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設定資料集四
マウリア
 かってのインドを母体とする。極めて独特な文化と文明を持っている。その人口は二千億と公表されているが実際はこれより三百億は多いと言われている。これはこの国が人口統計等にあまりとらわれていないせいでもある。インドの頃からあまり変わっていない考えではある。
 人種構成は一応は白人ということになってはいるがこれもインドの頃から変わらずアジア系との混血が見られる。だがその骨格や顔立ちは白人のそれである。ただし肌や目、髪の色は違っている。黒くなっている。服装もインド時代の頃から変わってはいない。食事もそうである。やはりカリーと言われる香辛料を大量に使った独特の味付けである。ただしこの時代はスプーンやフォーク、ナイフ等を使う。牛肉はあまり食べられない。マウリアに多いヒンズー教徒達が牛を聖なる動物としているからである。ただし水牛は食べてもよい。乳製品も多い。その他にはジャイナ教徒は完全なベジタリアンであり、イスラム教徒は豚を食べない。そうした戒律は連合と比べると厳しい。だが基本的には戒律に触れないものは食べてもよいとされる。その為カンガルーや爬虫類、両生類、魚類等といったものもよく食べられる。だが味付けはマウリアのカレーである。また鶏肉が好まれる。
 国家形態は大統領制であり二院制の議会もあるが藩王もおり、それぞれの部族の長といったものも存在する。連合やエウロパと比べるとかなり複雑になっている。またカースト制は廃止はされたがそれでも影響は残っている。その為軍人になるのはクシャトリア階級にあるとされる者がなる場合が多い。言語はヒンズー語。ただし他の言語もある。
 カースト制が残っているのは事実であるがこれが秩序の維持にもある程度は役立っている一面がある。職業等の分化といった側面である。おおよそ連合やエウロパとは全く違った概念が動いている。また彼等の時間の概念もかなり特殊と言えば特殊である。その為か連合の者の多くはマウリアを異次元空間のように思っている。
 宗教はヒンズー教が多い。だがイスラム教もあればジャイナ教、ゾロアスター教もある。なおゾロアスター教は連合においても存在する。マウリアにおいては神々は連合やエウロパのそれよりもかなり身近にある存在と考えられている。そして信仰心も篤い。といってもやはり連合やエウロパから見れば特殊に映る。
 礼装はドーティ。女性はサリー。また動物の皮は不浄とみなされることが多い。マウリアは穢れの思想が強く、様々な宗教的制約が存在する。
 領土は広いがあまり積極的に惑星開発等は行ってはいない。南方に広大な未開発の宙域があるがそこへの進出もそれ程積極的ではない。発展は連合と比べると緩やかなものである。だが人口は多く人類の国家では最大である。この為マウリアを人類社会で最大の国と評価する者もいる。実際に国力では連合のどの国よりも高い。また軍事力も一国家としては最も高い。ただし技術では連合にやや劣る。ただしエウロパよりは上である。
 マウリアは連合との境を無数のアステロイド帯や磁器嵐、超惑星等によりその道の多くを阻まれている。この為通商はそれぞれの道を使って行われる。だがここには海賊も出ておりそれで問題も起こっている。またサハラ各国との国境も大体同じようなものである。この為防衛にはあまり警戒を払ってい及び主要な官僚は主席が選ぶ。ただし連合中央政府や各国と比べるとメリットシステムが強い傾向にある。とりあえずはカーストにとらわれない人材登用を心がけてはいるがそれでも偏りがあるのもまた事実である。

カースト制
 マウリアの象徴の一つとも言われている独特の制度である。二十世紀から否定されてはいるが今でもその名残は残っている。バラモン、ヴァイシャ、クシャトリア、シュードラ、そしてアウトカーストであるダーリット、所謂ハリジャンの五つから成る。バラモンが僧侶、ヴァイシャが騎士、クシャトリアが商人、シュードラが平民と考えるとよいと言われている。だが実際には三千ものカーストがありかなり複雑となっている。またこれにより職業の分化、棲み分けも行われており一概に悪とは言えないのが実情である。

マウリア軍
 総兵力にして二百個艦隊、そして四億人と人口比から見れば決して多くはない。これはマウリアの治安が比較的安定しているせいでもある。最高司令官は国家主席であり国防省の下にある。やはりシビリアン=コントロールが為されており国防相は文民、そして制服組のトップは統合作戦本部長である。これは連合軍と同じである。志願制であるがカースト制の影響で旧クシャトリア階級からの志願が多い。その為士官にはクシャトリアの者が、下士官及び兵士にはその従者達といった状況になっている。ただし志願制であるのは事実であり他の階級の者も軍に入ることは可能である。だが主流ではないのもまた現実である。
 施設や設備は連合程ではないが整備が計られている。しかし連合のように派手ではない。ここには文明的な相違というバックボーンの違いが存在している。
 制服は緑のツーピースにネクタイである。将校には腕に白いモールが巻かれる。これにより階級も示される。これは下士官も兵士も同じツーピースとなっている。また戦闘服も存在するがこれは将校も下士官、兵士も同じダークグリーンとなっている。当然のように繫ぎのものも存在する。


マウリア軍の階級
兵士
三等兵
二等兵
一等兵
兵長

下士官
伍長
軍曹
第一軍曹
曹長

将校
准尉
少尉
中尉
大尉
準佐
少佐
中佐
大佐
准将
少将
中将
大将
元帥

 おおむね連合と同じである。ただし下士官は細分化されていない。元帥は数人程度である。やはり数はそれ程多くはない。

艦隊編成及び艦種
 おおむね連合と同じであるが巨大戦艦といったものは存在しない。これは技術や戦術思想の相違故である。艦隊の旗艦は戦艦や高速戦艦が務めることが常である。
 編成はやはり一万隻からなる艦隊を基準とし、十個艦隊で軍団、十個軍団で軍となる。軍は二つ存在するということになる。連合と違うのは軍司令官が元帥であるということである。
 陸上戦力の兵器の種類も連合と同じであるがやはり移動要塞は存在しない。

軍の教育体系
 やはり士官学校が各地に存在する。入るのはクシャトリア階級が多い。また各種学校も存在している。幹部候補生や下士官候補生、下士官候補士、一般兵士といった区分も存在している。やはりパイロットは士官候補生となっているのも同じである。士官学校は上級のクシャトリア出身者が多く、下士官候補生や下士官補、そして一般の兵士になるにつれカーストが低くなっていくといったことが見られる。無理強いはないがここでもしきたりが生きていると言っていい。

マウリア軍の軍律
 おおむね連合軍と同じなようだが根幹となるものが違う。マウリア軍はクシャトリアとしての意識がある為武人としての考えが連合と比べて強い。またそこには宗教的な色彩も強いものとなっている。この場合ヒンズーとしてのクシャトリアの意識とムスリムのアッラーの戦士としての意識等実に多くの意識が見られる。多宗教国家であるマウリアならではの事態となっている。連合も多くの宗教があるが彼等と比較して宗教意識が強い為にこうした状況となっているのである。
 食事は将校も下士官兵士も同じものを同じ食堂で採る。ただし営内飲酒は不可である。ただ先任下士官の力はそれ程ではなく士官室はあっても先任下士官室はない。

中央政府と地方政府
 統一国家であるが実質的に連邦制となっている。国家主席と二院制による議会からなる中央政府の他にも地方政府が多数存在する。ただしそれぞれの地方政府は権限は連合各国程ではない。また中央警察も存在している。連合中央政府よりも中央政府の統制は強い。特色としてはマハラジャという藩王がいる政府と知事がいる政府があることである。また部族の長もいる。そうした意味で非常に多彩な地方政府を多数持っている。

学校制度
 全体的にエウロパのものに似ている。ただし貴族制度は存在しない。これは十九世紀から二十世紀にかけてイギリス統治にあったのと宇宙進出期に連合のものをモデルにしようとしたがどうにも多様でありどれを学んでよいのかわからず、仕方なくしたとも言われている。ただし誰でも学校に入られる。そうした意味では連合とエウロパの折衷であると言える。学校ではカーストは存在しない。だがこれも建前であり実際にはやはり残っていたりする。
 識字率は一応は一〇〇パーセントとされているがこれはあくまで統計上の人口においてである。統計にのっていない者のことまではわかってはいない。

家族制度
 大家族が多い。家で最年長の者を頂点とする大家族主義である。一応一夫一妻制とはなっている。だがムスリムはまた別の場合もある。宗教によって違う場合もある。基本的に法律では一夫一妻とはなっているがマウリアでは宗教の戒律が法よりも優先される場合が多くあながちには言えない状況となっている。
 結婚は家同士のものであるという意識が強い。また婚姻の際の妻の家から夫の家への結納もある。ただしこの時代では夫の家から妻の家にも結納が贈られる習わしとなっている。お互い様というわけである。離婚は連合やエウロパと比べて少ない。共働きは多い。
 宗教的な理由からか連合から見れば男尊女卑な面が多い。しかしこれもやはり連合から見た一方的な視点である場合が多く連合から来たフェミニズムの団体の発言や行動が問題となる場合も多い。これは一見すると連合側が正しいが実際には一概には言えない状況となっている。連合側のマウリアの文化や文明への無理解が顕著に見られることの一環でもある。何もわからない者達が自分達の狭い価値観で騒いでいるということも見られる。ここに異文化との接触の難しさの一つが現れていると言ってもよい。
  マウリアの婚姻の特色として同じカーストの間でしか婚姻は許されていないという考えがまだ根強いということである。これもまたマウリアの特色である。交際も許されてはいない。法律ではこれも否定されているがやはり残っているのである。そうした意味でカースト制度は根深いものがあると言える。
 社会保障制度は連合より少し落ちる程度である。それを専門に扱うカーストもまた存在する。

治安
 連合と比べるといい。やはり安定している社会であると言える。宇宙海賊もかなり少ない。だが連合との境にあるアステロイド帯等に多くの海賊が潜伏しておりこれが問題となっている。サハラとの境にも多少の兵が置かれているがそれ以外は極めて落ち着いている。

警察組織
 中央警察と各地方政府の管轄下にある地方警察から成る。かなり効率的に機能しておりその治安維持に大きく貢献している。警察官にもカースト制が大きく影響しており世襲的なところがあるのもまた事実である。
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