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第十三部第三章 二匹の獣その十二
「我々は元々異邦人だ」
「はい」
「それはわかっているつもりだ。だが今は連合にいる」
「そうである限り連合の者であると」
「そのつもりだ。だからより交流を深めていきたいのだが」
「難しいですね」
「認めるしかないか、それは」
 マシュハドはそれを聞いて一瞬だが憮然とした顔になった。しかしすぐに元に戻った。
「だがしていかないわけにはいかないだろう」
「それはわかっているつもりですが」
「まあそちらもおいおい話を進めていこう」
「そうですね」
「だが今はこちらの方が先決だな」
 そう言いながら前を見据えた。
「これからどうするかだ。考えはあるか」
「一応は」
 ワフラはそれに応じてにこりと笑った。何かある笑みであるのは言うまでもなかった。
「そうか。では楽しみにしているぞ」
「はい」
 マシュハドも笑っていた。そして義勇軍の将達は廊下の終わりにある大きな扉の前に辿り着いた。その左右にはそれぞれ一人ずつ連合軍の兵士達が控えていた。
「お待ちしておりました」
 兵士達がマシュハド達に対して敬礼する。マシュハドが一行を代表して返礼した。
「それではこちらに」
「うむ」
 その兵士達によって開けられた扉の中に入る。そこは茶を基調とした巨大な造りの会議室であった。見れば巨大な白い円卓が部屋の中央にあった。
「ようこそ、我が艦へ」
 その円卓の最深部、マシュハド達から見て正対する形で彼はいた。連合軍宇宙艦隊司令長官マクレーン元帥である。その横には参謀総長である劉元帥もいた。
「ようこそおいで頂きました」
「いえ」
 マシュハドはそのいささか大袈裟な言葉に苦笑しながらもそれに応えた。
「これから大きな戦いですから。当然ですよ」
「左様ですか」
 見れば二人だけではなかった。北方方面軍を率いていたリバーグも南方軍司令官のコレッリもいた。他にも連合軍のこの戦役に参加している主立った高級将校達が揃っていた。その顔触れからこの会議の重要性が嫌でもわかるものであった。
 見れば円卓は彼等のすぐ側に丁度彼等の人数分だけ席が空いていた。彼等はそこにそれぞれ向かった。すると兵士達が来て椅子を引いた。しかしマシュハドはそれをよしとはしなかった。
「それはいい」
 そう言って自分で椅子を引いた。
「これ位はな。自分達でする」
「わかりました」
 兵士達はそれに従い身を退いた。マシュハド達はその言葉通り自分で椅子を引いてそこに座った。そしてそれから会議に挑んだ。兵士達は皆その場を後にしていた。
「今日こちらに来てもらったのは他でもありません」
「はい」
 議長役も務めるマクレーンの言葉にまずは頷いた。
「次のクロノスにおける戦いのことですが」
「作戦の方針はどうなっていますかな」
「それですが」
 マクレーンはそれを受けて劉に顔を向けた。そして言った。
「参謀総長、あれを」
「わかりました」
 劉はそれを受けてマクレーンの後ろにある巨大なモニターのスイッチをレーザーリモコンで入れた。すると円卓の中央に巨大な星系の地図が姿を現わした。
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