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第二十二部第二章 のどかな王様その十七
「一万人委員会だよ!」
「何かの会員ですか、それは」
「何故知らないんだあんたは!」
「いや、そうは言われましても」
「一万人委員会とは?」
「何でも人類滅亡を企む謎の組織だそうです」
 周りの者が八条にそう説明する。
「よくオカルトものに出て来る」
「ああ、そういえば聞いたことがあります」
 八条もそれを言われて少しだが思い出した。
「他の知的生命体と結託して人類を滅亡させようと企んでいる組織ですね」
「左様です」
「彼は今それを言っているのですよ」
「いきなり何かと思いましたよ」
 八条も流石に引いていた。
「一万人委員会とか政治番組で言うのですから」
「いや、普通はないですよね」
「全く。何処まで突き抜けているのか」
「八条長官はそれのメンバーなんだよ!」
「へっ!?」
 いきなり自分の名前が出て思わず目が点になった。
「あの、今何と」
 テレビの向こうのシャバキに問う。
「それで謎の知的生命体と結託しているんだ!人類滅亡の為に!」
「何を根拠にそんなことを」
「それでですねシャバキさん」
 八条と司会者はテレビの外と中でそれぞれシャバキに問うた。シャバキに聞こえたのは司会者の言葉だけだが彼にはそれもあまり意味がなかった。
「その知的生命体ってのはどんな人達なんですか?」
「詳しいことは俺にもわからない」
「いや、わからないって」
 八条はその言葉に絶句していた。
「今出したじゃないですか、自分で」
「だがある程度はわかっている」
「そうなのですか」
 司会者がそれに応える。
「それでどんな知的生命体なんですか、それは」
「こんなのだ」
 ここで彼は写真を取り出してきた。そこに映っているのはやたらと頭と目が大きい小さな宇宙人であった。
「こいつなんだ!こいつが人類を滅亡させようとしているんだ!」
「はあ」
 司会者は彼の話を呆れながら聞いている。
「そして今も!この銀河の何処かにいる!」
「私は知りませんが」
 国防長官が言うのだからまあ間違いはないと思うのが普通である。
「嘘発見器で調べて下さってもいいですが」
「わからないのか、あんた達には!」
 シャバキはまた叫びはじめた。
「今迫ろうとしている危機が!一万人委員会が!」
「あの、ですからね」
 司会者は呆気に取られながらもそれでも司会者としての責務を果たそうと彼に声をかける。
「その委員会っていうのが」
「世界を脅かそうとしているんだ!そいつ等が!」
「はあ」
「今そいつ等がパソコンやテレビから人類を洗脳しようとしているんだ!それを放っておくと世界が滅亡してしまうんだ!いや」
「いや!?」
「連合だけは助かるかも知れない」
「何か話がさらにあさっての方向に行きそうですね」
 八条はそれを見ながら述べた。
「どうなるやら」
「連合は神々に護られた国々だから」
「そうだったんですか」
「そうなんだ。だが今のままじゃ」
 結局話は元に戻るようである。
「滅亡する。何てことなんだ」
「滅亡するんですか。やっぱり」
「そうだ、巨大ブラックホールが銀河系に近付いて」
「ブラックホールがですか」
「それは予言されているんだよ!」
 話が変わったことにはもう誰も突っ込まなくなっていた。完全に呆れていた。
「エドガー=ケイシーの夢の中に!」
 二十世紀のアメリカの予言者である。夢からアカシック=レコードにリンクしてそこから予言を行っていたという。確かに予言はしたであろうがそれが果たして正確に人々に伝わっているかどうかはわからない。下手をすれば強引極まる解釈が為されているかも知れない。そういうものである。
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