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第百六話 秩序その八
「あの時と同じく。しかし今度は違うぞ」
「違う!?」
「その通り」
 また答える博士であった。
「今度はな。あの時のブラックフッケバインは街一つを巻き込み自爆するのが主でこれといった兵器は搭載させてはおらんかったな」
「街一つねえ」
「相変わらず滅茶苦茶なマシンを」
 クラスの皆はそれを聞いて呆れた声で呟く。
「けれどあれだね」
「あれって?」
 皆ネロの話を聞く。
「あの博士にしては大人しいんじゃないの?」
「大人しい?」
「だってあれじゃない」
 ネロはさらに皆に対して言う。
「街一つなんて。あの博士だったら星一つ位平気でやるから」
「言われてみれば確かに」
「そういえば」
 これがこの博士の恐ろしいところである。
「それ位本当に何でもない人だしね」
「あんな碌でもないマシンとか兵器とかばかり造るしね」
「とにかく。今度のその本格的なブラックフッケバインって」
「何をするのかしら」
「さて、見よ」
 博士は秩序に対して言う。とりあえず二年S1組の面々は観客としか思っていない。他には何も見ずにただ秩序と対峙しているのだった。
「我がブラックフッケバインの力をな」
「どう来るのだ?」
「こう来るのじゃ」
 ここでその烏を思わせるブラックフッケバインが動くのだった。
「こうな」
「なっ!?」
 クラスの面々の言葉だ。
「口からミサイル!?」
「いきなり!?」
 ブラックフッケバインはいきなり口からミサイルを発射してきた。はじまりから大技を繰り出してきたといえる。この辺りは流石に博士の開発したマシンだ。
「最初からこれなんて」
「これからはもっとなのかな、やっぱり」
「ふははははははははははは、どうじゃ!」
 博士はミサイルを放ったブラックフッケバインを見上げて高笑いと共に秩序に対して言う。
「まずはこれじゃ。かわせるか!」
「かわすつもりはない」
 その言葉に対する秩序の返事は実に素っ気無いものであった。
「この程度のミサイルはな」
「この程度はってこれはまた」
「飛ばしてるわねえ、何故かしら」
「斬る」
 言いながら剣を出してきた。ビームソードである。青い光が刀身になっている。シュゴオ、という威勢のいい音まで聞こえてくる。
「それだけだ」
「ミサイルを斬るって」
「そんなことしたら大爆発じゃないのか!?」
 二年S1組の面々は今の秩序の言葉に顔を顰めさせる。
「何考えてるのよ」
「死ぬ気か!?あいつは」
「では。行くぞ」
「ほほう、流石じゃのう」
 博士はビームソードを構えた秩序を見てまたしても満足そうな笑みを浮かべる。どうやら強敵と戦うことはかなり好きなようである。
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