第百二十話 思いも寄らぬ巨獣その一
思いも寄らぬ巨獣
ベンの妹達が帰って来た。その彼女達が連れて来た生き物とは。
「おいおい、でかいよ」
ジョルジュが窓から下を見つつ言うのであった。
「これはまた」
「大きいって?」
「立ったら三メートルは優にあるね」
こう皆に答える。
「あれはね」
「三メートル!?」
「何なんだろ、一体」
皆立ったら三メートルはあるという言葉に首を捻って考えだした。
「三メートルもなんて」
「象じゃないわよね」
「違うね」
ジョルジュは窓から見たまま皆にまた答えた。
「二本足で歩けそうだし」
「二本足!?」
「じゃあゴリラか何かかな」
「猿とかじゃないね」
ジョルジュはそれも否定した。
「それもね」
「違うの」
「うん」
答えるジョルジュだった。
「手には鋭い爪があるし」
「鋭い爪・・・・・・」
「かといって虎とか豹でもなさそうだし」
二本足で歩けると聞いて皆それはないと判断した。とりあえずまだ酒や菓子を食べていることから皆の中には余裕があるようである。
「本当に何かな?」
「顔は?」
「丸いね」
ジョルジュは今度はベンの問いに対して答えた。
「それで目もそんな感じ」
「顔は丸い」
「結構のっぺりとしているね」
こうも述べるのだった。
「大人しそうな感じだけれどね」
「大きくて二本足で歩けて」
皆彼の言葉を聞きながらその大きな動物についての姿を考えだすのだった。
「爪が鋭くて」
「しかも顔が丸くてのっぺりとしている?」
ここまではわかった。
「何、それ」
「何なのかな」
「あっ、階段をあがってくるよ」
ここでアパートの階段をあがってくるというのであった。ベンのアパートは三階立てでベンは妹達とその三階を一つにした部屋に住んでいる。玄関は二階にあるのだ。
「今から」
「じゃあもう来るね」
ベンはここまで聞いてぽつりと述べた。
「ここに」
「さて、何かしら」
エイミーはまた首を傾げつつ述べた。
「とりあえず訳のわからないものなのは間違いないわね」
「二本足で歩けてしかも爪が鋭い」
ベンはとりわけこのことについて考えた。
「それって何なんだろう」
「とりあえず見てみればわかるんじゃないの?」
エイミーの言葉は要するに出たとこ勝負というわけだった。
「やっぱり。ここは」
「それしかないかな、やっぱり」
「そうでしょうね」
またベンに述べるのだった。
「ここはね」
「本当に何なのかな」
とにかくそれがわからないのであった。
「一体全体」
「そんなに性格の悪いのじゃないのは確かよね」
「それはね」
このことについては妹達を信じていた。
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