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久しぶりに帰って来た!!
スランプ気味になりそうだ……
第65話
「そうだ、死合をしよう」

 皆さんお元気ですか?ファブレ家来訪まで明日と時間がなくてタミフルそうなハーミットです。緊張がもう少しでMAXと危ない状況です。てな訳で、一番の発散方法が弱者いじ……ごほん、体を動かしに行きたいと思います。

「ディノ~、ちょっくら暇を潰してくるからカルテ整理頼むぞ?」
「……でしたら私の頭を強く掴むその手を退けていただけませんか?」

 もはやこのような出来事に慣れてしまったディノはもうどうにでもなれと言わんばかりにスル―能力を磨きあげれていた。

――――――――――――――――――――

「そんじゃあよろしくな♪」

 笑顔で対応した結果、

「無理です!!」
「やだあぁぁぁァ!!!」
「殺されるうぅぅぅゥ!!!」

 一斉に訓練場にいた兵士達は真っ先に出口へと直行していった。実はハーミット、試しに表で訓練の為に一度相手した時、相手側の結果が悲惨な目に遭わされるという惨劇を起こした過去があった。

「はぁ……あれはやりすぎたか…………」

 一応反省をしておこう。だが、このまま何もやらずに終わらせる訳にはいかないしな…
 今日はイオンは先にバチカル行ってるからいないし……他には。

「ラルゴ……かな?」

――――――――――――――――――――

「てな訳で、調練にてよろしく♪」
「またかハーミット…少しはこっちの身にもなってもらいたいんだが……」
「だってなぁ…俺の蹴りに耐えれる体格を持った人間なんてお前ぐらいしかいないし」
「そのおかげで俺の自慢の鎧と戦斧を修理するため給金どれほど減ったか分かっているのか!?」
「5回だな」
「数えてたのか!?」

 ふ~む、ラルゴも駄目となると……残るのはあいつしかいないか。
 怪我しないように手加減を頑張るとしますか。

――――――――――――――――――――

Side:アッシュ
「双牙斬!」
「甘いぞアッシュ!」

 くっ、さすが主席総長の椅子に近いといわれている男でもある。俺の攻撃なんざカスリやしねぇ!だがまだだ、俺は強くなんなくちゃいけねぇ!世の中ってのは時に暴力が支配を制する場所が現れる時も稀にある。弱い奴はまず生き残れねぇ!!

「閃光…墜刃牙!」

 アッシュはヴァンの隙をついて自分の持てる最高の技を叩きこもうとする…が
「読み違えたな……」

 ヴァンはその行動が分かっていたといわんばかりに……

「閃空剣!!」

 カマイタチを孕んだ薙ぎ払いをアッシュの閃光墜刃牙ごと体を吹き飛ばした。

「ぐあぁぁぁ!!」

 突風の力に吹き飛ばされ、受身も取れぬまま地面を後ろへと転がっていく。2mほど離れてようやく止まったと同時に立ち上がろうとするアッシュの眼前には……

「勝負ありだ」

 ヴァンの木刀の切っ先が映っていたのだった…

「くそ……ッ!!」

パチパチパチッ…!!

「中々の出来だ、13でそこまで動ければ十分だぞ?」
「ハーミット、お前……」

 いつの間にか訓練場の端の壁にもたれかかりながら此方を観戦していたハーミットがいた。ヴァンは少しため息をしながらこちらを伺う…どうやら途中で気づいていたようだ。

「ハーミット…今は遊びでやっている訳ではないのだ……邪魔をしないでもらいたい」
「いいだろ別に見ているくらい、現に手出しはしてなかったんだからな」
「……まぁいいだろう」

 二人の会話には何かギスギスとした雰囲気が漂わせる。どうやら未だ二人の関係は良好という訳ではないらしい。アッシュは前から話を聞いていたがこれほどとは思っていなかったので少しばかりか冷汗が垂れる。

「それで、何用だ」
「なぁに、少しばかりか鈍った体を解しに…な」
「……私に相手をしろと?」
「話が早い、一人を除いてもうお前ぐらいしか相手にならなくてな…訓練生は逃げちまうし……」

 相手にならないだと!?アッシュは驚いた。ハーミットの強さは以前魔物との戦いで知っている筈だ…だがあの時はここの他の兵達でもある程度腕がたつならどうにかなるくらいだった物だ。なのに、他の師団長が相手にならない?たかがダアトの医師であるこの男がどれ程の力を持て余しているのか少し興味も持つ。

「……よかろう、かつて決着の着かなかったあの勝負…今ここで白黒を付けさせてやろう!」
「そうでなくては!……さて、早速始めよう…とその前に、アッシュ!」

バサッ…!!

「お…おぉ……!?」
 ハーミットは着ていた白衣を豪快に脱いでそれをアッシュに投げて渡そうとする。其れをアッシュは受け止める…が、

ビタンッ…!! 

「うおあぁぁぁっ…!?」

 予想だにしなかった白衣の重さに耐えきれず、腕ごと地面に落してしまった。

「な…なんだこれは!?」
「ディストに作らせた防刃、防水、防火対応の特殊繊維で編まれた白衣だ。全体で約五キロある。」
「そ…それを着てて今まで仕事してたのかよ……」

 アキレス腱などを伸ばしたりとストレッチをしながらヴァンの方へと向き、ルールを説明する。

「さてと、譜の使用は無し…俺は格闘、お前は剣技のスタイルで生身の試合とする……それでいいか?」
「かまわん…では……」

―――勝負!―――

 最初に勝負に出たのはハーミットである。地面を蹴って一気に距離を詰めようとして速度を上げる。其れに対応してヴァンも木刀を薙ぎ払いの構えを取る…これでは迂闊に近寄れないと考え、ハーミットは左右に複雑な反復横とびをするかのように撹乱させながら少しづつ近づいていく。

「はぁっ…!!」
「むっ……!?」

 ヴァンはその動きに惑わされず、ハーミットの足を狙って木刀を振るう。確かに、どれだけ姿がぶれようとも足は地面を付き続ける。それを読んでヴァンは攻撃をする。

「ちぃっ……!!」

ガギッ…!!

 それをハーミットは片足を浮き上がらせて木刀の根元を思いっきり踏みつけて力のベクトルを強引に受け止めた。そして、もう片方の足でヴァンの頭を狙おうとする。

「烈波掌!!」
「……ッ!?」

 ヴァンはその振り下ろされようとする脚を譜の込めてない烈波掌で弾き戻す。その勢いでグラつき、そこを狙って木刀の自由を取り戻す。まだ態勢を整えれていないハーミットに突きで攻める。

ヒュッ…ヒュッ…ヒュッ……!!!

「おっとっと、アブねアブね…!!」
「軽口を…ッ!!」

 ステップを踏むようにして後ろへ下がり、繰り出される突きを避ける。そして、やや大きめに下がったと同時に左足を大きく振り上げ、

「おらっ…!!!」

ドンッ……!!!

「ぐぅっ……!?」

 強烈な踵落としがヴァンの左足を潰す。靴の上からなので直接的な傷は受けはしないが、衝撃は貫通するためヴァンはその激痛に悲鳴を洩らしかける。だが、それを覚悟に今度は強引にハーミットの懐に入ることに成功した。

「双牙斬!!」
「何……っ!?」

 ハーミットは慌てて袈裟を狙う木刀の起動を掌で逸らすが、二撃目には間に合わなかった。次に放った切り上げがハーミットの逆風を捉え、体は掠っただけだが顎に大きくクリーンヒットさせる。

「がはっ……!!」
「まだだ…!!」

―――烈穿双撃破!!―――

 穿衝破と烈破掌を組み合わせたヴァンの奥義が繰り出される。すぐさまガードをしたが…一撃、二撃と叩きこまれ、ハーミットはそのままの体勢で後ろへと退けられる。

「痛つつ、効いた~!!」
「冗談を…ピンピンしてるではないか……」
「いやいや、俺だって痛みは感じるさ…倒れちまいたいくらいだ」
「ならば、倒してやろう!!」

 ヴァンの猛攻がまるで暴風のように繰り出されていく。普段長剣を軽々と使う腕力と膂力を持つヴァンにとって木刀などそこら辺の木の枝と大差ない。流れるような連撃がしだいにハーミットを苦しめていく……

「この、冗談きついわ!!」
「うおぉぉぉォ―――!!!」

ガガガガガガガッ―――!!!

 迫る猛攻をどうにかして弾き、逸らして防いでいくが全てとはいかず、何発か体に掠り始める。

「くそ……出来ればやりたくなかったが……許せヴァン!!」

 ハーミットは怪我を覚悟で木刀を地の力で握りしめて止める。テーピングも何もしていない素手にとって木刀での衝撃は激痛を走らせる。だが、それはどうとなれ……そう考えて、

「風市!!」

ゴスッ……!!

「~~~~~ッ!?」
「気海!! 水月!! 天突!!」

ゴスゴスゴスッ……!!!

「あびゃぁ!!……ちょお……待っ……!!」
「松風!! 人中!! 殷門!! 委中!!」

グサグサグサグサッ……!!!

 経絡秘孔のフルコースと奔った、ちなみにこれはハーミットが針治療を前世で興味本位で学んでた時に『これで君も世紀末●王!! 人体経絡秘孔マップ』という本を読んで覚えてみていたのだ。実際これは叩かれると本当に激痛が奔る位痛い物であんまり人間にやっていい物ではない。
 なのにハーミットはこのままでは勝算が低いとみて重心的にそこを狙うように切り替えた。初めに脚にある秘孔を蹴られたヴァンは悶絶してその間に続けて別の秘孔を蹴り出す。
 そのおかげで立っているのがやっとなくらいに痙攣しながら悶絶しつづけるヴァンの立ち姿ができあがった。なんともめちゃくちゃな裏技であろうか……

「ハ……ハイル……さん……ちょっと……た……タンマ……」
「なんか言ったか?」

ゴスッ……!!

「あおぉぉあぁぁぁァ―――!!!」
「この頃さぁ……俺不幸続きが多い気がするんだよねぇ……」

ゲシッ……ゲシッ……!!

「もう……やめ……て……!!」
「うっせぇぞ髭……今話しかけんな……」

グリュグリュ……!!

「…………(泣)」
「この行き場のないイライラ感どうすればいい訳? 教えてくれないかいヴァンデス顎髭デルカよ……経費は依然として高いしさぁ……部下から愚痴を毎回聞かされるしさぁ……イオンからは腹黒さ満載で嫌味言われるしさぁ……アリエッタとはこの頃遊んでやれねぇしさぁ…………聞いてるのかこの死洲痕野郎が……?」
「ちょ……漢字がちが……!?」
「それに比べてこの頃のお前は何してるんだ? 大逸れた計画上げてる割には俺の所とかから出してる申請書に毎回お前の名前だけが無いんだが……どういう意味なんだ魔挫痕野郎……?」
「いや、あの……その……」

ヴァンは倒れながらも首を180度回転する勢いでハーミットの方へと向けながら冷汗をかき続ける。そういえばこの頃、謡士としての仕事を参謀長や副官に任せてあったな……お陰で自分の部屋の机には山となった書類が……

「革命結構……だけどな……てめぇ俺の生活まで乱す気だというなら今ここでどうかしてやろうかあぁん!?」

 笑ってない……笑顔だけど目は全然笑ってないですハイルさん!!
 
「お……おいハーミット……そろそろその辺に……」
「なんか文句あっかオカメインコ♪あるなら蛸壺に蛸ごと詰め込んで酢漬けして海に放り出すぞコラ♪」
「ヒィッ……!!」

 アッシュ……この時点ではまだヘタレであった……

「さてと、ヴァン……勝負はまた預ける……決着はまた今度という訳だ。」
「も……もちろんです!!(早くこの場から離れたい)」
「じゃ、ライガとフレスベルグに餌やりに行ってこよっと……」

 こうして、第二回ハーミットVSヴァンの幕は唐突に終わりを迎えた。はっきり言って後半はハーミットのリンチでしかなかったが……

「ヴァン師匠……大丈夫ですか……?」
「アッシュよ……師として警告する……もしあの人と戦うなら超振動を完璧にコントロールできて塵も残さないくらいの意気込みでかかってけ」
「あいつはベヒモスか何かですか!?」
「いや、ベヒモスを譜術で凍らせれるくらい……すさまじいのだ……」
「もはや人間じゃねぇ……!!」

 もはやダアトではハーミットは“人外”のレッテルを貼られている事で定着決定ならしい……
 バチカル来訪まであと一日……
秘孔の攻撃は作者も大きく活用しております。
ふざける奴をこれでヒィヒィと泣かした経験が小学生で……
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