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第十七話 影の実力者その二
「アン、今何て!?」
「何て言うつもりだったんだ?」
「あっ、これはその」
 また失言であった。
「何でもないわよ、何でもね」
 顔を真っ赤にしてそれを否定する。
「ギギの腕輪持ってるみたいなワイルドなのがいいかなあって」
「ちょっとアン、それ強引過ぎるわよ」
 ルビーがそれに突っ込みを入れる。
「千年以上も前の日本の特撮なんか出して」
「仕方ないじゃない。ばれるよりましでしょ」
「まあね」
「ガガの腕輪と一緒になると凄かったんだよな」
「そうそう」
 それを聞いたベンとトムが無邪気に話をする。
「元々凄い強かったけれどね」
「ケケーーーーーッとか叫んでね」
「何かそれ漫画にするとよさそうね」
 アンは我に返ってその話を聞いていた。
「主役にして」
「っていうか主役だよ」
 ベンがアンに対して述べる。
「あれっ、そうなの」
「そうだよ。そうは思えないかな」
「何か悪役っぽくって」
「まあ確かに物凄い戦い方するしね」
 トムが言う。
「獣人食べちゃうし」
「真っ二つとかね」
「何か凄い仮面ライダーなのね」
 アンはベンとトムのその話を聞いてかなり驚いていた。
「最近の仮面ライダーとはかなり違うみたい」
「今のライダーって結構二枚目ばかりだしね」
 レミが応える。
「千年前でも顔つきはそんなに変わってないと思うけれど」
 アンがそんなレミに声をかける。
「どうかしら」
「っていうかあの時の日本人って今よりずっとワイルドなような」
「それを言ったら当時の人達皆そうよ」
 アンはそれに対して述べる。
「私の国なんか千年前の人は皆凄い怖い顔してたわよ」
 これは常に戦争状態にあったからである。そうなればどうしても険しい顔になってしまうのだ。今はイスラエルは武力を使う国ではなくなっている。あくまで影の調停役となっているのである。
「あの顔見ていたらね」
「そう?」
 だがウェンディがそれに異議を唱える。
「あの頃からイスラエルの女の人って奇麗な人多いじゃない」
「ううん」
 この時代ではイスラエルは非常に美人が多いとされている。アンも実際容姿でとかく言われたことはない。このクラスは美人揃いなので目立たないがかなりいい線はいっている。だが宗教の関係で結婚出来る者が少ないのでイスラエルの美人は手に入れられないものの代名詞ともなっている。
「それもかなり」
「まあ女優でもいたりするけれど」
 アンは今一つ歯切れの悪い言葉を出す。
「ああした美人っていいわね」
 ビアンカがここで述べた。するとまたアンの顔色が暗くなった。
「私やっぱり女の子の方がいいかしら」
「それでどんなタイプがいいの?」
 ルビーがまたそれに問う。
「やっぱりああした華やかな感じ?」
「というわけでもないのよ」
 だがビアンカの言葉もまた今一つ歯切れが悪い。
「タイプの一つよ、確かに」
「ええ」
「けれどそれだけじゃないから。女の子の許容範囲は広いのよ」
「そうなの」
「正直年上の女の人も好き」
 ビアンカは述べる。
「大人な人もね。色々と教えてくれそうだし」
 かなり際どい言葉である。
「そういうのっていいわよね」
「私はそういう好みはないけれど」
 ルビーは首を傾げながら応えた。
「悪くはないかもね」
「そうよね。だから」
「けれどそれだけじゃないのよね」
 ウェンディが問うてきた。
「タイプの一つなのでしょ?あくまで」
「ええ。他には」
 彼女はウェンディにも応えて述べる。
「年下の可愛い娘とか」
「年下も」
「いいわね。そちらも」
「結局何でもいいんじゃないの?」
 レミが結論付けるかのように突っ込みを入れてきた。
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