豆カン。(24/25)縦書き表示RDF


遅くなりました;;
安心してお読みいただけます
豆カン。
作:乙麻呂



サヨナラ


「ひどいよ…っ」

そう言って目からぼたぼたと涙を流す彼女を見て、僕は少なからず動揺していた。

何が酷かったのか、どう酷かったのか。

僕にとってした最善の行いは、彼女にとっての最悪の行為となった。

わたわたと彼女の背に手を添えようと手を伸ばすと、彼女はきっと僕を睨みあげて、ばしっとその手を叩き落した。

「触らないでっ!」

今まで聞いたことがないような、激昂の一声。

何が駄目だった?

何が君を傷つけた?

どうして、どうしてという言葉だけが僕の頭の中をぐるぐると回る。

僕から数十センチ離れた場所で、1人肩を震わせる彼女が遠い。

さっきまであんなに近かったのに、そのさっきの出来事がもうあんなにも遠い。

今まで当然だったことが当然じゃなくなって、それが現実にあったことかも疑わしくなるほど、彼女は僕から急速に離れていく。

引き留めなくちゃこのまま終わると分かっているのに、触らないで!と叫んだ彼女の顔が網膜に焼き付いて離れない。

僕は再度伸ばしかけた腕を、そっと元の位置に戻した。

彼女からは助けを求める声も謝罪を求める声も罵る声も、もう聞こえてこない。

ただ拒絶するように、頑なに彼女は僕から視線を拒み続けた。

「…ごめん」

言っても無駄だと分かっていて、僕は小さく呟いた。

「そんなつもりじゃ…」

無駄だ、無意味だ。
彼女はこんな言葉求めているわけではない。

彼女は顔を覆っていた手をそっと下ろし、涙に濡れた顔を隠すように僕から顔を背けた。

丁寧に化粧された顔が散々に崩れているのを見て、僕はギュッと心を握りつぶされたような、酷く切ない気持ちになった。

彼女はまだ僕の顔を見ようとはしない。

化粧の崩れた顔を見られたくないなんて、それだけが理由じゃないだろう。

僕は彼女の唇が僅かに動いたのを見て、彼女に近付きすぎないように気遣いながら、声が聞こえるギリギリの場所まで踏み込んだ。

「…別れよ……」

彼女はマスカラで強調した睫を震わせて、ぽつりと呟くようにそう言った。

弱々しいわけではない。

その言葉は引き留めることを拒むような、彼女なりの意志のようなものを感じた。

僕は予想されていた言葉でありながらも、まさかないだろうと思っていただけに、それが実現してしまったことを酷く後悔していた。

ひとつ、たったひとつの言葉で僕たちの関係は終わってしまうのだろうか。

僕はついに背中を向けてしまった彼女にかける言葉もなく、ただ呆然とそこに立ち尽くした。

たまに喧嘩をすることもあった。

しかし今まではそれらも付き合うための代償であると思っていたし、ここまで悪化したことはなかった。

僕は答えを求めるように彼女の唇を見て、そしてもう元に戻り得ないことを再度認識した。

彼女の唇が、音もなく、ゆっくりと動く。

さ よ な ら

それは僕らが永遠に交わらないことを告げる、最後の宣告であった。


『サヨナラ』いかがでしたでしょうか

本当になかなか投稿出来ず、申し訳ないです…
丁度今、大学の中間テストの季節でして…
しかも小説サロンを作るなんて無謀なことをしているので、書けなかったんです

ネタはあるのに文章にする体力がないorz

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最後に

少しでも『サヨナラ』楽しめていただければ幸いです

これからも『豆カン。』をよろしくお願いします♪






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