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グルノールの転生少女 ~ないない尽くしの異世界転生~ 作者:ありの みえ

第4章 街での新しい暮らし

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小さな異変

 カーヤが館に来るようになって二週間が過ぎた。
 彼女が来るのは二日に一度ということになっている。
 単純に計算したら七回は教師としてこの館を訪れているはずだが、何故か二回に一度は何の連絡もなく姿を見せないので、本気で何を教われば良いのかがわからない。

 ……そのくせ、予定じゃない日にひょっこり姿を見せたりするんだよね、あの人。

 レオナルドが目当てなのは顔合わせの段階で判っていたが、それにしても酷すぎる勤務実態だ。
 それとなくレオナルドに言ってもいるのだが、レオナルドの前ではカーヤも猫を被っているので、なかなかカーヤの酷さは伝わらない。

 ……っていうかあの人、生徒のトコにはマトモに顔も出さないのに、砦にいるレオナルドさんの所へは頻繁に顔を出してるみたいなんだよね。さも授業帰りです、って顔をして。

 頻度にして、それこそ二日に一度は砦に顔を出している。
 砦の門番が言うことなので、間違いはない。

 そんなカーヤは、三階の自室で授業を行う。
 女性らしい仕草を身に付けろ、ということなので、授業と言っても教室は私の日常スペースだ。
 ほとんど使っていなかった自室なのだが、そんな場所でもカーヤに入って欲しくないと思うのは、私の心が狭すぎるのだろうか。
 本当は自室どころか三階のどこにも足を踏み入れさせたくはない。
 館の構造上レオナルドの主寝室は二階にあるが、三階は完全に家族のスペースだ。
 レオナルドの友人であるアルフですらおいそれとは入ってこない場所に、カーヤに入ってきてほしくはない。

 ……あれ?

 やさぐれた心をジンベーで癒そうと寝室に足を踏み入れた瞬間、違和感を覚えて足を止める。
 なんか変だぞ? と周囲を見渡すが、これといっておかしな場所はない。
 いつもどおりの自分の部屋だ。
 どう見てもいつもと変わらない部屋なのだが、最初の違和感がどうにも拭い去れない。

 ……強いて言うのなら、鏡台付近に違和感が?

 この部屋の鏡台を使ったことは、まだ一度もない。
 使っていないのだから整理も片付けもする必要はないのだが、タビサが毎日掃除しているのを知っている。
 小箱などの配置が微妙にずれていることは十分ありえるのだが、それにしても今日は違和感があった。

 ……なんだろ? 変なの。

 そんな事を考えたのが昼過ぎで、洗濯室ランドリー・ルームで何かを探しているらしいタビサを見つけたのは夕方だった。
 そろそろ夕飯の仕度をしている時間だというのに、台所に姿が見えなかったので不思議に思ったのだが、洗濯室でシーツや洗濯物を一枚一枚捲って何かを探している。

「どうしたの? 探し物れすか?」

「申し訳ございません。ティナ嬢様の髪飾りが一つ見つからないのですが……」

 そう言っている間もタビサの手は休まずに洗濯物の海を探る。
 タビサが探している髪飾りの形状を教えてくれるのだが、私にはいまいちピンとこなかった。
 私の髪飾りといえばレオナルドが買い与えてくれた物も含め、黒騎士が以前貢いでくれたものと結構な数がある。
 オレリアのくれたレースのリボンは屋根裏部屋に大切にしまってあるが、その他はほとんどタビサに任せきりだった。
 正直なところ、どんな形の物がしまわれているのかすら私は把握していない。

「……一応お聞きしますが、ティナ嬢様がお一人で髪飾りを付けたりなどは」

「一人じゃきれいに付けられにゃいのでしましぇん」

 情けないことながら、今の短い手と指では綺麗に自分の髪を結ぶことができない。
 見栄えを気にしなければハーフアップやただ一つに結ぶぐらいのことはできるが、そんなぐちゃぐちゃな髪の毛で廊下を歩こうものならば、どこからともなくやって来たバルトやタビサが髪を整えてくれるだろう。
 そうなれば、誰かの手を借りなければ髪を整えられない、という条件から逃れることはできない。
 結局のところ髪を短くでもしない限り、私はもう少し成長するまで髪に関しては他人ひと様のお世話になるしかない。

「変ですねぇ? 確かに鏡台の引き出しにしまっておいたはずなのですが……」

 途中で言葉を区切ったタビサは、私と同じ事を考えたのかもしれない。
 館に出入りする人間が一人増えた。
 それと同時期に、突然あるはずの物が消える。

 ……嫌な予感しかしないねぇ?

 そうは思うのだが、さすがにデリケートな問題すぎて、あまり大っぴらに騒ぐことはできない。
 本当にただの勘違いで、タビサが別の場所に置いただくなのかもしれないのだ。
 もう少し良く探して、様子を見た方が良い。

 ……カーヤについてはいまいちレオナルドさん当てにならないし、アルフさんにでも相談してみようかな?

 思うことは多々あるものの、髪飾りの行方不明については勘違いであれば申し訳がない。
 都合の良いことにレオナルドが今夜は帰宅できそうにないという伝言をアルフに持たせてくれたので、そのまま引き止めてレオナルドが食べるはずだった夕食を勧めつつ、カーヤについてのあれこれを聞いてもらった。
キリのいいところまで行けなかったので、区切りの良いところでアップ……しようとしたら、こんな短さに……orz

誤字脱字はまた後日。

誤字脱字、みつけたものは修正しました。
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