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第十九部第四章 最後の意地その九
「戦うってどうやってだよ」
「家に銃がある。それでな」
「今それは無理だぜ」
 これは流石に笑われた。
「そうだよ、宇宙に出なけりゃな」
「そうか」
「そうだよ、まあ気持ちはわかるがな」
「それによ、軍に入隊してからでないと捕虜にもなれないしな」
「そう、それだよ」
 この書き込みに突込みが入った。
「軍に所属しないと駄目だったんだよな」
「ああ」
「それで規定の軍服を着ないとな。何か窮屈な話だよな」
「けど仕方ないだろう」
 そうした意見をフォローする書き込みもやはりあった。ネットは多くの者が参加する。だから様々な意見、様々な知識を持つ者が書き込み、多くの考えを見られるのだ。
「実際にそうじゃないとゲリラ扱いだからな」
「ゲリラか」
 それを聞いて一同冷静になった。
「悪けりゃテロリストだな」
「おい、冗談じゃないぞ」
 誰かが慌てた様に書き込んだ。
「何で俺達がテロリストなんだよ」
「エウロパの為にやってもか」
「それもまた戦争なんだよ」
「戦争か」
「そうさ。戦争にもルールがあるんだ」
 人類社会なら何処でもそうである。何事も。だから戦争にもルールがあるのは当然なのだ。ルールがなければそれは単なる殺戮となってしまう。実際にそうであることも多いがこの戦争はルールある戦争であった。連合もエウロパもルールを知っており、それが政治的にどう影響するか把握していたからこそ今回はそれが重要視されているのだ。
「だからな、軍服を着なくちゃいけないんだ、軍に入ってな」
「じゃあその時は志願するか」
「ああ、そうした方がいいな」
「実際に戦争になるんならな」
「なるかな、やっぱり」
 それについても考えられるのだった。
「どうかな」
「一概には言えないんじゃないか?」
「交渉の駆け引きって可能性もあるってことか」
「そういうことだな」
「連合も馬鹿じゃないからな」
「馬鹿じゃないな、確かに」
 誰かが書き込んだ。
「狡賢いぜ、中々」
「狡賢いか」
「そうだよ、奴等は」
 ここには偏見も含まれていた。やはり彼等はエウロパの人間であり連合の者に対しては多かれ少なかれ偏見を抱いていた。これは連合も同じであるからお互い様である。
「そうだからこそ注意が必要だ」
「迂闊な動きはするなってことだな」
「ああ」
「じゃあどうするべきだろうな」
 何となく交渉者自身になっている気分になってきている者もいた。
「俺達は。ここは」
「やはりまずは冷静になることだな」
「冷静にか」
「ああ。そうじゃないと敵の意図を見抜けない」
「何を考えているか」
「何を仕掛けているか」
 連動する様に二人が書き込んだ。
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