第二十四部第三章 各国の思惑その二
「どの国がいいか」
「そうですね。ここは」
側近は暫し考えながら述べてきた。
「消去法でいきますと」
「何処が消える?」
「四大国は止めておきましょう」
まずは日米中露が消えた。
「とりわけ米中露は」
「あの三国はハサン西方にかなりの権益を持っているしな」
それが念頭にあった。同時に彼等の強欲さもだ。
「下手に仲介を頼んだら後で何を要求されるかわからんな」
「そうです。ですからあの三国は絶対に」
「言われなくても出て来る可能性があるしな」
そうした国々である。世の中言われなくても出て来ては何かと自分の都合のよいようにする人間もいる。それは国家においても同じである。
「日本はどうだ?西方にはそれ程権益もないし強欲でもないが」
「あの国は今他で忙しいですし」
「タイとベトナムの貿易摩擦での仲介か」
「相手の国が国ですし」
「そうだな。実に剣呑だ」
「ええ」
タイとベトナムといえば連合の数多い国々の中でもとりわけ外交が上手く抜け目ないことで知られている。狡猾とさえ陰口を叩かれている。その二国が衝突するだけでもかなり厄介な話でありそれの仲介ともなればかなりの苦労が伴うことはわかっていることであった。
「ですから日本は無理かと」
「では何処がいいか」
「ヒッタイト寄りの国でも厄介ですし」
「かといっても我々の友好国だと後で色々と言われるな」
「ですから大国がいいのですが」
「そうだな。ここは」
ハシクは考えながら述べてきた。既にクスクスはかなり食べられている。やはりその色といい外見といいかなりカレーに似ている。昔からアラブではよく食べられているものである。
「オーソドックスにいくべきか」
「オーソドックスですか」
「そうだ、中央政府だ」
彼は言ってきた。
「あそこに仲介を頼むか」
「そうですね」
側近もそれには賛同したかのように頷いてきた。
「それがベストかと」
「そうだな。それでは中央政府に申請しておく」
「はい」
話は纏まった。
「しかし。ヒッタイトも相変わらずだな」
ハシクはいささか勝手なことを述べてきた。
「このまま話が終わるかとおもったのだが」
「あちらも権益を守るのに必死ですね」
「考えれば当然か」
少し思案してから述べてきた。
「それを守るのが国家の仕事だからな」
「ええ。しかしサハラは」
側近は考える顔で述べてきた。
「何かと進出し難い場所であります」
「その通りだ」
それにハシクも同意する。
「戦争が多いからな。それでどうしても」
「ええ。困ったことに」
実際に連合各国の権益はハサンに集中している。この国が長い間安定してきたからである。安定なくして経済活動も発展も権益もないからである。
「統一されればよくなるかな」
ハシクは言う。
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