第三十五部第三章 教育者その二
「あの、受身を知らない生徒に背負い投げですか?」
「はい、床で」
「これ、教育でも何でもないですよ」
呆れ果てた声での言葉だった。
「完全に虐待ですよ、これって」
「っていうか傷害罪なんですが」
「背負い投げを浴びせられた生徒は何ともなかったようですが」
「そういう問題じゃありません」
こう言うのだった。
「そんなの。全くは」
「その他にも他の部活動の生徒の前で生徒を殴る蹴る、果てには倒して腹の上に乗ったそうです」
「完全に犯罪ですね」
「っていうか確実に人格障害者ですね」
全てのコメンテーターがこう言うのだった。
「こんな教師が世の中にいるなんて」
「本当にどうなっているんですか?」
「それでこの教師ですが」
アナウンサーも呆れ果てた顔で言うのだった。
「自分は間違ったことはしていないと主張しているそうです」
「いや、してますから」
「これ教育でも何でもないですよ」
「こんな人間が教師をやっているんですか?」
「ずっと問題にならなかったそうです」
またこのことが話された。問題になっていないということが。
「それも全く」
「やっぱりおかしいです」
「というか異常です」
どのコメンテーターもこう言うしかなかった。呆れ果てた声で。
「こんなことをしてお咎めなしですか」
「世の中どうなってるんでしょうかね」
「わかりません。ただこの教師ですが」
「ええ」
「それで処分は?」
「懲戒免職となりました」
当然の処置である。こうした教師が問題にならない世界なぞは二十世紀後半の日本だけだ。この時代の教師は日教組に守られ無能な教師、精神異常の教師が大手を振って歩き回りカルト的な思想を生徒に吹聴し生徒に好き放題虐待を加えていてそれが黙認されてきていた。こうした怪奇現象が普通になったのが当時の日本の教育だ。この時代の教育の反面教師として今でも語り草になっている。
「そして生徒達の家族から損害賠償を請求されています」
「そんなの当然ですよ」
「全くです」
彼等はそれぞれ言うのだった。
「こんなのしていたら」
「っていうかこんな教師が何年も野放しですか」
「はい、そうだったのです」
アナウンサーはまた呆れた声で述べるのだった。
「恐ろしいことに」
「女の子を部活で泣かして喜んでいたんですか」
「そもそも人間の風上にも置けませんね」
こうしたこともしてきたのである。
「あと。集まりが悪いと集まりに来ていた生徒に暴力ですか」
「こんなのが教師ですか」
「教師の世界ってどうなってるんですか?」
このことも話されるのだった。
「これは問題ですね」
「全くです」
そしてこう言われていくのであった。
「こんな教師をなくしていかなければ」
「連合の教育はよくなりません」
テレビではこれで終わった。しかしネットでは違った。インターネットの世界ではこうした教師は往々にして徹底的に制裁される。そして今もそうであった。
『あの教師の元の国籍わかったぜ』
『何処なんだ?』
『南アフリカだよ』
南アフリカだというのである。
『南アフリカのヨハネス星系の出身でな』
『それでアステカにいたのかよ』
『そうなんだよ。国籍を変えてそこにいたんだよ』
『そうだったのかよ』
『で、名前だけれどな』
国籍の次にわかったのは名前であった。
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