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第百五十一話 ロミオの御馳走その一
                 ロミオの御馳走
 こうしてロミオの家に行くことになった一同。ところがここでルシエンが言うのだった。
「そういえばロミオってな」
「うん」 
「ベネズエラ出身だったよな」
 彼が言うのはロミオの祖国のことだった。
「そうだったよな」
「そうだけれど」
「ベネズエラか」
 ルシエンはその国名を口にしながら考える顔を見せるのだった。皆でそのロミオの家までの道を歩いている。その道は至ってごく普通の道であった。
「俺行ったことないんだよな」
「いい国だよ」
 にこりと笑ってこう答えるロミオだった。
「とてもね」
「そうなの。いい国なの」
「とても明るくてね」
 こうペリーヌにも答えるロミオだった。
「悩みも心配事も少ないとてもいい国だよ」
「何か如何にもラテンって感じね」
 ペリーヌはそれを聞いてこう述べるのだった。
「本当にね」
「そうだよ。ベネズエラはラテンの国だよ」
 ロミオも彼女に応えて上機嫌で言う。それは心からの言葉だった。
「ラテンでね。楽しくやってるよ」
「それはわかるわ」
「確かにね」
 これはペリーヌだけでなく皆が頷くことだった。
「あんた見ていたらね」
「とてもね」
「太陽の国って言われることもあるから」
 この時代は恒星ならどれも太陽と呼ぶ。言うまでもなく明るさの象徴でありまさにベネズエラは底抜けに明るい国ということである。
「だからね。そうなんだよ」
「その明るい国の人間の家か」
 ルシエンはあらためて考える顔を見せる。
「どんな家なんだろうな。本当にな」
「家自体は別に何ともないよ」 
 ロミオはそれについてはこう述べるのだった。
「家はね。普通のアパートだよ」
「ああ、アパートなの」
「普通の」
「そうだよ。それは皆と同じだよ」
 彼が言うにはであった。
「皆とね」
「アパートっていっても色々あるけれどね」
 しかしペリーヌはここで言うのだった。
「普通のアパートとかそれこそお化け屋敷みたいなアパートとか」
「お化け屋敷って」
 今のペリーヌの言葉には少しばかり微妙な顔になるロミオだった。
「別に幽霊が出たりしないよ」
「だから。例えよ」
 ペリーヌはまたロミオに言葉を返した。
「それだけ不気味とかぼろぼろだっていうことよ」
 こう話すのである。
「だからお化け屋敷なの」
「そういうこと」
 そうだというのである。
「そういう意味で言ったんだけれど」
「けれど僕の家はちゃんとしてるよ」
 ロミオはまたペリーヌに言葉を返した。
「ちゃんとね。しっかりとした奇麗な家だから」
「そうなの」
「そうだよ。ほら、見えてきたよ」
 ここで前に出て来たそのアパートを指差すのだった。そこは三階建てのごく普通のアパートであった。
「ここが僕の家なんだ」
「ふうん。メゾンハルマゲドン」
「凄い名前のアパートだね」
「何でも管理人さんがユダヤ系でね」
 ロミオはその名前にかなり唖然とする皆に話した。
「それでこの名前になったんだって」
「ユダヤ系だからハルマゲドンって」
「むしろユダヤ系というよりは」
 皆の脳裏に連合最凶最悪の電波の名前が思い浮かんだのだった。
「シャバキっていうか」
「それよね」
「そう言えばあの人今何をしているんだ?」
 ルシエンはそのことを皆に尋ねた。
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