第百二十三話 またまた登場迷探偵その七
「七時間以上で緑よ」
「つまりそれで犯行時間がわかる」
「そういうことね」
「その通りよ。これならどう?」
あらためて皆に対して問うアンジェレッタだった。
「わかり易いでしょ」
「そうね。確かにね」
アンは腕を組み真剣な顔になってアンジェレッタのその問いに答えた。
「それならね」
「じゃあアンジェレッタ」
「御願い」
皆アンジェレッタに薬を使ってくれるように頼み込んだ。アンジェレッタはそれを受けて早速動きその薬を黒板に塗った。するとチョークは忽ちのうちに黄色になったのだった。
「黄色!?」
「これって何時間経ったってことなんだ?」
「九時間よ」
アンジェレッタは皆の問いに対して答えた。
「黄色はね」
「そうか。九時間か」
「九時間ねえ」
「ええと。今は」
ここでアンは自分の腕時計を見た。その時間は。
「八時半だから」
「書かれた時間は昨日の十一時位?」
「その辺り?」
「ええ、そうなるわ」
アンジェレッタはまた皆の問いに答えた。
「これが十一時間なら今度は紫色になるから」
「じゃあまず九時間辺り」
「それで間違いないよな」
「そうよ。けれど」
アンジェレッタは皆に話したところで彼女も考える顔になった。
「そんな時間に学校にいる人っていったら」
「先生も帰ってるしねえ」
「当直の先生だけ?」
この学校にも当直はあるのである。
「昨日の当直っていったら?」
「誰?」
「話は大きく動いたみたいね」
チョークが書かれた時間と当直の先生の話が出たところでアンは言った。腕を組みまた考える顔になっている。そのまま探偵の顔になっている。
「どうやらね」
「動いた。そうね」
彼女の言葉に最初に頷いたのはやはりルビーだった。
「まず。時間はわかって」
「ええ」
「当直の先生もわかったわ」
当直についても目を離さないルビーだった。
「この場合当直の先生が問題になるわね」
「ぼんやりした人だったらそもそも見逃してるけれど」
「まあしっかりした人ならね。こうはならないし」
「それで誰?」
皆の関心はその当直の先生に関するものに集まってきていた。自然に。
「その当直の先生って」
「一体?」
「ああ、それならだ」
皆がそれについて知りたいと思っていたところでギルバートが口を開いてきた。
「昨日はロシュフォール先生だった」
「ロシュフォール先生!?」
「あの!?」
「そう、あのロシュフォール先生だ」
皆に応えてまた述べる。
「あの先生が当直だった」
「おかしいわね」
ロシュフォールと聞いて顔を顰めさせたアンだった。
「あの先生が当直でこんなことできるかしら」
「無理だな」
ギルバートはアンの疑問に即答した。
小説・詩ランキング
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。