第三十三部第三章 機雷戦その二十四
「当然だ。言ったな」
その平然とした口調でまた言ってみせた。
「あの光の壁を受けてはバリアーなぞ何の意味もないと」
「ええ。それは」
「確かに」
「だからだ。このイズライールもそれは同じだ」
その言葉の強さは変わらないのであった。
「私とて艦が撃沈されれば死ぬ」
「それは」
「死なない者なぞいない」
周りの者達が取り繕うとするがそれは自分から遮るのだった。
「誰もなアッラー以外の存在は必ず死ぬ」
イスラムの定理の一つである。
「そういうことだ。だからだ」
「バリアーを外されるのですね」
「その通りだ。このイズライールのものもな」
前を見据えた言葉であった。
「そしてビームにエネルギーを集中させよ」
「はっ」
ここで敬礼で返すハヒードであった。
「それではそのように」
「全艦で押し切る」
シャイターンの指示は続く。
「いいな」
「そして押し切った後は」
「ミサイルだ」
今度はそれであった。
「続けて放つぞ」
「わかりました。それではそちらの用意もですね」
「頼むぞ」
また告げたのだった。
「それの用意もな」
「今回は艦載機は」
続けてこれについても問われた。
「出されますか?」
「いや、突撃はしない」
それについては否定するシャイターンであった。
「ミサイルを放ったならばだ」
「はい」
「その次は」
「再びビームでの攻撃に移る」
こう言うのである。
「隙を見せずに三連射だ」
「三連射ですか」
「それで勝敗を決する」
これまでで最も強い言葉になっていた。
「それでな」
「ではやはり今の競り合いに勝つことこそ」
「勝敗の分かれ目なのですね」
「そういうことだ」
そうなのだった。まさに今この瞬間こそがティムール軍にとってもティムールという国家にとっても運命の分かれ目なのであった。そういうことであった。
「いいな」
「それでは御言葉通り」
「ここは」
「そうだ。まずは全てのエネルギーを攻撃に向けよ」
またしても指示が出された。
「そしてだ。敵の光の壁を押し返し」
「そして続いてミサイルを」
「最後は三連射だ」
ここまで話したのであった。
「それでいいな」
「畏まりました。それでは」
「息もつかせずに」
「息をつかせてはならない」
この場合は敵に対して、である。一気呵成ことが彼の今の考えなのだ。
「いいな」
「ではすぐに」
「エネルギーを回せ」
こうしてエネルギーがバリアーの分までビームに回された。するとそれまで押されていた光の壁のせめぎ合いに次第にティムール軍が勝ってきたのであった。
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