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設定資料集六
軍隊
 サハラにおいては軍は非常に大きな意味と存在を持つ。戦乱に明け暮れるサハラにおいては軍こそが最も重要な存在なのであり、その質と量こそが最も重要とされる。その為軍部が政権を担うこともある。多くの国で最高司令官は国家元首と定められている。だが中には軍を私物化している輩もいる。
 軍服は各国によって異なる。詰襟のものもあればスーツのものもある。そして装飾がある軍隊も存在している。殆どの国で徴兵制が敷かれており、その数を維持する為に多大な努力が費やされている。だが実質的には選抜徴兵制である。優秀な人材はまず軍へ、というのがサハラの思想である。
 そしてその訓練も連合と比べるとかなり厳しく、居住環境や待遇もかなり劣る。これは義務と考えられているからである。また軍に優秀な人材が集まり、そして発言力が大きいことからここから身を立てる者も多い。軍はそうした意味で登竜門ともなっている。
 兵制自体は連合やエウロパと変わりがない。やはり一個艦隊、一万隻を基軸とし、そこから軍が考えられている。軍の力が強い国が多いせいか軍国主義的風潮も強い。これは全てサハラの置かれた事情からの必然であった。
 また兵を求めるあまり傭兵が存在する。彼等は金で雇われており、その忠誠やモラルには疑問点が多い。その為時として掠奪や虐殺に走る。これが戦乱をさらに陰惨なものとしている。また宇宙海賊を兵に取り入れる場合もある。

軍の階級
 国によって違いがある為一概にこれであるとは言えない。ここではオムダーマン共和国軍の階級を載せるものとする。

兵士
三等兵
二等兵
一等兵
上等兵
兵長

下士官
伍長
軍曹
上級軍曹
曹長

将校
准尉
少尉
中尉
大尉
準佐
少佐
中佐
大佐
准将
少将
中将
大将
上級大将
元帥

 階級制度はどちらかと言えばエウロパのものに近い形となっている。オムダーマンは西方にある国でありそこでは第三勢力であった。だが近年アッディーン元帥の活躍によりその国力を著しく伸張させ、今では西方と南方を掌握している。サハラにおいてかなりの勢力を持つに至り、その動向が注目されている。

軍の教育体系
 士官学校や教育隊、各技術学校等をその規範とする。その規律はイスラム教の教えが根本にある。そしてそこから軍人としての教育が行われている。
 またか士官候補生や下士官補士といったものがある国もある。幼年学校がある場合も多い。これは多くの国で連合等と同じである。だが中にはそうした教育機関をあえて置かず、皆一兵卒からはじめ、そこから優秀な者を選抜していく国家もある。これもまた国によって違う。

軍規
 コーランからはじまる。それに相応しくない行動はどの国でも厳罰の対象となる。戦乱が続く為かその軍律もまた厳格なものとなっている。それは連合のものと比べても遜色ない程である。むしろより過酷であるとすら言える。職業倫理というよりはかってのマムルークの様な武人としての意識が強い。ただしこれはイスラム世界独特のものであり、連合やエウロパにおいてはあまり理解されてはいない。
 軍人としてのモラルは高い国が多い。だが傭兵隊はそうではない場合が多い。これが戦争における問題の一つともなっている。とりわけ傭兵の多い南部では深刻な問題を引き起こしている。

イスラム教
 サハラをサハラたらしめていると言っていいものである。ムハンマドによってはじめられた宗教でありこの時代においてもアラブをルーツとする者達の全てとなっている。
 ユダヤ教、キリスト教とルーツを同じにする一神教でありその信仰形態は先の二つよりさらに純粋になったものと言っていい。アッラーを全ての中心に置き、コーランを絶対なものとしている。信仰は生活に順応したものであり、他の宗教の存在も認めている。だがイスラム教徒になった時の特典も示しており、ここで信者を増やしてきた。
 戒律は正確には目標と言っていいものであり、決して厳格ではない。飲酒や豚肉に対してもである。豚肉が食べられないのは傷み易い為、犬の唾は狂犬病への恐れとその根拠は存在している。また妻は四人まで持ってもいいがこれは公平に愛さなければならず、また同時に戦災未亡人や孤児への救済策であった。妻を離婚することも容易であるが別れた妻の面倒は一生見なければならない。ムハンマドは女性の権利も認めていた。
 連合においてもムスリムは多いが彼等はかなり寛容で、悪く言うならば本来の教えとはかなり世俗的でいい加減になってしまっているとも言われている。その証拠にムスリムであるが他の宗教の信者にもなっていたりする。キリスト教徒でもこれは見られるがこの場合は『最も信じている宗教』『第一に思う宗教』『心に本当にある宗教』と方便が取られている。サハラではこれはまず認められない。こうした連合の宗教観はサハラにおいては異常なものと映っている。だが一応神は信じているということで認められている。サハラで最も恐れられているのは無神論者である。最低限宗教を信仰していればよいとされている。
 暦もムスリムのものが使われている。その為銀河暦よりもイスラム暦が使われる。
 偶像崇拝はない。そしてメッカはハサン王国領に移されている。そこに一生に一度礼拝するのがムスリムの夢とされているのはこの時代でも同じである。
 法律や刑法もコーランが基準である。死刑もコーランに乗っ取って行われる。その為古風な処刑が多いが連合のそれの様に意図的に残虐なものではない。連合の処刑はサハラから見てもやり過ぎとの意見がある。少なくともコーランのものではないとされている。


 サハラではヒジュラ暦が使われている。連合では銀河暦である。銀河暦は連合の他にマウリアでも使われている。エウロパでも銀河暦である。長さや重量はメートル法となっている。

学校制度
 これも各国によって違う。ただ階級制度は無い為基本的に連合のものと似ている。小学校から高校までが義務教育であり、そこから大学、大学院となる。だが大学進学率は連合のそれ程高くはない。兵役に就く場合も多く、そこで技能を身に着けて職に就く者もいる。また士官学校や幼年学校が立身出世の登竜門とされている。
 基本的に連合のそれと似ておりあまり際立った特徴はないと言える。だが学校で軍事教育が行われるケースが多く、それが大きな違いとなっている。

人種構成
 アラビア人である。二十世紀のまま保たれている。これは彼等が独自で世界を築いてきたからである。連合に入った者もいるが連合から入った者はほぼいない。マウリアも同じである。その為アラブの血がそのまま残っているのである。黒い髪と瞳、彫の深い顔に浅黒い肌がその特徴である。
 
治安
 残念なことに決してよくはない。これは戦乱のせいである。長引く戦乱がサハラ全体の治安を悪化させてしまっている。宇宙海賊が跳梁跋扈し、傭兵達が掠奪を働き、それに便乗する輩もいる。彼等がサハラ全体の治安を著しく悪化させてしまっているのである。
 また時と場所によっては異常な独裁者が出現していた国もある。そうした国では治安以前に異常な状況となっている場合が多かった。圧政や弾圧といったことも見られた時も多い。サハラはそうした意味で非常に不安定な状況が続いていると言って過言ではない。

家族制度
 イスラムの教えに基づく大家族制である。妻は四人まで持ってもよいとされている。だが実際は富の関係で一夫一妻である場合が多い。だが夫のない者はすぐに妻に勧められるのがサハラのしきたりである。とりわけ戦災未亡人はその対象となっている。
 夫を中心とする家族であるが、妻の存在は思った以上に大きい。四人いる場合はそれが公平となっているのである。嫡子は何番目の妻の子供かという問題ではなくその夫の何番目かの子供かという場合が多い。この時代は長子が家を継ぐ場合が多い。
 育児は連合程産業化されていない。昔ながらの家族がマウリアと共に色濃く残っている社会である。
 結婚は個人と個人のものというよりは家と家の繫がりであるとみなされている。これもまたかってのアラブの部族社会やイスラム社会の名残である。

地理
 サハラの宇宙地理は独特のものがあり、大きく四つに分かれている。東西南北の四つである。それぞれに地域性と言うべきものが存在している。
 東部はサハラ第一の大国であるハサン王国が多くの属国を従えて治めている。サハラにおいては最も安定した地域であり、地形も他のエリアに比べて穏やかである。その為交易も盛んなのである。サハラでは豊かな地域でもある。
 西部は大小七つの国家に分かれている。だが今はオムダーマンが大きく勢力を伸ばし統一せんとする勢いである。地形は東部よりは険しい。オムダーマン西方に広大な未開発の星系が多数存在している。だが戦乱によりそれには手がつけられてはいない状況である。
 南部は最も地形が複雑となっている。まるで迷路の如くアステロイド帯等が入り組み、そしてブラックホールや超新星、超惑星がひしめいている。小国が乱立し、群雄割拠と言っていい。ゲリラ戦も盛んでここに攻め込んだ小国はその多くが地形とゲリラに悩まされ撤退している。南部には豊富な鉱産資源が眠っているがやはり戦乱により手がつけられてはいない状況となっている。やはり戦乱はサハラ全体の正常な成長の妨げになっていると言える。
 北部はエウロパと境を接している。また地形も東部程ではないが比較的穏やかであり、そして小国が林立していた。エウロパはそこを衝いて侵攻し、総督府を築いて植民を行っている。これに対してサハラ各国は有効な手段を打てないでいる。サハラにとって深刻な問題となっている。

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