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第三十三部第五章 地上での決戦その二十
「いいな」
「護りを固めますか」
「少しでも長く戦う」
 これが彼の選択であった。
「アヤグーズ軍の誇りの為に」
「アヤグーズ軍のですか」
「ひいてはアヤグーズの誇りだ」
 彼はこうも言った。
「その為にだ。その為に戦える者だけ残れ」
「アヤグーズの為に」
「そうだ。その者だけが戦うのだ」
 言葉は強いものになっていた。
「アヤグーズの最後の心の為に戦える者だけが」
「では答えは決まっていますな」
「その通りです」
 将軍の今の言葉に返してきたのは各部隊からだった。
「将軍、既にここにいるのはです」
「そうです」
 彼等は口々に言う。
「既に覚悟を決めている者だけです」
「他の者は全て去ったではありませんか」
「むっ!?」
「違いますか?」
「それは」
 言葉を詰まらせた将軍に対してさらに問うてきた。
「だからこそ今ここにいるのです」
「最後まで。戦える者達だけが」
「陛下の為に」
 ブルコルジのことも話に出た。
「戦える者だけが残ったのではないのですか?」
「このアッサルームに」
「そうだったな」
 将軍もまた彼等の言葉を聞いてそのことを思い出したのだった。
「我々はな。そうだったな」
「はい、だからです」
「最早それは」
「それではだ」
 ここまで話しては最早答えは一つしかなかった。
「全軍方陣を組め」
「はっ」
 この指示そのものは同じだった。
「いいな。それではな」
「わかりました。それではです」
「方陣を組み」
「最後まで戦う」
 最初から勝利を考えた戦術ではなかった。
「それで。いいな」
「はい、我等の意地を見せる為に」
「アヤグーズの誇りを見せる為に」
 その為の戦いであるというのを誰もが強く意識していたのだった。
「是非。方陣を組み」
「戦いましょう」
「方陣が崩れればすぐに退け」
 将軍はこのことを伝えるのも忘れていなかった。
「そのうえですぐに後方の方陣と合流しろ」
「そのうえで再び戦うのですね」
「陣が崩れた程度で慌てることはない」
 彼は言う。
「いいな。崩れようともまた組めばいいのだ」
「了解です」
「それでは」
 通信からでも敬礼をして返すのだった。こうして彼等は方陣を組みティムール軍を迎え撃つ。ティムール軍はその彼等に対して空と陸から襲い掛かるのだった。
「いいか」
 シャイターンが己の指揮車から命令を出す。
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