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第三十部第五章 突撃戦再びその一
                 突破戦再び
 第一次防衛ラインから撤退する敵を捕捉して捕虜としたオムダーマン軍。アッディーンはその兵達をさらに北に進め次の防衛ラインに向かっていた。
 アリーの艦橋において。アッディーンはまた幕僚の一人に問うのだった。
「あと何日で到着か」
「二日です」
 幕僚の一人が彼の言葉に答える。
「あと二日で敵の次の防衛ラインに到着です」
「そうか、二日か」
 アッディーンはそれを聞いてまずは頷いた。
「予定通りだな」
「本来は三日だったのでは?」
「この速度だと二日だ」
 あらためてこう述べるのだった。
「だからだ。それでいい」
「左様でしたか」
「うむ。それでだ」
 彼はさらに言う。
「敵軍はおそらく知っているだろうな」
「友軍が残らず捕虜になってしまったことにですか」
「知らないと思うか?」
 それを幕僚達に対して問う。
「誰も連絡を行かしていないと。それは考えていないな」
「確かに」
「それは」
「そうだ、彼等は間違いなく知っている」
 アッディーンは言った。前を見ながら。
「友軍が捕虜になったことをな。それを受けてどう動くかだが」
「徹底抗戦でしょうか」
 幕僚の一人がこう言ってきた。
「数が少ないと感じ余計に」
「いや、早期撤退ではないのか?」
 別の幕僚はこう述べた。
「数が少ないのなら余計に」
「いや、カラクームはヘルマンドより堅固だ」
 また別の幕僚が異論を出してきた。
「それならば。立て篭もり戦術の変換を考えるのではないのか」
「戦術の変換か」
「そうだ」
 彼は言う。
「例えば。後方から兵を集めるなりしてな」
「暫減戦略を放棄してか。まさか」
「だが考えられる」
 しかし彼はあくまでこう主張する。
「それもな。逆もまた真なりだぞ」
「それは確かにそうだが」
 同僚達は彼のその言葉を否定できなかった。誰もが難しい顔になっていく。
「だが一気にここで兵を集めて来られるのは」
「困ったことになるぞ」
「別に困るに値しない」
 ここで口を開いたのはアッディーンだった。幕僚達に顔を向けての言葉だった。
「それはな。別にな」
「司令」
「それはまたどうしてでしょうか」
「ならばその時にまとめて倒すだけだ」
 簡潔に述べるだけだった。
「一斉攻撃でな。こちらも手間が省ける」
「それだけですか」
「そうだ、それだけだ」
 言い切ってもみせる。
「敵が集まればな。それだけ後で戦闘を続ける手間も省ける」
「そこまで仰るとは」
「案ずるな、自信はある」
 やはり言葉は揺らがない。
「コロニーレーザーを前にして密集すればそれだけで自殺行為なのだからな」
「今回も持って来たのはそれも考慮してのことでしょうか」
「いや、そうではない」
 しかしそれは違うと言うのだった。
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