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嵐の放課後(前編)
ぽっかり空いたスカートの穴をみて良子ちゃんは目をまるくしたけど

伊達に私の母をしてきたわけではないのですぐに近くのお友達に電話してくれて制服のお下がりを貰ってきてくれた。



「良子ちゃん、もしかしてこのスカートは…」


「愛理ちゃんのおさがりだよ。よかったね、次のごみの日に捨てようと思ってたんだって。まったく同じじゃないけど、同じ色だし、大丈夫。大丈夫。」


…やっぱり。愛理ちゃんっていうのは今時のギャルなおひと。


「ゆきちゃん。あなたが言いたいことは母にはわかってるよ。でもね、いい加減これでスカート何枚目かしら?うちはそんなに裕福ではなくてよ??」


オホホホホと。

最後の語尾は明らかに怒りに満ちている…。

これ以上何か言うと雷が落ちちゃう。もうすでに私は良子ちゃんの視線でまる焦げだけど。

はああ~~~~。

明日、学校行きたくないよう。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「おはよ~~~ゆきちゃん!!どうしたの??」


次の朝、私は今時ギャルのスカートをはいて登校。まるで罰ゲーム。

だって、その、スカート丈が短かすぎるんだもん!!!!!ギャル恐るべし!!!


「いろいろあって…ね。」


その一言ですべてを悟ってくれるマイおーるどフレンド鳥越未来ちゃん。

背の高いスレンダー美人さんだ。短い髪がよく似合ってるバスケ部のホープ。


「ま、でも似合ってるよ。ゆきちゃん足綺麗だから、いいよ。」


慰めてくれるんですね。くすん。私の愛用は膝下スカート…。

寒いぞこんちくしょう。

ジャージで登校しようとした私に良子ちゃんからゲンコツお見舞いされたからもう泣き言はいいませんけど。



「あれ、ゆきちゃん…。それ…。」



未来ちゃんの視線が私の首筋に…


「あ、」


かまれたとこだ!


むむむぅ。お風呂に入って眠れば取れるかと思ってたのにぃ。早速見つかってしまったではないか!

昨日あったことを未来ちゃんに話そう。

あの、美形の変態さんとか。





…すぐ話そうと意気込んでいたけど、今日は小テストの多い日だったので結局お昼ごはんの時間になっちゃった。

未来ちゃんはきちんと最後まで話を聞いてくれて…


「はあ。」


ため息をついてくれた。


「でしょう?ため息つきたくなるよね???ね?隣に座るあたり、考え無しよね?自分までくっついたらどうする気だったんだろう?」


あれ?私、変なこといった?未来ちゃんが呆れている…


「そうじゃなくって!… はあ。」


「な、なんでしょう?」


「ゆきちゃんは無防備すぎるんだよ!それ、キスマークだし!」


…?


びしっと未来ちゃんが指差しているところは私の首筋で…


え??


きすまあく???


瞬時に昨日の感触がよみがえる。

少し湿ったやわらかいものが首に当たって。

ちょっと背筋がゾクッてして、チクンって…

…な、なんだか顔から火が吹きそうです!

…でも…

でも!!


「くちびるの形じゃないよ???」


私の言葉に思いっきりマユをしかめた未来ちゃんは…


「マジですか…?」


と言うとそれから午後の授業が始まるまで良子ちゃん化してお説教してくれました…


…キスマークはくちびるの形じゃないんですね。


…言われなくたって、もうそんなことされないよう!!!


…わかりました!叫びます!!


湖山ゆきはこの身体に見えない結界をはるのです!!!


美男子とは今後一切、会話も無しません!!!



と、決意したのに…


したのにぃ。



ザワザワ



ザワザワ


「帝都星城高校の制服よね!」

「すごいカッコイイ~~!!」



ピンクの声色があちこちで聞こえる。

帝都星城高校とは言わずと知れた名門校である。

彼氏にしたい憧れの高校ナンバーワン。

…私には関係ないけど。



「なんかあったのかな?騒がしいね。」


「校門のところで超カッコイイ人がうちの生徒の出待ちしてるらしいよ!!」


未来ちゃんの声も桃色…


「見に行こうよ!」


珍しく未来ちゃんがはしゃいでいる。

まって、そんなに手を引っ張らないで~~~。



「ほら、あのひとだよ!!わ、マジ、カッコイイ~~~!!!」



未来ちゃんの言うマジ、カッコイイ人が私の目に入ってきた時…


それから続く未来ちゃんの言葉は私には届かなくなってしまった。




…だって、あの人。


昨日の人なんだもん…!!!!!!!



桃色の声の中、こちらが見えてるわけも無いのにとっさに机の下に隠れた…。



ど~~~~~~しよう!!!!!



ジーザス クライスト…


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