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第九十四話 池の謎その四
「何かあるのか?」
「鯉じゃない」 
 まずはそれを言う。
「餌にするのはどうかしら」
「そうだな。それよりもな」
 ロザリーもコゼットの考えはわかった。それは。
「食べるんだな」
「そういうこと。どうかしら」
 こうロザリーに提案するのだった。
「二人で食べちゃうのは」
「流石に鯉はな。そうだよな」
「そういうこと。だから囮はね」
 コゼットはさらに提案を続ける。
「鮒にでもしてね」
「そうだな。鯉は私達で食っちまおう」
 そういうことになったのだった。ごく自然に。やはり美味いものには勝てず話はそういう流れになるのだった。鯉はこの時代のどの国でもよく食べられているのだ。
「そうだな」
「そうよ。それじゃあ」
「ええ。鮒を用意してね」
「ああ。それでな」
 ロザリーは言葉を続ける。
「まずは鯉を食ってから話をするか」
「ええ。何で食べる?」
 それについても話すのだった。
「鯉。どうしようかしら」
「中華風でどうだ?」
 ロザリーの考えはこうだった。
「それでな」
「そうね。それがいいわね」
 コゼットも賛成する。まずは鯉を二人で油にあげてから餡かけにしたものを食べて鮒を飼ってそれを餌にすることにしたのだった。そうして食べることにしたのだった。
「さて、とだ」
 夜の学園。そこに二人はいた。ロザリーの手には青いバケツがある。その中に数尾の鮒があった。見ればかなり新鮮なものである。
 それを持っているロザリーが。隣で歩いているコゼットに声をかけた。二人は並んで夜の学校の中を歩いているのであった。
「いよいよだな」
「そうね」
 コゼットはロザリーの言葉に対して応える。二人は明るいものだ。周りは暗く誰もいないが。
「鯉も食ったし力もついたしな」
「やっぱり鯉よね」
 コゼットはにこりと笑ってロザリーに答えた。
「美味しいわね」
「美味いだけじゃないしな」
 ロザリーもまたにこりと笑っている。そのうえでの言葉だった。
「力もつくしな」
「そうなの」
「そうだ。鯉はだからいいんだ」
 やはりにこにことしている。そのうえでまた言う。
「それ考えたら鯉にしておいてよかったな」
「そうね。それで餌は鮒」
「鮒も食えるぞ」
 ロザリーは鮒についても言及した。
「鮒も?」
「食えるぞ。味はまあ」
 ここで微妙な顔になる。
「まずいのね」
「鯉の方が美味いな」
 やはりそうなのだった。鯉の方が美味しいというのだった。
「それに河童の餌だったら鮒の方がいいんじゃないのか?」
「鮒の方がいいの」
「そう、鮒がな」
 また言う。
「いいんだよ」
「匂いがきついから?」
「そう思うんだがどうだ?」
 それをまた問う。
「河童っていつも水の中にいるしな。だからな」
「それを言ったら鯉もだけれどね」
「鯉はあれだ」
 ロザリーは答えながら少し苦笑いになった。そのうえで述べる。
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