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第十三部第四章 創造神の星においてそのニ
「ところで」
「はい」
 ここでホウサイは話題を変えにかかってきた。
「先程マウリアの外交官達と何やらお話をされていたようですが」
「御存知でしたか」
「ええ。話の進展はあったでしょうか」
 彼女はそう尋ねてきた。
「一応は」
 答えはあったが今一つ歯切れの悪いものであった。
「どうかされたのですか」
「いえね」
 やはり何かがあった。しかもよく見ればそれを隠そうともしていない。
「流石というか何というか」
「マウリア人の話ですか」
「はい。結局外交に関する話にはまだ至ってはいません」
 苦笑しながら箸を動かす。そして今度は漬物をとった。
「接触自体の回数は多いのですがね。それでも」
「それでは一体何の話をされているのですか?」
「何と言われましても」
 その漬物は茄子であった。ただし赤い茄子である。ベトナムのダナン星系で採れた茄子である。ここの茄子は赤いものの他に黄色いものもあるのだ。なお味自体はそれ程変わりはしない。
 それを口に入れる。食べ終えてから話を再開した。
「特に。とりとめのない話ばかりです」
「こちらから話しても何もなしですか」
「はい」
 彼は答えた。
「一向に。全く進展してはいませんね」
「困ったことですね」 
 ホウサイはそう言って少し溜息をついた。
「それでは話が進みません」
「戦争自体は進んでいますしね」
 そこが彼等の悩みのもとであった。
「困ったことです。どうするべきか」
「とりとめのない話というところに引っ掛かるものがありますが」
「といいますと」
 八条はそれを聞いて箸を止めた。
「そこに何かあるというのですか」
「話自体は行われているのですね」
「はい」
 彼は答えた。
「そうですか。それでは交渉は可能ですね」
「といいますと」
「いえ。長官は気に入られない方とはあまりお話をされたくはないでしょう」
「ええ、まあ」
 これは当然のことであった。誰も嫌いな人間と話をしたいなどとは思わない。これは素直に感情的な面からの考えである。もっとも政治の世界はそうはいかないのであるが。
「マウリアでは特に。嫌いな人間に対してはとりわけそうした傾向が顕著のようです」
「そうだったのですか」
 それは正直意外なことであった。
「今はじめて知りました」
「マウリアといっても広いですが。地域にもよりますね」
「地域」
「それぞれの地域によって人の感情があるということです。そうした感情を露骨に出す者が多い地域もあるでしょう」
「そうだったのですか」
「その外交官がどこの者かですね、問題は」
「わかりました。それではまずそこを調べなおしてみましょう」
「そうされる方が宜しいかと思います。彼等のことは私に少しお任せ下さい」
「といいますと」
「こちらも気になっていますから。まあお任せ下さい」
「わかりました。それではそれが終わってから本格的な話に入るということで」
「明日にでもわかると思います。詳しい交渉は明日からお願いして宜しいでしょうか」
「ええ、まあ」
 彼はそれに頷いた。
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