ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
第三十五部第四章 軍律研修その五
「やはりな。辛いな」
「そうですね。どうしても」
「しかしこれもまたいいことがある」
 ここで准尉は自分の言葉を変えてきたのだった。
「それもな」
「そうですね。そろそろですよ」
 軍曹は自分の左手を前に出した。そうしてそこにある腕時計を見てまた言った。
「そろそろ来ますよ。あの子達が」
「ああ、もうそんな時間か」
「はい、その時間です」
 軍曹はまた准尉に対して答えた。
「ではそろそろ掃除を終えて」
「そうだな。もうすぐ終わりだな」
 また述べる准尉だった。見れば彼等と共に法衣のまま掃除をしていた神父がここで自分の周りにいる作業服の軍人達に対して言ってきた。
「はい、それでは皆さん」
「おっ、もうですか?」
「そろそろですか?」
「はい、そうです」
 穏やかな顔でその軍人達に述べるのだった。
「お掃除はこれで終わりです」
「じゃあ後は」
「あの子達と」
「あっ、もう来ていますね」
 教会のところに子供達が来ていた。親達も一緒だ。皆穏やかな笑顔で教会に集まっている。そうしてそのうえで教会の者達が広場であれこれと用意していた。
「はい、こっちですよ」
「こっちに集まって下さい」
 神父の助手達だけでなくシスター達も彼等に声をかけていた。
「今日はここでしますよ」
「兵隊の皆さんも来て下さい」
 こう言って軍人達も広場に集める。そうして彼等が集まったところでラジオのスイッチを入れるのだった。神父がもう彼等に前にいた。
「皆さん、おはようございます」
「おはようございます」
 まずは挨拶からだった。子供達も親達も軍人達と一緒に混ざっている。
「それでは毎朝元気に体操をしましょう」
「はい、それじゃあ今日も」
「御願いします」
 こうして皆で体操をはじめるのだった。ラジオの音楽に合わせて。皆その中で身体を動かしているがその中で准尉は。微笑んで隣にいる軍曹に声をかけるのだった。
「これもいいものだな」
「ええ、そうなんですよね」
 軍曹は微笑んで准尉のその言葉に答えた。
「普段体操といえば軍人の中だけでな」
「かなり険しく身体を動かしますからね」
「だがここでは違うからな」
「はい」
 軍曹も何時の間にか穏やかな顔になっていた。そうしてその顔で准尉の言葉に応え体操をしているのだった。
「こうして穏やかにな」
「体操ができるのはいいことですね」
「軍には決してないことだ」
 微笑んで述べるのだった。
「こうして子供達と一緒に身体を動かすのはな」
「そうですね。子供達の相手をすることは多いですが」
 ここでまた言う軍曹だった。
「それはイベント等でのことですからね」
「イベントも確かにいいが」
 軍の宣伝にもなるし市民社会とも触れ合える。やはり市民軍にとってこうしたイベントを催すことは非常によいことなのだ。これは各国軍の頃から行っている。
「今みたいな触れ合いもな」
「はい、非常にいいです」
 また述べる軍曹だった。
「ですからこうした研修もまた」
「いいものだ、実にな」
「その通りです。それでです」
 軍曹はさらに言うのだった。
「子供達とこうして朝早くから一緒にいるのは」
「我々にとっても子供達にもいいな」
「お互いを知ることができます」
 だからなのである。
人気サイトランキング site_access.php?citi_id=254078182&size=200小説・詩ランキングcont_access.php?citi_cont_id=343008101&size=200


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。