挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
童貞で三十歳を迎えたら魔法使いになってたよ! 作者:下北沢
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

27/71

ゲームシステム

このサンガの町は城塞都市ではない。
正確にはだった、と言う言葉が当てはまる。
元々の規模はドガと同じぐらいで、城塞もあった。
しかし町の拡張と発展により、元の城塞都市を囲む様に広がった結果が今の町の姿らしい。
重要施設は城塞の中にあり、後から出来た街並みは殆どが住居だ。
僕達は町の中心部にある城塞の中から出発し、慌ただしい喧噪に包まれる住宅地の中を抜ける。
あちこちで大声で騒ぐ者がいるのは「街道を塞がれ、抜けようとした者は殺された」この情報が警鐘と共に伝わっているからだろう。
彼らを横目にして、森の西側の間道に一番近い出口から町を出た。
町の街道側では自警団が集結し始めている頃だろう、きっと大混乱に違いない。
間道に入る前に並び順を決めておく事にする。
「マインとケイトが先頭で、敵が見えたら右側の森に入って待ち伏せする弓隊を襲撃して下さい」
「見えてからじゃぁ、弓矢で撃って来るんじゃないの?」
マインの疑問に僕の予測と対応を教えておく。
「僕らに逃げられても困るでしょうから、かなり近寄るまでは撃って来ないとは思います。もし今朝みたいに襲ってきたら、少し下がってからその場で応戦しましょう」
マインは納得したのか「わかった」と言ってこちらに手を振るケイトと先頭を歩き出した。
「次がジュリアで、エルザ・僕・スズの順番で続きます」
「了解した」
「はーい」
ジュリアとエルザが返事を返して、マインとケイトの後に続く。
エルザは立て続けに色々起こっているからなのか、この間の件は一旦頭から消えてくれたみたいだ。
とりあえずは避けられていない事に安堵する。
「すずは最後尾で後ろを塞ぐ者が来ないか警戒をしておいて下さい。伏兵をして退路を塞ぎに来る可能性も高いので」
僕は隣にいるすずに伝えてエルザの後に続く。
「わかった、気を付ける」
スズも僕の後ろを歩き始めた。
日が高くなり、今が大体お昼の12時頃だと教えてくれる。
囮にされているPCが襲われたのは、恐らく昨日の14時から15時ぐらい。
あと精々2~3時間が僕の蘇生できるタイムリミットだ。
そもそも僕が何故こんな危険を冒して見ず知らずのPCを助けるのかまでは誰にも説明をしていない。
単なる正義感でやっている訳では無いからだ。
僕と神様の目標、それはこのゲームの優勝だ。
シンパシー能力のPCが、PCを殺すのが一番ポイントの高い事だと判断しているのは今までの状況で判る。
PC殺害が1000ポイントとしたら、それを阻止して蘇生させたらどのぐらいのポイントが貰えるのだろうか?
アタッカーにしか出来そうもない事だけがポイントに結び付くとしたら、後衛のジョブを用意する意味が無い。
ならば後衛でもアタッカーと同等に稼げるシステムになっているハズだ。
生産もその一つかもしれないが、今回の様に生産の稼ぎが良いPCは殺してしまえばいいだけなので。これはあくまで二次的な要素なのだろう。
そこで神様は賭けに出た、前衛でバンバン戦闘するというジョブではなく後衛に。しかも時空魔導士としての条件を持った僕を連れて来てPCに据えた。
きっと白魔導士の様なジョブに適した人を連れて来ても良かったのだろうけれど、アンナみたいにモラルが高すぎては扱いにくいのかもしれない。
いざ戦場に行く様にと、神様が指示をしてもあっさり断られたりするのかもしれないし。
このゲームのポイントが神様もPCを殺害が1000・退場させるとさらに500ぐらい、と仮にポイント定義してみると。阻止した場合は1000から1200ぐらいの評価ではないかとの予測が成り立つ。
その上で回復とアタッカーが、殺してから蘇生を繰り返せば延々ポイントが稼げる。なんてバグを防ぐ為に、初の死亡は1000・二度目は500・三度目は200・五度目以降は10とか5になっているのでは無いか。
だとすると初の死亡をしたPCを蘇生するチャンスは絶対に逃してはならない。
放置してしまえばシンパシーのPCに、殺害+退場の1000+500が入り僕は0になってしまう。
スズ・マイン・エルザ・ケイト・アンナ・ジュリアで6000を稼ぎ、エディでひょっとしたら1500を稼いでいるシンパシーのPCは7500。
対して僕はその六人の最初の死亡を蘇生しているので1200×6=7200、あくまでも仮に付けたポイントだが比率としてはこんな物だろう。
他にも村人を殺されたり、それを蘇生したりもあったけれど。
そこはきっと低い評価に違いない。スキルも持たない村人を殺して高得点が得られてしまったら、PCが殺人鬼となって各地で暴れまわってしまう。
きっと騎士みたいなタンク役も稼げる様に、攻撃を受けるとか傷を与えるなんて行動にも評価のポイントは付いているハズだ。
内訳は実際の所はまだ判らない、ポイントのランキングは神様の世界ではそのうち発表されるらしい。
その時じっくり分析してみるしか無いのかも。
あのシンパシーのPCは間違いなくトップランカーの一人だろう、何か手掛かりでもあればいいが・・・
僕が考えに耽りながら間道を歩いていると、後ろからスズが僕の服の裾を引っ張った。
考えを中断し、スズを見ると。前方を指さして
「見えてきたよ、縛られたPCのいるとこ」
と教えてくれた。
僕も前を向くと間道の続く所に広場が出来ている。その広場に生える一本の木に縛られたPCの死体が見えて来た。
先頭のマインとケイトが足を止めてこちらを伺いながら聞いて来る。
「囮が見えて来たぞ、このまま進むか?」
「ではマインとケイトは間道の右側の森の中を移動して下さい。敵が朝の様な動きを見せて向かってきたら、お二人は森で待ち伏せて倒してしまいましょう。僕たちはこのまま二人の動きを目立たせない様に、正面から堂々と近づきます。では、行きましょう」







+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ