第3話
数は7人・・・倒したのは3人目・・・・・
結果は良好だ・・・・・
「どうした・・・?怖気づいたか?」
「く・・・くそがあぁぁぁ!!!」
軽い挑発に乗った男の全身を瞬時に観察し終える
武術を習ってる形跡はなし・・・拳は力任せ・・・
ならこれだ!!
グリンッ!!!
「ごえぇぇぇ!!!」
腕を曲げて迫ってくる拳を最小限の力でそらす
そして、瞬時に手首をきめて古武術の一つ<小手返し>を繰り出した
男への衝撃は自身の体重と重力によって変換されて凄まじい物と化した
「四人目・・・」
「な・・・なんだよこいつ!!」
「落ち着け!!一斉にかかってやれ!!さすがの奴も多数を一度に相手をする事はできないはずだ!?」
む・・・それはまずいな・・・・・
確かにその通りだ、さすがの俺でも阿修羅みたいに手が何本もあるわけじゃない
弱点を突かれ始めたか
そうしている内にも男達は此方に迫って来てる
考えろ・・・何か解決策があるはず・・・・・
ダッ!!!
「・・・ッ!!!」
その時だった・・・
突如俺の背中に蹴られたような衝撃が走った
いったいなんだと顔を後にむけようとすると・・・
俺の体を大きな影が覆い尽くした
「崩襲脚!!」
その正体は先ほどの少年だった
そのまま彼は高く飛んだ後、男達に向かって叩き下ろすような鋭い蹴りを放った
はっきり言って命知らずも良い所といってやりたい・・・・・
・・・が、チャンスだ!!
そのおかげで男達はドミノのように地面に倒れこみ、隙を作った
そこを俺は逃すことはなく、縮地の歩法で一瞬で距離を詰めて男達に仕込みを施す
・・・ガシッ!!・・・グキッ!!・・・ガチンッ!!・・・パキッ!!・・・コキンッ!!・・・
「いででででで!!!」
「な・・・なんだこりゃあぁぁぁ!!」
「ぎゃああぁぁぁ!!は・・・外れねえぇぇぇ!!!」
「秘技・・・人間テトリス!!」
手足の関節を“ツボ”を押して外し、三人分の物をうまく絡ませてパズルのように組み合わせてからまたはめ治すというトンデモ技である
しかも、無理やり外そうとすると関節をさらに痛めるという仕組みなので外から外してもらわない限り解除不可能である
・・・俺以外に出来る奴が入ればの話だが・・・・・
さて、そろそろ潮時だろうな
この騒ぎを駆けつけて遠くから兵士達が走って来てるのが見えてきた
いろいろ面倒事にまきこまれたくはない・・・だから!!
「少年!!逃げるぞ!?」
「えっ?は・・・はい!?」
一応この少年も連れて行きながら逃げる事を決める
そして、俺達は全速力でその場を去っていったのだ
5分後・・・
「はぁ・・・はぁ・・・さすがにここまで来りゃ追ってきはしないだろう・・・」
「けほっ!!つ・・・疲れたあぁぁぁ・・・」
もはや騒ぎは聞こえず、俺達は商店の並ぶ大街道の隅で休んでいた
さすがに全速力は辛かったな・・・・・
「ふぅ・・・・・さっきはありがとうな?」
「えっ!?・・・は・・・はい!!」
一応この子には礼を言っておこう
大事に至らない結果まで導けたのはこの子の手助けがあったからだと言っていいからな
「でもな・・・小さい子供が危ない事に首を突っ込むのは関心しないな・・・」
「・・・!?子供扱いしないでください!!」
おおっと、この子にとってはそういう事は突っ込まれたくはないそうだな
でもな・・・・・
「事実、無関係な一般人を巻き込み、俺にまで矛先を向けられるはめにさせた一番の原因はどこのどいつだ?」
「うっ・・・!」
まぁ・・・喧嘩を買ったのは俺だがそういう事は本来めんどくさいから止めてるんだよ
だけど、この子みたいな場合は別だがな・・・・・
「大人ぶる余裕があんなら人に守られる心配させないようにするんだな?」
「うううぅぅぅ~~~!!!」
口元を歪めて悔しそうに此方を見てくる
・・・・・あ、そういや思い出した
グワシッ!!!
「ふひょ!!」
「援護してくれたのは感謝するが人の背中を足蹴にしてまでやることじゃねぇだろうが!?」
ミョ~~~ン!!! ミョ~~~ン!!! ミョ~~~ン!!!
「ひふぁい!!ひふぁい!!ひゃふぇふぇぇぇ!!」
「だめだ、これは全体的な結論によるお仕置きだ」
俺は少年の両頬を両手の人指し指と親指で摘み、少し強めに引っ張る
それを止めさせようと少年は俺の腕を外そうとするがいかんせん力量の差によってそれは叶わず・・・
見事に伸び縮みさせていくばかりであった
「ほれほれ!?」
「ふえぇぇぇ~~~ん!!」
あ、やべ、本気で泣きそうだ・・・
そろそろ止めてやろう
そうして手を頬から放してやるのだった
「ぐす・・・」
「あ~・・・悪かった、俺も調子こいたわ・・・スマン」
少し拗ねちまったな・・・
これはまいった・・・前世で子供が注射を嫌がる時に泣き顔は何度か見てきた事はあったがそれとはまた別のパターンだからどう声かけるか・・・・・
「まぁ・・・体は大事にした方が良いぞ・・・正義感が強いのは良い事だがそれによって命の危機に合うような事態に何度も合ってちゃ身が持たない」
「だって・・・」
「お前の体はお前だけの物じゃないんだ・・・産んでもらった親御さんを心配させる事だけはするんじゃない」
「・・・・・」
「いいか、世の中ってのはな、唯正論だけを振りかざしてるだけで進むほど簡単にはできてはいない。自分の目指す道を進むためにはその為の努力を精一杯するんだ」
「・・・うん」
「焦って大きな目標にすぐ挑もうとするな?地道に小さな目標を少しづつ達成させていく・・・それが成功へと繋がっていくものだ」
「はい!!」
これくらいに言っとけばいいかな?
昔培った患者への励まし方がこんなとこでも役に立つとはな・・・・・
それに、どうやらこの子も納得してくれてるようだ
さて、そろそろいくとしよう・・・・・
「ヴァンデスデルカ様!!」
・・・・か?
「お探しになりましたよ?お見失いになられたと聞かれて【ファルミリアリカ様】もご心配なされております!!」
「母上が!?」
な・・・なんだ?
突如として騎士としての姿をした40代後半の中年の男がやって来て隣にいた少年に呼びかけてきた
一瞬の出来事であったから少なからず俺も驚いてしまった
「ペール!!聞いて!!この人がね!!」
そう言いながら少年は騎士に何やら話し合う
そして、話終えると今度は此方に向かって歩んできた
すると、俺の目の前に立つといきなり騎士の礼義の形を取り始めた
「へ・・・え・・・?」
「話はお伺いました!暴漢共からヴァンデスデルカ様を助けていただき誠に感謝いたします!!私の名はペールギュント・サダン・ナイマッハと申します・・・フェンデ様に代わって重ねてお礼を申し上げます」
フェンデ・・・ナイマッハ・・・・・
どこかで聞いたような・・・・・
・
・
・
・
て!!
「あ・・・あの!!ホド領主ガルディオス伯爵の分家、『剣』と『盾』の役割を果たす騎士の名家、フェンデ家とナイマッハ家!?」
なんたる偶然だ・・・そんな大物がこんな所に・・・・・
「いかにもその通りであります、私はその内の『盾』の役割を受け持つ者とされております」
「いえ!!ご丁寧にどうも!!」
あまりの緊張に声が張っていた
「そこで突然となんと言いますが、ヴァンデスデルカ様は貴方様にお礼がしたいとのことでして・・・お屋敷にご招待させてもらいたいと申して居られる」
「うん!!僕もお礼がしたいから是非来てほしいです!!」
いろいろとまずったかもな・・・・・
そう考えるのは少なくなかった・・・・・
かくして、俺はフェンデ家に招待される事になってしまったのだ・・・・・
そこで起きる事は一体なにが待ってるのやら・・・・・
皆さんご察しの通り、この少年は幼少時代のヴァンでした
これからの展開も期待していてください!!
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