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第二十部第四章 彗星の如くその十
 八条がギルフォードの話を聞いたのは丁度地球に戻った時だった。この時彼は自身が理事長となっている日本の学園について話を聞いていた。
「制服はこの様に幾つか種類をもうけていますが」
 学園の者がテレビ電話を通じて彼に説明をしていた。
「ですが普及率は」
「今一つなのですね」
「というよりは皆私服のようなものだと思っています」
 学園の者は困った顔をしてそう述べた。
「詰襟にしろブレザーにしろ。どれか一つだとは思っていません」
「リーズナブルでお洒落な学校の提供物といったところですかね」
「そうですね、そういった感覚のようです」
 学園の者は八条のその言葉に頷いた。
「とりわけ女子学生は」
「まあ仕方ないですね」
 八条はそれを別に咎める様子はなかった。
「学校は軍隊ではありませんから」
「はい」
「取り立てて奇妙な服装以外はいい場所ですからね」
「ええ、まあ」
 連合ではあまり制服というのは流行らない。あってもファッションの一種のように思われている。学生では特にそうであり殆どの学校で制服と私服を併用しているのである。この八畳学園でもそれは同じである。
「髪形も」
「はい」
 学園の者はまた頷いた。
「これといって出鱈目なものでなければ」
「髪を染めたり脱色程度ではね」
「何でもありませんから」
 そもそも混血で様々な髪の色の人間がいるのに何を今更な話である。連合では昔から髪を染めたり脱色したりするのは別に構わないことになっている。この時代は髪を傷めない技術が確立されているので染めようと思えば染め放題である。実際に青や緑といった普通はない髪の色の者もいる。
「髪や服装に関する規制は別にいいです」
 八条は述べた。
「幾ら何でもモヒカンや辮髪やちょんまげはそうはいないでしょうから」
「あれはまあ」
 学園の者もそれ等の髪形に関しては苦笑いを浮かべるだけであった。
「洒落にならないですから」
 こういった髪形は所謂不良の髪形とされている。リーゼントやアフロ、パーマがごく普通の髪形であり、そういった髪形ではアイデンティティを発揮できないからである。気合の入った不良はそういった髪形をするのが連合である。
「普通はしないですけれどね」
「ある意味ああした髪形をするのは勇者です」
 八条はこうも言った。
「ですからこれも書く必要はありませんね」
「はい」
「軍隊とも違いますし」
 流石に軍は学校とは違う。正規の定められた軍服を着なければならない。着ないと捕虜になった時等に正規兵扱いされず容赦なく殺されてしまう。だからこれに関しては厳しい。髪形に関してはあまり取り決めがない。だがまずちょんまげで軍服を着てはお笑いにしかならないのでこれもまたいない。
「学校の校則は法律程度でいいです」
「大昔は下着まで決められていたそうですが」
「滑稽と言えば滑稽ですね」
 八条はそれを聞いて言った。
「そんなことまで」
「全くです」
 これには学園の者も同意であった。
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