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第九十八話 ドードーの親子丼その二
「これは少し期待していたのよ」
「忍者を見たいのならアトラクションに行けばいいわ」
 プリシラがジュディのその言葉に応えて言ってきた。
「アトラクション!?」
「ええ。そうしたテーマパークもあるし」
 時代劇等のセットをそのまま使っているのである。こうしたテーマパークは日本では二十世紀から存在している。連合では割りかし知られてもいる。
「そこには侍もいるわよ」
「へえ、面白そうね」
「面白いわよ」
 プリシラは答えた。
「それもかなりね」
「そうなの」
「当時の服も着られるし」
 プリシラはこのこともジュディに教えた。
「忍者になったり花魁になったりもできるから。一度行ってみればいいわ」
「そうね、一度ね」
 興味をひかれてやまないジュディであった。
「行ってみるわ。さて」
「ええ」
 話がここで戻った。
「ドードーよね」
「そう、ドードー」
 今夜のパーティーの主役である。その太った大きな鳥だ。
「肉屋さんで売ってるけれど一つ面白いこと考えたわ」
「面白いこと?」
「そうよ。ほら、あれじゃない」
 ジュディは今度はローリーに対して述べる。
「親子丼って普通のお肉だけ使うじゃない」
「うん」
「内臓とかは使わないわよね」
「そうだね、確かに」
 ローリーもそれは知っていた。なお日本ではあまり内臓系統の料理はない。魚のそれは時々食べたりするがそれでもあまりないのは事実だ。
「内臓も食べたいけれどね」
「内臓ねえ」
 ローリーは言う。
「けれど親子丼には合わないよ」
「そうそう、だからね」
 ジュディはそれはわかっていた。そのうえでの話だった。
「だから。考えてるのよ」
「何を?」
「親子丼だけじゃ少し寂しくない?」
 彼女が言うのはそこであった。さらに言葉を続けていく。
「だからおかずに。内臓を焼いたのなんてどうかしら」
「いいな、それは」
 タムタムがそれに乗ってきた。
「俺鳥の内臓好きだしな」
「美味しいからね。レバーとかね」
「ああ」
「そういうのを焼いて。後は」
 ジュディはさらに言葉を進めていく。こうなれば流れが完全にできていた。
「お吸い物ね」
「それだったらお味噌汁ね」
 プリシラは味噌汁を提案してきた。
「お味噌汁。それがいいわ」
「お味噌汁!?」
「そう。親子丼といえば葱ね」
「ええ」
 これは外せない。卵と同じ位外せないものだ。親子丼というものは不思議なもので鳥と卵の他に葱もまた必要なものなのである。鳥と葱の組み合わせは最高の組み合わせの一つだ。
「それを使えばいいわ」
「葱のお味噌汁。いいわね」
「だからそれで決まりね」
「ええ。メニューは完全に決まったわね」
「そうね」
 確かにこれで決まった。一行はまずは肉屋に行ってドードーの肉を買った。当然内容も。それから八百屋で葱を買い最後は卵屋でドードーの卵を。これで完璧だった。
 そのうえでプリシラのアパートに入った。何か無機質で生活臭のない感じの部屋であった。
「装飾がないな」
「好きじゃないから」
 プリシラはタムタムに答えた。整理整頓が行き届き奇麗な部屋の中だがそれでも何か機械めいたものがありそれが無機質に見せていたのだった。
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