だった剣士。可愛い系の美少年だった。鎧姿の俺に頻繁に話しかけてくれた良い奴。
魔術を教えてやったが、人並みはずれるほどの魔力は感じなかった。冒険者としてはレベルアップできたんじゃないかと思うけど。
多分、鍛えれば伸びるタイプ。正統派冒険者の卵。



ランド
ランドドラゴンのランド。性別は……そういや知らないや。まぁ、とりあえず俺の親友。
馬鹿商人の護衛を引き受けてしまい、その結果大襲撃。何とか逃げ延びようと画策していたところ、同じく逃げようとしていたランドと出会った。
とても賢く、半端な人間よりも人間らしい。思えば、旅路の中で二番目に長い友人だ。
最近あんまりかまってやれてないなぁ。とりあえず、大会が終わったら一緒に遊ぶか。
そういえば、ランドドラゴンって言う種族は地力では普通馬に劣ると書籍には記載されていたけど……アイツ、一人――一匹で6人乗った馬車引っ張ってなかったか?

リネア
勇者に与えられるという、“覚者の道具”とか呼ばれている道具に宿っていた精霊。俺は黒っぽい腕輪を貰った。
本人曰く、なんでも太古の魔女の意識を分割封印したものだそうで、其々が太古の魔女の分身だそうだ。
俺の選んだものは、その中でもかなり大きな力を秘めていたものらしく、夢の中で人型を形成して対話できるほどの力を持っていた。
ぱっと見ゴスロリの美少女。全体的に黒のイメージで、黒い髪に黒い瞳。その割肌は真っ白で、物凄い美少女。
リネアと言う名前は、ベリアと気まずくなった時に助力してくれたそのお礼として考えた。
どうも名前を与える、というのは特別な事らしく、それ以降リネアの能力は増して、小学生くらいの姿から中学生くらいの姿へと育った。その割胸は結構大き■■■■■■■。
もとい。
力を増してからは、俺の魔力を使って大魔術を演術したり、現実に実体化したりなどの能力を得た。
なんだか偶にドキッとするような事を言ってくる。美少女にそんな事を言われるのは嬉しいが、勘違いしてしまいそうで中々怖い。……ん? リネア、何で怒ってるの?


アベリア・ラブセット・ダリア・エネスク
ベリア。エネスク大帝国の第三皇女であり、弓を使う子。ちっさいが、俺とほぼ同年代らしい。驚天動地だ。
ラブセットが幼名で、ダリアが家名。エネスクが現王家に関するものであると言うことらしい。本人曰く、ラブセットはちょっと恥ずかしいらしい。
エネスク大帝国の国柄は、寒冷地なのに人々は暖かいとか。ベリアは王族の割りに人々と親しいらしく、王族なのにあだ名で呼ばれているらしい。でもそれって舐められてるよな?
銀髪に薄紫の瞳で、最も白に近い銀髪だとかで、白髪姫なんて二つ名まであるらしい。その名に見あうだけの美貌は持ち合わせており、将来は凄い事になりそうだ。
偶に好戦的なところを見せたりするが、基本的に良い子。愛国心もあって、でもソレよりも大事なモノを多分知っている。こういう子が偉くなってくれれば、世界は平和なんだろうけどなぁ。
魔術もそれなりに扱えるらしいが、基本的には弓を扱う。
霊体の弓である、霊弓ホークアイを持っており、魔力によって実体化させるか、触媒に憑依させて実体化させることで顕現する。
強力な弓で、魔術の杖としても使え、それ自体が強力な武器でもある。
最近よく手を繋いでくる。まぁ、外見的には兄妹くらいなのだが、実年齢は近いんだけどな。ふとした動作に色気があって、多少どきどきしてしまいそうで、結構必死にこらえている。
これでも此方は健全な男の子なのだ。
からかうと面白い。


砂漠の狼 カノンまでの道のりで雇った冒険者の皆様。

アッシュ
戦士で、戦隊モノのレッドをやってそうなイメージの快活あんちゃん。バスターソードの一撃は凄かった。正統派戦士

キア
精霊神官で、厳粛な職種の筈なんだけど、アッシュと一緒に悪乗りする笑顔のねーちゃん。俺に飴をくれた人。あの笑顔で渡されては、子供扱いされても、怒りも湧いて来なかったね。

ヘイス
騎士で、戦隊モノのブルーな人。アッシュとは仲悪いのかと思っていたら、かなり見事な連携を取っていた。盾と剣を扱う連続攻撃は見事の一言に尽きる。

ミミル
錬金術師のねーさん。俺の力にびっくりしつつも、ギルドへのスカウトをかけてきた。
錬金術といっても、物質を作り変える類のは少なめで、どちらかと言うと薬師の方向の錬金術師らしい。硫酸とか爆薬とか閃光弾とか音響弾とかをポイポイ放り投げる怖い人。
でも四人の中ではリーダー格らしく、適正な指示は見事だった。
財力……道具さえあれば、もっと上級のクエストだってこなせるんじゃないだろうか。






うーん、このくらいかな?
ベリアの兄貴の話はネタとして面白そうだけど、会った事ないし……まぁ、そのうち書けば良いか。
土地のことでも書いておくか。



ウェストリー
貧乏王国。田舎王国。
山と海と森に囲まれた土地にある、秘境の王国。
文化レベルは他と大差ないが、文化的な交流が他に比べて少ない。
特産物もクソも無く、名物も何も無く、さらに拠点的に利があるわけでもない。ので、他の国からの侵略も無く、比較的平和な国。
ただし今現在国の上層部でもめている所為か、国のいろいろなところが不安定になっている。
騎士の行動に統制が取れていない所為で、魔物の駆除が遅れていたり、盗賊の討伐が滞っていたりと、街の外はかなり危険になっている。
技術レベルも低いのかといえばそういう訳でもなく、俗世から逃げ出した腕利きの職人達の駆け込み寺みたくなっているらしく、何気に工芸品(アーティファクト)レベルの武器防具を生産していたり。秘伝らしく、滅多に表舞台には登場して無いらしい。

センタの村。
カノンとの国境近くにある村。
カマズミ山脈の割れ目に近いために、この近くをエネスクの商人達の通商ルートが通っているらしい。
この近くでベリアを拾った。


カノン王国
ウェストリーと同程度の規模の国だが、商業に力を入れているため、ウェストリーと比較にならないほどの国力を有している。
土地柄はウェストリーと変わりないが、海産物、山の幸、大会なんてイベントを開いたりと、かなり頑張っている国。
その甲斐あって、人口も生産力も保有武力も中々のものに育った。

ガーベラ
温泉を掘った街。ベリアと気まずくなったり、リネアに名前を与えてパワーアップしたりと、何かと思い出深い街。
風の噂で聞いた話だが、あの温泉大ヒットしたらしい。
周囲でも温泉採掘が流行り出したらしいが……クク、あれは俺の能力で、相当深い地層から引っ張ったからなぁ。一般人には無理じゃね?
とりあえず、今度あそこに行くときは、風呂の拡張工事をするのも良いかもしれない。
うん、良い温泉だった。また入りたい。


カラジューム山脈
大国とカノン、ウェストリー等、南北を隔てる山脈。
出現する魔物はかなり強いらしい。なにより足場が悪く、そのくせ地中から来る魔物とかも居るらしく、回避する場所も無いので冗談抜きで危険地帯だとか。
山越えルートと谷抜けルートがあり、谷の場合はセンタの村付近を通る事になる。


エネスク大帝国
聞いた話だと、かなり安定している国だとか。
ヒエラルキーがしっかりしており、国の頭に皇帝(?)を。その足元を貴族が支え、国民のために国を作っていく。理想的な王国国家。
土地柄的に人々の団結が強いのもそれを助長しているとか。
寒冷地で人口も土地の割りに少なく(それでも他国に比べて最大だが)魔物のレベルもかなり高い。他国のように人数で囲い込む事もできず、必然的に兵士の基礎レベルも他国と比べ物に成らない程に高い。
大陸最強の国という話。
あ、教皇っていうのは居ないみたいだから、多分王を纏めるって意味の皇帝じゃないと思う。




この程度か。
後、魔族とか魔物の存在と言うのがあるのだけど、その辺は俺も詳しくない。
次の機会があれば、そのときにでも書く事にしよう。うん。
そろそろ飯の時間だ。……腹減った。

「ヤマトさん、ご飯行きましょう!」
「……ベリアか。わかった、今行く」

机の上でふてくされていたリネアを肩に乗せ、その頭を撫でながら記録ノートを閉じる。
……タイトル無しと言うのも、なんだか。

「…………よし」

――冒険の記録、と。何と無くタイトルは漢字で書いておいた。
昔々のRPGみたいだが、まぁ面白いので良し。
本を机の上において、漸くその部屋を後にしたのだった。




++++++++++



夕餉が済み、主殿が寝静まった後。
妾はこっそりと顕現し、机の上にのったノートの元へと舞った。
主殿の鈍感も甚だ嘆かわしい。ベリアも相当苦労しているのじゃが。……いや、妾はその……ではのうて!!

……このノート、今までの旅の記録を記したものらしい。
傍で見て居ったが、正式な記録と言うよりは主殿のメモのようじゃった。

「主殿自身の記録が無いようじゃしのう」

ページをめくるが、主殿自身の記録は何処にも無くて。
じゃからこそ、妾が此処に記してやろうと思うのじゃ。
幸い、主殿と繋がっておる妾じゃ。主殿の個人情報なぞ筒抜け故。




小崎 大和 - Yamato Ozaki -

異世界に巻き込まれて召喚された哀れな青年。
闇の力を覚醒させ、現在世界を旅している。とりあえずの目的は、故郷の世界への帰還手段を探す事らしい。
闇の力は、それ自体を武器としたり、それを触手として探索に使ったり。闇の概念で呪いを力尽くで掃ったり、闇に無限の空間を作る事で収納を作ったり。かなり便利な様子。
今現在は正体を隠すため、イーサンと言う名を名乗る。
剣を扱うが、どうも主曰くその技は模倣であり、本分は他にあるのだとか。
騎竜にランドと命名した竜を持ち、魔導器として妾、リネア(主命名)を持つ。
大国の皇女であるアベリア・ラブセット・ダリア・エネスクともつながりがあり、そういえばカノンでも第二王女を助けたとか言っておった。正体を隠している割には確実に足場を固めている。
よく主殿のご友人……勇者の事をハーレム男だと豪語しておるが、……さて。




まぁ、色々言いたい事は在るのじゃが、これ以上はここに書くことでもあるまい。
主殿の正体は主殿も知らぬようじゃし、妾にとて確証があるわけではない。
この資料……記録中にも、すこし視点を変えれば違和感を持つ部分とてある。
後は妾の正体とか、ランドの正体とか。
妾は何となく思う当てはあるが……。
無理に明かす事でもあるまいし……まぁ、ソレを明かすのが今である必要はあるまい。

とりあえず、主殿の鈍感な性格について大量に書き殴り、こっそりとその記録の書を閉じたのだった。


(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル……驚異の事態。
当稿は書き溜めの一つ。時系列は不明。何処かの宿屋のちょっとした一幕。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ