SIDE MINATO
『えぇ~い! 黙らせろ! さっさとあれを破壊するのだ!』
いやねぇ。
そんな大声出して。
「ミナトさん。回避を」
「りょ~かい」
キクザクラに向けて放たれるミサイル。
的が大きいからって当たるとは限らないのよね。
「そういえば、久しぶりよね。こうしてルリルリと一緒なのも」
「はい。随分とナデシコから離れていましたから」
「私もいる」
「ふふっ。そうね。ラピラピもいるわよね」
本当に久しぶり。
二人とこうして並ぶのって。
「それにしても、よく決断しましたね。ここに来るって」
「なんとなく信じられたのよ」
謎のメッセンジャー。
彼か、彼女かは分からないけど、その人を。
絶対に味方だって。
「なんとなく・・・ですか。
蜃気楼にはミナトさんを信じさせる何かしらの要因があると。
やはり、私達の予想は間違っていなかった。確信が深まりました」
「蜃気楼? 確か今、地球を騒がしている噂の・・・」
逐一、地球の情報を集めているアザレアちゃんから教えてもらった名前。
それがどうして、今ここで出てくるのかしら?
「先程の謎のメッセンジャーという方は恐らく蜃気楼と同一人物です」
「え?」
地球で噂の人物が、月面基地で暗躍していた人物と同一人物?
あまりにも距離が離れ過ぎているじゃない。
それとも、月面基地から地球の事に干渉していたとでも?
そんな事、不可能だわ。
情報を集めるにしたって、公開するにしたって、月からじゃ都合が悪いもの。
「流石に無理じゃないかしら。ナデシコに協力しながら地球に干渉するなんて」
「確かに厳しいでしょう。普通であれば」
「普通なら? じゃあ、その人は普通じゃないって事」
「はい。その情報収集力が一番の理由です。
厳重なプロテクトを突破しての機密情報も公開情報には多々あります。
また、基地の機能を停止させるなんて事が普通の人間にできる訳がありません」
それは確かに。
電源を落とすとかそんな簡単な事じゃないもの。
予備電源も働かせず完全な機能停止。
間違いなく、ソフト面での工作。
「でも、距離的に―――」
「それを無視できる方法があるじゃないですか」
距離を無視・・・。
「ッ! それって・・・」
「そうです。ボソンジャンプ。これがあれば距離的な制限はありません」
ボソンジャンプであれば確かに可能。
月であろうと地球であろうといつでもどこでも行動できる。
でも・・・。
「それなら、蜃気楼はジャンパーって事になるわよね」
ジャンパーの数は限られてくる。
たとえジャンパーであろうとその真実を知らないから、
自分がジャンパーであるって事を自覚している人は殆どいないし。
それなら・・・誰が・・・。
「もしかして、アキト君?」
「どうしてそうなるんですか?」
どうして呆れられちゃうのかしら?
アキト君なら可能でしょうに。
「確かにアキトさんであれば可能です。
ジャンパーですし、秘密工作が得意なアキトさんなら、不可能ではありません」
「それなら―――」
「ですが、アレス隊、でしたか? その部隊とは面識がありません」
「・・・面識がなければ一番に連絡は取らないわよね」
あの時、アレス隊に連絡したのは偶然なんかじゃない。
間違いなく狙ってアレス隊に連絡を入れていた。
無作為で選択はしていない。
「アレス隊に面識があって、ジャンパーで、裏で暗躍できる特殊技能がある人物」
「そんなの私達の知る限り一人しかいないじゃないですか」
「ましてやナデシコの味方だと特定できるのは一人しかいない」
条件に当てはまる人物。
複雑な条件ながら、真っ先に浮かんでくる人物が確かにいる。
「・・・コウキ君って事?」
それはコウキ君。
行方不明になっている私の恋人。
「少なくとも私はそう考えています」
「可能性が最も高い人物。私はコウキしかいないと思う」
二人は肯定。
「だから、私達もこうしてここにいますし。
ミスマル司令も蜃気楼の言葉に従って表に出てきたんだと思います」
「ミスマル司令が蜃気楼の?」
「はい。今こそ表に出る時だと、私達を連れて。
そうミスマル司令にメッセージが送られてきたそうです」
「じゃあこの舞台を整えたのも蜃気楼、ううん、コウキ君って事?」
「はい。間接的にですが・・・間違いありません」
全てがコウキ君のお蔭だって。
そう誰もが確信している。
それなら・・・。
「・・・それなら、コウキ君は生きてるのね?」
「ミナトさんらしくありませんね」
「え?」
「鋭いミナトさんなら真っ先に気付いてもおかしくないと思ったのですが・・・」
「・・・そうね」
考えもしなかった。
コウキ君は生きてるって。
どこかで生きてるって。
そんな事しか考えていなかった。
どこで何をしているかなんて考えもしなかった。
・・・もしかしたら、そんな事を考えたら、嫌な想像をしちゃうとか思ったのかも。
「駄目ね。こんなんじゃ」
何やってるんだろう?
言われれば言われる程、確信は深まる一方。
こんな事、言われなくても気付くものじゃない。
それなのに、こうまで言われないと気付かないなんて・・・。
「誰だって混乱はするものです」
「え?」
「思ったより、ミナトさんは混乱していたのかもしれません」
「自分で自覚してなかっただけ。きっと焦ってた」
「・・・そっか。そうかも」
無意識に、ううん、無理矢理意識の外に追いやっていたのかも。
一度嫌な想像をしたら止められなくなると思ったから。
考えるのが怖かったんでしょうね。
あれだけ生きてるって言い切ってたのに。
「不安だったみたい」
結局、強くなかったのね、私。
「当然ですよ。大切な人が死んだかもとなれば自分を見失って当然」
「むしろ、見失わない方がおかしい」
「ふふっ。ありがと」
慰められているみたい。
嬉しいんだけど、ちょっと悔しいわね。
まだ私はコウキ君を信じきれてなかったんだ。
だから、こんなにも不安になった。
もっと信じてあげなくちゃね。
もちろん、心配はするわよ、いつまでだって。
そういうものでしょ? 家族って。
「それに、もしかしたら無意識にコウキさんだと気付いていたのかもしれませんよ」
「え? どうして?」
「どうやら蜃気楼に対して深い信頼を覚えていたようですから」
「ミナトは誰もかも信頼するような甘い人間じゃない」
・・・複雑な評価なんだけど・・・ラピラピ。
「でも、そうね。そうかも」
思えば、不思議だった。
まるで見守られているかのような暖かな感情を謎のメッセンジャーから感じていたもの。
信じさせる何かがあったような気がする。
ラピラピの言う通り、誰も彼も信じるような人間じゃないって事は私が一番知ってるし。
そんな私が無条件にその人の事を信じたんだから、多分、予感する自分がいたんだわ。
やっぱり、蜃気楼はコウキ君なんだ。
それなら・・・。
「よし! さっさと終わらせて、私がコウキ君を迎えに行っちゃおう」
「それでこそ、です」
「その意気、その意気」
待ってなさいよ、コウキ君。
ずっと隠れてばかりいて。
おかげでずっと不安だったんだから。
覚悟してなさい。存分にお仕置きしてあげるから。
「なんてね」
とにかく早く帰ってきなさい、コウキ君。
SIDE OUT
「どうやら無事に到着したみたいだな」
連合軍極東方面支部のミスマル司令直轄基地。
今はフクベ提督が代理で責任者を務めている改革和平派の本拠地といえる場所だ。
クーデターにおける戦闘が最も激しい場所であり、
このクーデターの成否に最も意味を成すであろう重要区域。
ここを落とせば士気が格段に落ちる為、
徹底抗戦派、というより最高司令官は是が否でも落としたい筈。
逆にここを護り切れればいくらでも反撃のチャンスはあると言える。
意外にも反改革和平派の全てがこのクーデターに参加している訳でなかった。
お陰で劣勢かと思われていた戦況がほぼ互角という状態になっている。
まぁ、どちらにも参加しない人間の考えも分からなくない。
利口な人間であればここで戦力を潰すのは愚かだと気付くだろうし。
どちらの派閥であれ、最終決戦前にわざわざ戦力を低下させる必要はない。
しかし、違う考え方もある訳で・・・。
ここで参加する者こそ真の徹底抗戦派と最高司令官が判断すれば、
クーデターに参加しなかった者は、
クーデター成功後にかなり立場が低くなる事は間違いない。
ある意味、このタイミングでのクーデターは、
敵味方をはっきりさせる為でもあったと考えられる。
主導権を握りたい以上、周りは味方だけで固めておきたい筈だもんな。
もちろん、これらの策は勝たなければ何の意味もない話なんだけどね。
むしろ、負けたら一気にどん底。
改革和平派の敵であるとして降格させられる事もまた間違いない。
参加しなかったものは非難はされるものの中立派として存続できるだろうし。
今後の事を考えた日和見とも言えるし、戦力的な意味で賢い選択とも言える。
まぁ、手を出さないならば、気にしても仕方ないだろう。
その辺りの判断はミスマル司令がすれば良い事だし。
むしろ、こちらとしても敵味方がはっきりして都合が良いかも。
どちらにしろ、勝ったものが今後の主導権を握るのは間違いないね。
「ん? あれは・・・そうか、地球に持ってきたんだな。アドニス機動殲滅仕様」
ad-MA (Mobility Annihilation)。
爆発的な加速力、圧倒的最大速度を持つ怪物兵器。
乗る者を選ぶなんてものじゃない。
乗る者は適正なければ死を覚悟した方が良い。
それ程の規格外の兵器へとなった。
また、それに加えて、莫大な火力も持つ。
まず、グラビティライフル。
こちらは機体からのチャージはないものの、
重力波アンテナを装着している為、火力は折り紙付き。
ディストーションブレード。
通常のサイズを著しく上回る特別製。
最大速度のまま振り切られたら・・・想像を絶するであろう威力な筈だ。
次はクラッシュパーム。
排熱機構を掌部分に設ける事で凄まじい熱を持たせる事が可能。
もちろん、耐熱加工を施し、融解はしないようにしてある。
でも、それは自機のみで、敵機は別。
掌で敵機を掴み、その凄まじい高熱で敵機を融解させる事こそがこの武器の真骨頂。
無論、他の場所にも排熱機構は備わっており、状況次第で使い分ける。
そうしなければ、ディストーションブレードが持てないなんて事もありえるからな。
まぁ、ディストーションブレードの柄にも耐熱加工は施したけど。
そして、この武器こそが機動殲滅仕様の最たる武器。
グラビティウィング。
イネス女史渾身の出来だそうで・・・。
すれ違っただけで分断される事間違いなしだそうだ。
グラビティウィングを展開したまま飛び回る。
それだけで凄まじい戦果を残す事は間違いない。
いや、言ってて恐ろしくなってきた。
アキトさんとこの機体の組み合わせは・・・。
「死神。アキトさんの渾名に相応し過ぎるだろ」
正に人の生を狩る魔の使い。
知らぬ間に死んでたなんて事が多々ありそうだ。
「まぁ、それも宇宙に出てからだな」
地球じゃ本領発揮は出来ないだろう。
まぁ、それでも充分過ぎる程の性能を発揮するだろうけどね。
「アキトさんが乗るべきだってのは艦長も承知の筈。
どうやらミスマル司令は俺の頼みを聞いてくれたみたいだな」
目の前で繰り広げられている戦闘を見ればそんな事は一目瞭然。
間違いなく、機動殲滅仕様にはアキトさんが乗っている。
「となれば・・・」
ほぼ同時に発進したアドニス接近格闘仕様。
別名ad-ad-AG(Approach Grapple)。
これには誰が乗っているのだろうか?
艦長とかウリバタケさんとかとの話し合いではスバル嬢が乗るべきとしていたけど・・・。
「あの動き、ガイ程直線的ではなく、ヒカル程複雑じゃない。
でも、確実に敵を屠っている。見事なまでの接近戦闘能力だ。
まるで本能で動いているよう、それでいて、型に沿って華麗に動いている」
ガイでもなければ、ヒカルでもない。
その上であそこまで接近戦に強いのは・・・。
「やっぱりリョーコさんしかいない」
ヒナギクで地球に向かっている段階でスバル嬢もいたんだろうな。
流石は艦長。ナイスな判断です。
ナデシコパイロット二人とアドニス二機。
これ程、頼りになる味方はいない。
キクザクラが落とされる事はまずないだろう。
「しっかし、敵が哀れになるレベルだな」
アキトさんとアドニス機動殲滅仕様の組み合わせ。
目まぐるしく動き回りつつ、正確無比な射撃に一瞬で振り切られる斬撃。
接近して断ち切ったかと思えば、そのまま遠くの敵を撃ち貫いたり。
いや、やりたい放題っていうのはこういう事を言うんだろうなと実感。
しかも、それがアキトさんだけだったらまだ可哀想で済むんだが・・・。
接近格闘仕様とスバル嬢の組み合わせもアキトさんに負けず大奮闘。
右腕にパイルバンカー、左腕にミサイルシールドを装備。
その上、両腕にそれぞれディストーションブレードを装備なんていう。
なんというか、ある意味、腕が四つあるようなもの。
両腕があまりにもゴツイ。
背中のバックパックは鋭利な作りになっていて、刺々しいというか、禍々しい。
重厚な装甲に身を包みつつも、
加速力も充分で二足歩行になった戦車みたいな、そんな感じ。
いや、要塞かな? とにかく、物凄いインパクトがある。
スーパー仕様に引けを取らないゴツさ。
それでも身軽な動きで・・・もうなんてコメントしていいやら。
迫り来る敵はディストーションブレードで真っ二つに切り裂く。
遠くにいる敵は強引にでも突破し、何らかの攻撃をぶち込む。
そんな強引さを叶えさせてしまう機体だ。
なかでも、ミサイルシールドを使用した突破は一際目立つ。
ミサイルシールドを前面に出しながら突撃するのだが・・・。
その際、シールドにある推進機構が機体を更に加速させ、抜群のスピードを発揮。
ミサイルで撹乱し、シールドで前面を護る事で敵の弾幕を強引に突破し・・・。
ガコンッ!
凄まじいスピードの分も攻撃に乗せ、貫通力に秀でたパイルバンカーをぶち込む。
・・・これに貫かれない機体なんてないだろ。
きっと誰もが共感してくれる感想に違いない。
「・・・フルスロットルっすね」
なんか鬼気迫るものすら感じる二人の共闘。
単独でも充分強いであろう二人がそれぞれをフォローしながら戦っているんだ。
これを突破できる奴は皆無だろう。
うん、断言できる。
たとえここに北辰が現れても断念するだろうな、間違いなく。
「・・・さて、どうするか」
既に改革和平派、徹底抗戦派共に戦意は消失している。
時偶、何を血迷ったのか、キクザクラに攻撃を仕掛ける奴もいるが・・・。
「撃墜されるだけだっての」
凄腕のパイロットが護衛に付いてるんだぞ。
突破できる筈がない。
「という訳で・・・」
ここで俺が何か仕掛けた所で何の意味もない。
むしろ、収拾しかけている場を逆に混乱させてしまう恐れがある。
それなら・・・。
「帰るか。俺の居場所へ」
戦力が不足しているようだったら助っ人参上的な形での参戦も良かったけど・・・。
充分過ぎる程の戦力だもんな。
だったら、ここはアキトさん達に任せて、帰るべき場所へ帰ろう。
蜃気楼は今日でおしまいだ。
これからは実体なきものとしてではなく、実体ある者として過ごす。
影なんかじゃなくて、直接太陽に照らされる表舞台、ナデシコクルーの一員として。
「アドニス。戻ろうか。俺達の居場所、ナデシコへ」
アドニスに搭乗し、装備を整える。
軽く出来る範囲で整備しておいたけど、まだまだ甘い。
早くちゃんとした設備で整備させてあげたいものだ。
なんといっても、俺の相棒だからな。
「この施設は俺の秘密基地として取っておこう。
できる事なら、二度と使わなくて済むようにしたいけどね」
この施設は蜃気楼である俺が活動していた場所。
蜃気楼の象徴とも言える。俺の中でだけど。
ここを破棄するという事は即ち蜃気楼たる己と決別。
今後、二度と蜃気楼となる事はないだろう。
それに、俺=蜃気楼とは誰にもバラすつもりはない。
なんか蜃気楼って影の支配者みたいで俺のイメージに合わないし。
この秘密は墓まで持っていこう。
「とりあえず、未来にジャンプしたって事にしようかな」
一度、八ヶ月もの期間をジャンプした事があるんだ。
誰も違和感は覚えないだろう。
「死亡扱いに関してはうまい具合にナデシコ勢と口裏を合わせて・・・」
誰かが回収したとかすれば特に問題ないでしょ。
やだよ? 死んだままにされるのは。
「うん。問題はないようだな」
さて、それじゃあさっそく・・・。
「いや、その前に・・・」
ちょっとイタズラをしてから行こうかな。
それぐらいは許されるだろう。意趣返しって奴だし。
ある意味、蜃気楼としての最後の仕事だな。
「うし。壮大なイタズラにしてやろう」
『連合軍同士の争いに民を犠牲にしてはならない。
徹底抗戦派であろうと改革和平派であろうと、連合軍人の理念は同じ。
国に、民に、奉仕し、守護する。それを破る者は連合軍事にあらず。
改革和平派代表として話し合いの場を設ける事を願う。
国の舵を取るのは軍人ではない。政府であり、根本は国民だ。
我らが争った所で今後の方針が決定する訳ではない。
まずはこの意味のない戦闘行為を停止して欲しい。
その上で、政府の、民の決定を待ち、それに従おうではないか。
それが我々地球連合軍のあるべき姿であると私は思う。やるべき事であると私は思う』
御尤もなご意見です。司令。
『だが、連合軍最高司令官は別だ。
この者はコロニー落としを企てた者として裁かなければならない。
これ以上、戦闘を続けるという事は最高司令官に付き従うものとして同罪とする。
改革和平派、徹底抗戦派問わず、これ以上の戦闘行為を続ける者は裁きの対象となろう』
再び御尤もなご意見。
さて、それに対して最高司令官は何と応えるのやら。
『・・・・・・』
なんて、残念ながら答えられる状況じゃないもんな。
「さてっと、後は放置でいいか」
クーデター開始と同時に行われた最高司令官による演説。
内容の殆どはコロニー落としを起爆剤としての『木連を許してはならない』発言。
同時に、改革和平派は木連に踊らされている愚か者の集団だとかそんなの。
まぁ、大体の人間がその言葉にまんまと踊らされた訳だが・・・。
こうなってしまえばどうしようもできないだろ。
ミスマル司令が演説を開始した時点で反論やら何やらをすればよかったものの、
まさかのユリカ嬢出現に困惑し、
加えて、ありえないミスマル司令出現に唖然としてしまった。
これで対応に遅れて、結果、自らの首を絞める事となった訳だ。
それから遅れる事、今更ながら演説をし始めようとしたから、即行で潰してやりました。
まぁ、いつもの手段であるネットワークを介した侵入ミッションですね。
ビックバリアのパスワードを盗んだ時のような感じで、
セキュリティが厳しくて大変だったけど、不可能ではありませんでした。
いや、僕も成長してるんですね。今回の事でそう実感しました。はい。
今回は機能停止というか、特定の機能だけを停止させてみた。
受信は出来るけど、送信はできないみたいな。
要するに、放送は聞けるけど、放送は出来ないって事。
これで総本部から世界規模への放送をする事は防げたと。
もちろん、どこかに移動すれば可能だけど、その準備にも手間がかかる。
少なくとも今のミスマル司令にリアルタイムで反論する事は出来ないだろう。
いずれ拘束する為の部隊が乗り込んでくるだろうし、完全に反撃のチャンスは潰せたな。
現在、最高司令官は演説に反論する事も許されず、聞かされるのみという状況。
加えて、監視カメラ経由の映像で楽しませてもらっていますが、何か?
いやぁ、良い具合に血管が浮き出てますね、コメカミに。
ま、これで僕のイタズラは終了です。
ご満足して頂けたでしょうか? 最高司令官殿。
滑稽な姿を見せて頂き、スカッと致しました。
利用したのですから、それぐらいの報いは当然ですよね? ふふっ。
その後、ミスマル親子による演説によって戦闘行為の一切が停止。
降伏とは違うが、それぞれが所属する基地へと戻っていった。
その後の行動は追って連絡するとされている。
最高司令官は国を、地球を裏切った者として拘束。
真偽を確かめる為の裁判を受ける事となった。
明確な証拠もあり、少なくともコロニー落としの件では認めざるを得ないだろう。
ミスマル司令暗殺事件に関しては正直分からない。
こちらに関しては明確な証拠がないからだ。
でも、ま、コロニー落としの方だけで充分過ぎるぐらいの影響を残すだろうけど。
間違いなく、最高司令官は失職するだろうな。
さて、肝心のクーデターの結末だが・・・。
収まったものの決着がついた訳ではないといった感じ。
改革和平派と徹底抗戦派では主張が真逆な為、分かり合うのには時間が掛かるだろう。
最高司令官やそれに近い人間のように都合が悪いから滅ぼそうという人間は別として、
地球の平和を、平穏を願うが故に徹底抗戦を主張している者も徹底抗戦派の中には多い。
それを如何に説得し、納得させるかが今後の改革和平派の課題。
連合軍内で意思を統一させねば、戦後にどんな影響を残すか分からないし。
でも、最終的に結論を出すのはやっぱり国民であるべきで・・・。
ミスマル司令が最後に述べたように全ての民に決定権を委ねる事になった。
民の代表として政府にいるのが政治家というものだが、これに関しては全ての民と決定。
莫大な費用が掛かるだろうが、
そこはあれ、最高司令官とその取り巻きの横領金を使用すればいい。
元々は民の税金ですからね。問題ないかと。
国民が徹底抗戦を選ぶのであれば、それに従わざるを得ない。
でも、そうならないよう俺達は活動してきた筈。
国民の皆を信じるしかないよな。
従うのか? と聞かれたら・・・正直分からない。
俺はあくまで和平を目指している訳だし。
矛盾してるのは分かってるけど、やっぱり諦めきれないよな。
ホント、頼みます、国民の皆さん。
とまぁ、やる事はいくらでもある訳だが・・・。
それをのんびりとやっている暇は地球にはない。
木連が指定してきた決戦の日、十月五日まで残り僅か三週間弱。
それまでに早急に戦力を立て直す必要がある。
今回のクーデターの影響はかなり根深く、
間違いなく地球単位での戦力は著しく低下しただろうし、
軍内でも誰を信じていいのか分からないという疑心暗鬼な空気が蔓延している。
決戦前に空中分解してしまう可能性もある訳で、予断は許されない。
政治関係、軍事関係、どちらもすぐさま始めなければ間に合わないようなハードさだ。
決戦までにどこまで状況を整えられるのだろうか・・・。
多くの不安要素を抱え、恐怖にも似た不安が胸中を襲う。
「・・・ジャンプ」
ナデシコの皆に、ミナトさんやセレス嬢に会えば、こんな不安は吹っ飛ぶだろう。
そう願わずにはいられない程に苦しい現状だった。
クーデター終了と同時に第七部完。
クーデター中の戦闘描写が少なかったなと反省。
まぁ、コウキも裏方参加でしたし、
戦いに燃えるような展開もなかったのでご勘弁を。
さて、久々のコウキプッツン。
人を勝手に死亡扱いした事。
それを良いように利用した事。
それらの事によりプッツン。
可愛いイタズラですよね?
さて、クーデターの影響はかなりのもの。
戦力の低下をはじめとして、地球にいいことは一つもありません。
まぁ、あえて言うならば旗色がはっきりしたという事ぐらい。
余念のない準備をする期間はハッキリ言ってないに等しい。
どれだけ立ち直す事が出来るかに未来はかかってますね。
国民、政治家、軍人。
それら全国民にとって苦しい期間になりそうです。
全てが曖昧なままですから。
ハッキリしてる事の方が少ない。
次回からしばらくは待ち望まれていた日常編。
その後、最終決戦へと移行します。
これからもよろしくお願いしますね。
PS 最近、投稿にかかる時間が長く、申し訳ないです。
私なりに頑張って執筆していきますので、
どうか見捨てずに暖かい目で見守ってください。
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