第百二十二話 捕まえたのはいいけれどその五
「このオオナマケモノ。どうして」
「・・・・・・ってあれ!?」
「そういえば」
ここで皆ハタと気付いたのだった。
「どうしよう」
「どうやって持っていこうかしら」
誰もそこまで考えていないのだった。どうやってこの大きな生き物を役場に運んでいくのか。そこまでは全く考えていなかったのである。
「この大きな生き物」
「どうやって」
「引き摺っていくわけにもいかないよな」
マチアが眉を顰めさせて述べた。
「幾ら何でもな」
「それ普通に動物虐待よ」
ナンがすぐに突っ込みを入れた。
「寝ている動物を引き摺ったらね」
「ううん、だったら」
「それは駄目ね」
この方法はすぐに否定されたのだった。
「引き摺るのは」
「じゃあ何がいいかな」
「車でどうだ?」
今度言ったのはダンだった。
「大八車でな。それでな」
「ああ、リアカーで?」
「それで?」
「リアカーは確かにいいけれど」
それに反論したのはパレアナだった。
「けれど。限度があるわよ」
「限度!?」
「そうよ。大きさ」
問題はそういうことだった。
「それに体重だって。このオオナマケモノ重さだって相当なものよ」
「うっ、そういえばこれは」
「下手なリアカーじゃ」
無理であった。大きいのが完全に仇になってしまっていた。
「逆に潰されるわよね」
「じゃあこれも駄目だね」
「そうだね。これはね」
「悪いけれどね」
「いい案だと思ったんだけれどな」
話を引き受けたダンは今は沈黙したのだった。
「駄目か」
「そうだね。肝心の大八車がちょっとね」
「だから」
「じゃあいいさ」
それならばとあっさりと引きあがったダンだった。
「それならな」
「悪いけれどね。さて」
ここでまた言葉が出て来た。
「話は振り出しのままだけれど」
「そうだね、確かに」
とにかくどうやって運んだものか結論が出ていない。それなら振り出しということだった。
「どうしようかしら」
「どうやって運ぶ?本当に」
「持ってく?皆で」
今度言ったのはネロだった。
「皆で持ってさ」
「お役所まで?ここから結構あるわよ」
「それも無理かな」
「疲れるなんてものじゃないわよ」
エイミーがネロに対して言う。その時寝てしまっているそのオオナマケモノを見ることも忘れない。ちらりと見てからまた話すのだった。
「それって」
「じゃあこれも駄目なの?」
「駄目駄目、これから学校もあるんだし」
実は彼等はまだ学校に行っていないのである。幸いこの日は。
「午後からだけれどね」
「それだけラッキーだったけれどね」
「けれどやっぱりお役所まで運んだらお昼過ぎるわよ」
「皆で持ってなんて」
エイミーに続いてナンもウェンディもアンジェレッタも言った。
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