第5話
「荒れ狂いし濁流よ!≪スプラッシュ≫!!」
今俺は島の端にあるさら地で譜術の練習を行っていた
街中で派手にかますのはご法度だからこんな所でやるしかないのは当たり前だが・・・
ザバアァァァッ!!!
激しい水流が地上の真上から発生した譜陣から降り注ぐ
水の流れだからとは侮れず、その威力は辺りの地面を抉り、岩の一部を削り取るほどだ
俺は色々自分の譜術の才能を自分で調べていた
その結果でわかったのは俺には第七音素の他に第四、第六が適正で良いらしい
他は使える資質がまったくなかったそうだ
そもそも、譜術とは音素をフォンスロットというここで言う“ツボ”を通して取り込み干渉することで魔術的奇跡を起こす技術の事を言う
それを受け入れる物は分量や資質が先天性で決められてしまっている
まぁ・・・簡単に言いや食べ物の好き嫌いのような物だな
「ふぅ・・・中級譜術は良くて5・6回までか・・・・・」
俺が譜術を使えれように決めたのは先行性の攻撃ができるようにするためだ
合気や柔術だけでは人間相手ならまだましも・・・魔物相手ではそうは言ってられない
さすがの俺でも3mも背丈があるような魔物とかをこの技術だけで立ち向かえる筈がない
それを解決させたのが譜術を使うことだ
だが・・・
「やっぱり使う時に静止しないといけないのが問題だな・・・・・」
やはり動けないという問題があることだ
もし一人の場合では危険性はかなりアップされてしまう
防御もできないまま攻撃されるのがオチである
「・・・・・武器を・・・持つか?」
だからこう俺は考える事にした
では、さっそく武器屋へ直行としようか?
~20分後~
「よぉ!!シェリイーおばさん元気か!?」
「あぁぁ!!ハイルの坊主じゃないか!?あんた家の店に何しに来たんだい?」
「おいおい・・・武器屋に来るというならやる事は一つと決まってるだろ?」
「冗談は止してくれよ!?おまえさんのような本の虫が武器を扱う?ハンッ!!十年早いね」
「客に言う一言がそれかよ!!後齢で店始めたから追いつけなくて頭呆けたか?」
「ふん!!未だ小便臭いガキが何言ってんだい!?家はまだまだ現役だよ!!」
「もう『ピ―――――』は固まって引退してんじゃないのか?」
「「ぐぬぬぬぬぬ!!!」」
この人は武器屋の店主シェリイーさん
豪快で男勝りな性格をしている事で評判だ
俺とはちと色々あって会っては言いあっているという関係になってしまっている
本人が言うには『可愛くないガキ』との評価だ・・・・・
余計なお世話だ・・・・・ババァ・・・・・
ゴホンッ・・・愚痴を零してしまったな・・・・・
ちなみに、俺は筋肉を鍛えるとかといった運動はあまりしていない
だから回りの住人には俺を本ばかり読む奴・・・・・つまり、本の虫と思われている
「ま、このままだと長くなりそうだから武器見せてもらうぞ?」
「たくっ・・・とっとと選んでさっさと帰んな?」
「ハイハイ・・・ワーったよ」
そんなこんなで陳列された武器の数々を見させてもらう
剣、槍、杖、手甲・・・・・どれもこれも攻撃に特化した武具ばかりである
その中で侍の魂と呼ばれた刀まであったのを確認した時は驚いたが・・・・・
だけど、俺はこれでは選べない・・・・・
俺は刃物はメスか包丁かナイフといった最低限の物しかこの手に握らない事に決めている・・・・・
手甲も良いかと思ったが、これを使うためには格闘術を習う事になってしまう
折角のスタイルを大きく変えてしまうからアウトだな
ではなにか・・・・・良い物が・・・・・・・・ん?
そんな中、陳列台の隅にそれはあった・・・・・
「おばさん・・・これは・・・・・!?」
「おや、そんな所にあったのかい?すっかり売れないから忘れかけてたよ・・・・・譜銃を見るなんて久しぶりだね」
「譜銃・・・?」
「そ、フォンスロットから取り込んだ音素を譜銃の中の感知収束装置を使って集め、それを弾丸として打ち出すものさ・・・剣より軽いし女性にも扱える代物だから昔仕入れた物なんだけどね・・・ふざけた事に欠陥品だった訳だよこれが」
「欠陥?」
「感知収束装置が普通より強めでさ、普通より威力が強い音素弾を打ち出す事が出来るんだけど代わりに連射ができなくなっちまったんだよ・・・・・戦場では行動の早さが命取りとなるのにねぇ・・・・・2・3秒しないと発射されないんだこれがまた」
「・・・・・」
聞いた事があるな・・・・・
譜銃は確かに遠くの敵を攻撃するのに有利なものだが・・・物理攻撃力はないことが欠点だ
盾や幅の広い剣で簡単に音素弾を弾かれてしまうから対人戦では不向きとされてたらしい
だけど・・・
これは使えるかもしれない・・・・・!?
「おばさん!!これくれ!?」
「はぁ?お前さん家の話を聞いてなかったのかい?これは・・・・・」
「それを承知で言ってるんだ!!売ってくれ!!」
「・・・酔狂でも起こしたかい?ま、いいか・・・売れれば良しとしておこうじゃないか?」
「ありがとう!!」
「ふん・・・とっとと譜業店のとこ行って撃てれるように音素振動数を合わせてもらうよう調節してもらうんだね」
そして、少し安めの代金を支払い店を出ていく
目指すは譜業店にある工房・・・・・
調節のついでにある事をしてもらおう・・・・・
ひょっとしたら・・・
“アレ”が・・・・・再び・・・・・・
それは・・・傲慢だったかもしれない・・・・・
“アレ”は俺が初めて持った武器だから、それが良かったと思った
それとは別に、戒めとして形に表して自分の傍に置いときたかった・・・・・
それが贖罪になると・・・勘違いした・・・・・
いや、勘違いしたかったのかもしれない・・・・・
そして彼は、かつて血濡れた牙を再び手に入れる・・・・・
それは何の為に使うのかは・・・彼のみが知る・・・・・
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