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第三十二部第三章 伝わる動きその二十三
「ですが」
「ですが」
「政治にもある程度以上応用できるものであります」
「ああ、成程」 
 ここでスタッフの一人が納得した顔で頷いた。
「そういうことですね」
「はい、そうです」
 八条は頷いたその部下に対して言葉を返した。
「そういうことになります」
「そうですか。やはり」
「!?それは一体」
「何なのですかな」
 まだ話がよくわかっていない他のスタッフ達はここでその理解していると思われるスタッフに対して問うのであった。理解しているであろう人間に問うのは当然のことだ。
「助っ人とは」
「この場合は」
「ですから。保守派以外から人材をスカウトしてくるのです」
 彼が言うのはこうであった。
「そして保守派に入れて総統候補とするのです」
「ああ、それなら話がわかります」
「そういうことですか」
 元々政治について理解しなければならない官僚である彼等ならばすぐにわかることだった。
「普通の選挙と同じですね」
「人気、実力がある人物に所属政党の人物として選挙に出てもらう」
「連合でもまたよくあることです」
「その通りです。今回もです」
 このスタッフがまた述べた。
「彼等も同じことです」
「そういうことですか」
「自分達のリーダーを呼びますか」
「では」
 わかったところで話がさらに動いた。
「その人材は誰でしょうか」
「そう、問題はそれです」
「保守派からの総統候補は」
「誰なのでしょうか」
「おそらくは」
 八条は答えが出る前に予測を立ててきた。
「彼ですね」
「彼!?」
「彼と言いますと」
「エウロパの英雄の一人です」
 語るその目が全てを見透かしたような深い知性に輝いていた。深い青の知性である。
「その人物は」
「エウロパの英雄」
「それは一体」
「ウォルフガング=フォン=モンサルヴァート」
 ここでこの名前を出した。
「彼ですね」
「どうやらそのようです」
 途中沈黙を守り周りのスタッフの話を聞くだけだったそのスタッフが述べてきた。
「あのエウロパ元帥が出るようにです」
「そういえば彼は確か」
 他のスタッフ達がここで言った。
「今はエウロパ宇宙艦隊司令長官でしたな」
「ローズ司令と交代で」
「統帥本部長から職務替えとなった筈です」
「その彼がですか」
「まだはっきりとわかりませんがそうした情報が出ています」
 そのスタッフはまた言ってきた。
「しかしこれは」
「おそらく事実でしょう」
 八条はまた深い青の目になっていた。
「というよりかは彼氏かいません」
「彼しか」
「そうです」
 こうスタッフ達に告げるのだった。
「今エウロパで。保守派の代表となれるのは」
「若くしかも実力とカリスマ性を併せ持った」
「そうした人材はですか」
「今エウロパに必要なのは英雄です」
 困難を前にすれば誰もがそれを望む。
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