ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
第二十四部第五章 挟撃その四
「ガズニー方面と国境、二つの方角からハサン軍を撃つつもりのようです」
「つまり分進合撃なのだな」
「ええ。ですから」
「ガズニーを占領したと。そういうことだな」
「そうなります」
 ベルガンサは答える。続いて彼はパンフィクを見据えていた。
「両軍の規模はわかりませんがハサン軍はここにかなりの規模の軍事基地を設けております。ガズニー方面から来るオムダーマン軍に対してはここで迎え撃つものと思われます」
「そこでか」
「はい」
 こくりと頷いて答える。
「そしてその間に援軍を迎え入れて立ち向かうものと思われます」
「そうか」
 その言葉を聞いて頷く。
「ガズニー方面のオムダーマン軍をこうして倒すつもりのようです」
「そしてガズニーを奪還し」
「返す刀で国境にいるオムダーマン軍も叩く。こういう流れでしょうか」
「わかった」 
 モンサルヴァートはそこまで聞いたうえで応えてきた。
「彼等の考えはわかった。しかし」
「しかし?」
「そう上手くいくかな」
 鋭い目でそう述べる。
「ガズニー急襲自体が奇襲です」
 ベルガンサはこう前置きしてきた。
「それでかなり無理をしていますから」
「オムダーマン軍は限界だというのだな」
「そうではないでしょうか」
 彼はそう見ていた。つまりハサンが勝つと思っているのだ。
「どうでしょうか」
「普通に考えればそうだな」
 モンサルヴァートはまずはそれを認めてきた。
「オムダーマン軍がアステロイドを突破させた戦力はおそらく少ない。堅固な星系にこもればそれだけで相手ができる」
「ええ」
「ガズニー方面の軍は敵中にある」
 つまり孤立しているということだ。彼等の問題点は実に多いものであった。
「パンフィクにハサン軍の艦隊が一個でも入ればそれで終わりだな」
「やはりオムダーマン軍の勝機は薄いです」
「しかしだ」
 だがそのうえでモンサルヴァートは言うのであった。
「それでもなおオムダーマン軍はわからないのだ」
「わかりませんか」
「そうだ。彼が率いているのだからな」
 ここで人について言及してきた。
「アッディーン元帥。彼はわからないぞ」
「そういえばアッディーン元帥の所在がはっきりしません」
 ベルガンサはふとそのことに気付いた。
「彼が今何処にいるのか」
「見当がつかないか?」
「ええ。どちらなのでしょうか」
「愚問だな」
 しかしモンサルヴァートはその言葉に笑ってきた。
「わかっておられるのですか」
「考えてみればいい」
 そうベルガンサに述べる。
「卿が彼の立場ならばどちらに向かう?」
「どちらといいますと」
「ガズニーか国境か」
 そう言葉を告げる。
「どちらだ?」
「そうですね」
 ベルガンサはそれに応える形で少し考えてから述べてきた。
「ガズニーです」
「それはどうしてだ?」
「ガズニー方面での行動如何によって作戦が大きく変わるからです」
 それが彼の答えであった。
「あの方面からの侵攻を成功させることこそがこの作戦の成功の絶対条件です。ですから」
「そうだな」
 モンサルヴァートはその答えに笑ってきた。
人気サイトランキング site_access.php?citi_id=254078182&size=200小説・詩ランキングcont_access.php?citi_cont_id=343008101&size=200


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。