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第十四部第四章 エース達の戦いその五
「おのれ、また電子戦か!」
 突入を許したエウロパ軍のパイロット達は歯噛みする。だがその間にも連合軍の攻撃は続く。それへの対処で精一杯という状況になっていた。
「戦闘機はとりあえず無視しろ!」
 ベテランパイロットの一人が言った。
「攻撃機と爆撃機だ!奴等を何とかしろ!」
 艦艇への配慮からであった。母艦がやられてはどうしようもない。彼の部下達はこれを受けて攻撃機と爆撃機に向かう。
 部隊を二手に分け護衛の戦闘機に対してはそのうちの一つを向けて引き付ける。その間に彼は攻撃機や爆撃機に突撃する。ビームガンのボタンに手をやる。
「やらせるか」
 彼は連合軍の攻撃機炎龍を憎悪の目で見ていた。
「これ以上貴様等の好きにはさせん」
 この時彼は自分の攻撃で炎龍を簡単に撃墜できると思っていた。所詮攻撃機である。戦闘機に襲われてはひとたまりもないだろう。そう確信していたのだ。
「覚悟しろ!」
 攻撃を放つ。それは一直線に一機の炎龍に向かって行く。だがここで思わぬことが起こった。
「なっ!?」
 何と攻撃を向けた炎龍が突如として動いたのである。その重苦しい外見からは信じられない動きで彼の攻撃をかわす。
 それから上にいる彼に向かってきた。そして何とミサイルを放ってきたのだ。
「うわっ!」
 突然の攻撃に彼はよける暇がなかった。そのミサイルの直撃を受けエインヘリャルはあえなく撃墜された。何とか脱出はできたものの茫然自失といった状態であった。
「馬鹿な、どういうことなんだ」
 脱出ポッドの中で彼は呟いていた。
「まさか攻撃機が。どういうことなんだ」
 だがこれは彼だけではなかった。他のエインヘリャルも連合軍の攻撃機や爆撃機に撃墜されていた。彼はそれを悪夢を見るような目で見ていた。
「我が軍の攻撃機や爆撃機に撃墜されるエウロパ軍の者が多く出ているそうです」
 サフラワーズがマクレーンと劉に対してこう言った。その顔には一目でわかる程の喜びが見られていた。
「どうやら我々の策には気付かなかったようで」
「まさかとは思いますからね」
 劉がこれに応えた。
「我が軍の攻撃機や爆撃機は単に艦艇や施設への攻撃だけではありません」
「はい」
「格闘戦も可能なのです。彼等はそれに気付かなかった」
「今までもそれを見せてきませんでしたからね」
「はい」
 サフラワーズはあらためて頷いた。
「ですがこれによりエウロパ軍は精神的にかなりのダメージを受けています」
「ですね」
「狙い目ですね。まずは波状的に艦載機の装備を換装させましょう」
「換装ですか」
「戦闘機は格闘戦を、攻撃機と爆撃機はそれぞれ対艦攻撃を念頭に置いて」
 彼女は言葉を続ける。
「装備を換えていきましょう。それで攻撃を続けるのです。これでどうでしょうか」
「いいですな」
 これにマクレーンが頷いた。
「そして波状攻撃を仕掛ける」
「そう、それです」
 サフラワーズはそれに頷いた。
「それで敵を少しずつ削り取っていきましょう」
「そうしていきますか」
「数では大きく勝っています。それも利用できます」
 ここでも数の話が出た。やはり連合軍の最大の強みはその数であった。彼等はそれを念頭に置いて作戦を立てている。それは今回も同じであった。
「波状攻撃を続け敵を減らしていく。これで如何でしょうか」
「はい」
 マクレーンと劉はこれに頷いた。それでもう決まりであった。
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